映画『祈りの幕が降りる時』を観た
「事件はテンポよく解決するけど実は渋くて重い話」
評判が良いのに釣られて映画『祈りの幕が降りる時』を観ました。
思ったより渋い!え!東野圭吾ってもっとポップじゃなかったっけ。プラチナデータでイメージが止まってる。日本橋が舞台で、明治座を牛耳る松嶋菜々子っていう設定もあるからなのか予想以上の渋さ。事件の真相を追うにつれて明らかになる背景もまぁまぁヘビーな話でした。
この作品で描かれてる警察がみんな素直で、明らかにTHE後輩な溝端淳平が「異議あり!」しててもちゃんと上司がチャンスをくれるので拍子抜けした。先輩刑事が「うるせえ!ごちゃごちゃ言ってねぇで張り込みだよ!」って生意気後輩の首根っこをつかんで会議室出ていくシーンはもうステレオタイプなのかな…。
印象的だったのは小日向文世演じる父親が、桜田ひより演じる中2の娘との今生の別れのシーンで「君の幸せだけを祈っている、それ以外は何もいらない」と説き伏せる台詞。「きちんと学校に行って、友達とたくさん遊んで、夢中になることを仕事にして、いつか好きな人が出来たらその人と幸せになるんだよ(意訳)」的なことを言うんだけどすごい良かった。家族モノ全然泣けない私でもこれはグッときた。映画『のび太の結婚前夜(1999)』のしずかちゃんパパも同じような台詞言うよね。流石に当時7歳だった私が映画館で感動したとは思えないので、もうちょっと大きくなってからこの作品を観たはずなんだけど感動した気がする。『リーガル・ハイ』の堺雅人の長台詞がめちゃくちゃカッコいいように、こういう文字としての台詞を生きたものに変えられることってすごい。観られて良かったなーと思う。
映画『祈りの幕が降りる時』
http://inorinomaku-movie.jp/
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