シャーロックホームズを欺く強敵登場!!原作解説「ボヘミアの醜聞」
こちらの記事ではアーサーコナンドイルによる原作シャーロックホームズの中で「ボヘミアの醜聞」という作品の解説をいたします。
シャーロックホームズの原作は今と時代背景が大きく違うこともあり、やや読みにくい所があります。
ですので本記事では分かりにくい箇所をいくつかピックアップして解説いたします。
「ボヘミアの醜聞」シャーロック・ホームズの冒険(短編集)の1話目として収録され、全60作品中3作目の作品です。
ちなみにシャーロックホームズシリーズは発表順と時系列がバラバラなのでそれが更に物語を分かりづらくしているようにも思えます^^;。
↑上記の動画ではシャーロックホームズ「ボヘミアの醜聞」のより詳しい解説を行なっております。
「ボヘミアの醜聞」 あらすじ
結婚したためベーカー街を離れ、ホームズと疎遠になっていたワトソン。
1888年3月20日、ワトソンは往診から帰る途中、急にホームズに会いたくなり221Bを訪れます。
そこで、依頼人が訪ねてくると聞きました。
依頼人は仮面をつけたボヘミア王。
ボヘミア王はかつて交際していた謎めいた女性、アイリーン・アドラーより脅迫を受けており、彼女との写真を探し出してほしいと依頼します。
ボヘミアって何?
そもそもボヘミアが何なのか知らない方も多いのではないかと思います。
僕も正直よく分かっていませんでした^^;。
ボヘミア王国とは現在のチェコに位置していた王国でして1198年に王国として成立し、1918年まで存続していました。
ウドの大木、ボヘミア国王
原作小説にはボヘミア国王は身長6フィート6インチの大男だと記載されています。
センチに換算すると約198cmです。
現代のヨーロッパだとそれぐらい長身な人はそこそこいますが、もしかすると19世紀のロンドンでは珍しかったかもしれません。
ボヘミア国王は横柄でやや頭が弱いけど人は良い、といういかにも”ウドの大木”みたいなキャラクターなのが印象的でした^^;。
アイリーンアドラー
ホームズシリーズの中では非常に人気のあるキャラクターで、数多くのシャーロックホームズ映像作品に登場します。
ただ実は原作小説でアイリーンが登場するのは「ボヘミアの醜聞」のみです。
アイリーンにより、天才的な頭脳を持つホームズでも出し抜かれたのは衝撃でした^^;。
ちなみに余談ですが、本作では「女性」もしくは「女」と記載されている箇所は「ひと」と読むそうです。
ランド―型馬車
220ポンド(現代の貨幣価値で約1100万円)もの高級馬車のことです。
ヴィクトリア朝時代においてお金持ちのシンボルとされました。
ホームズはなぜアイリーンの写真を褒美として要求したのか?
事件に協力した褒美としてアイリーンアドラーの写真を要求するホームズ。
それはホームズがアイリーンに恋(?)したからだと解釈されることが多いです。
ただもしかするとその写真を利用して逆に彼女を脅迫してやろうと企んでいたことも推測できます。
ボヘミア国王との写真を使って脅してきたアイリーンを逆に彼女の写真で脅迫し返す復讐を考えていたのかもしれない・・・なんて思いましたが、ホームズシリーズでアイリーンは以降のシリーズに登場しないので本当のところは分かりません(^-^;。
アイリーンは何故、ボヘミア国王を脅迫することをやめた?
元カレであるボヘミア国王を脅迫していたアイリーンですが、ホームズを出し抜いて上手く逃げ去ったにも関わらず、何故かボヘミア国王を脅迫することをやめると約束します。
その理由としては以下のことが考えられます。
・脅迫はボヘミア国王に対する軽い嫌がらせだった:新しい恋人を見つけて結婚したアイリーンにとっては元カレのボヘミア国王に固執する意味がなくなったのでは?
・このままホームズとやり合っても勝てないと分かったから:ウドの大木であるボヘミア国王を手玉に取ることは簡単です。だけどシャーロックホームズがボヘミア国王に協力したことで状況が一変し、これ以上やり合っても勝ち目がないと悟ったのではないでしょうか?
これは僕の独断と偏見ですが、過去の恋愛を「女は上書き保存」「男は別フォルダ保存」なんて言いますが、実際は「女は別フォルダに保存」とすることの方が多いように思います^^;。
アイリーンがボヘミア国王とのツーショット写真を使って脅迫したのは”元カレ”ボヘミア国王に未練があったからではないかと推測したのですが、いかがでしょう?
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