そのPersonal Statement間違ってませんか?
軽視しがちなPersonal Statementが実は重要で、しかもみんな勘違いしてませんか?というお話し。私の経験上、LL.M.中心の話ですが、MBAやUndergradの方にも共通する話なのではと思います。
Admission essayの位置付け
LL.M.へアプライする際、ほぼ全てのLaw schoolは、essayの提出を要求しています。MBA等と異なり、LL.M.ではあまり重要視されない風潮がありますが、実はこれかなり重要です。周りでもessayの内容を評価されたため、TOEFLの点数が一般的な合格ラインに達していないのに個別に面接に呼ばれた、合格をもらえた、入学後に教授から声をかけられたなど、無視できない恩恵があります。そしてさらに重要なのが、(少なくとも)日本で、間違ったessayの内容が広まっていることです。以下では、誤解しがちなessayの書き方について、少し書いてみたいと思います。特にトップスクールを目指す方、TOEFLの点数や他の経歴などに自信がない方は、ぜひessayにも力を入れてみてください。
Essayとは??
Essay = PS(Personal statement)という記載も見受けられますが、要
注意です。アメリカのアドミッションでは、PS(Personal Statement)とSOP(Statement of Purpose)の2種類が存在しますが、この2つを混同している人が非常に多いのです。
Personal Statement
Personal Statementとは、当該プログラムに自分が適任であることを示すためのステイトメントで、受験者自身の人生経験や成長などを振り返り、それがどのようにプログラムで学ぶという決断に至ったかを示すものです。これは単なる学歴や職歴、仕事の中でこのようなことをやったからこれを勉強したい、といった単純なものではなく、自分の人生がどのようなもので、これまでの経験が自分の人格形成にどのように影響を与えたか、何に情熱を持っていて、その源が何なのか、といった日本人からすると少し大袈裟では(?)といったことをアピールする必要があるのです。
多くの人は、Personal Statementにおいて、業務で打ち込んだことや成功・失敗した経験、あるいはもう少し遡って学生時代に頑張ったことなどを書くのではないかと思います。しかし、これでは足りない、あるいはズレているのです。もっと自分の人格形成に根源的な影響を与えた出来事や、そこから自分がどのような価値観を持つに至ったか、そういったことを人生全てを振り返って絞り出す必要があります。
Statement of Purpose
似たものとして、Statement of Purposeというものがあります。Statement of Purposeは、いわゆる志望理由書に近く、応募する特定のプログラム・研究分野に関連する志望理由や自分にその資格があることをアピールする書面です。そのため、具体的な学歴や職歴、資格や能力、成績といった記載を盛り込むことも多いです。おそらく日本人の受験生がイメージするのはこちらに近く、こちらが求められている場合は、学生時代の勉強や仕事をする中で得た能力、あるいは出願するプログラムで教育を受ける動機などを記載すれば良いでしょう。
いやいやいや、そんなの信じられん!という方もいるかもしれませんが、この2つの違いは、私の個人的考えではなく、例えば、以下のサイトなどでもはっきりとその違いが説明されています。
どっちを出せば良いのか?
大学によってPersonal Statementを求めている大学と、Statement of Purpose(あるいは両方)を求める大学がありますが、私が調べた範囲では、LL.M.の場合、多くは"Personal Statement"を求めていたと思います。いずれにしても、ここを間違えると入学審査官に全然響かないので、出願する大学の募集要項をよく読む必要があります。
明確に"Personal Statement"を要求しているケースもありますが、"あなたのモチベーションなどに言及して・・・"といったように黙示的にPersonal Statementを要求しているケースもあります。
Personal StatementとStatement of Purposeの違いを理解していないと、アドミッションの要求事項を無視してしまいかねません。
どうやって書けば良いのか?
おそらく日本人の多くは、Personal Statementを書き慣れていないと思います。上でご紹介したサイトでは、Personal Statementを考える上でのポイントが記載されています。
例えば、書き出しは"hook"から始める。「つかみ」のようなものですね。これは私が指導を受けていた先生からも言われたことです。実際に、素晴らしいとされるPersonal Statementはみな、小説の書き出しのようなグッと引き込まれるフレーズ、内容から始まっています。
過去の合格者のEssay (Personal Statement)をまとめた以下のような本も出版されていますので、イメージがつかない方はこのような本を参考にしてみるのも良いでしょう。
Personal Statementで他の受験生に差をつけたいという方は(TOEFLの点数が余裕の方は当然ですし、TOEFLがやばくてPSどころではないという受験生こそこの点に気づいて欲しいです)、ぜひStatement of Purposeではなく、本当のPersonal Statementを書いていただきたいです!