MEE科目のOutline-Family law
Family Lawとは?
日本の家族法のうち、夫婦とその子に関する論点を取り扱う科目。
勉強法のポイント
日本法と近い内容も多く、比較的理解しやすい科目。各論点とも、自分の感覚と違う箇所はどこか、といった形で押さえていくとスムーズかも。この科目の特徴として、過去のMEEでは管轄と本案が合わせて聞かれているケースがある。管轄は少し複雑なので、ざっと勉強した上で問題演習をするのがベターだと思われる。また、扶養や子供の監護権の判断においては、様々な要素が考慮されるが、具体的な要素自体を覚えるというよりも、実際の問題文の中からそれらの要素を抽出して当てはめができるかが問われる。
婚姻の成立(getting married)
法律で認められている婚姻には、"ceremonial (or statutory) marriage"と”common-law marriage"の2つがある。Ceremonial marriageがいわゆる法律婚で、common-law marriageは事実婚と考えればよいだろう。Common-law marriageを採用する州は限定的だが(一部採用する州を含めて20州に満たない)、MEEでは出題されることがあるので、それぞれの要件を押さえて、婚姻が成立しているかを判断できるようにしておく必要がある。
1.Ceremonial (or statutory) marriage
法定の婚姻が成立するためには以下の要件を満たす必要がある。
1) Consent from both parties
2) Licenses
3) Ceremony
1) Consent from both parties
婚姻するという両当事者の合意である。
2) Licenses
当事者は、結婚するために必要なライセンスを取得している必要がある。ライセンスの発行に必要な条件は州により異なるが、例えば年齢制限(多くは親の同意が無い場合18歳以上)、待機期間(婚姻日とセレモニー日の間に一定期間を要求)、医療検査(健康診断書の提出など)が挙げられる。
3) Ceremony
州がceremonyの形式等に要件を課している場合、それを遵守する必要がある。多くの州では、2人以上の証人の前で行うことを要求するようである。
2.Common-law marriage
法定の要件を満たしていないが、婚姻関係が成立していると認められる場合がcommon-law marriageであり、以下の要件を満たす必要がある。
1) Agree they are married(婚姻することの合意)
2) Cohabit as married(婚姻したものとしての同棲)
3) Hold themselves out in public as married(婚姻していることの公表)
4) Legal and Mental capacity(法的・精神的能力)
3.Common-law marriageの承認
多くの州でcommon-law marriageは廃止された一方で、なお一部の州では認められている(e.g. Texas)。また、自州内でcommon-law marriageによる婚姻の成立を認めない州であっても、多くは有効に他の州で成立したcommon-law marriageの効力を認めている(いわゆる憲法上のfull faith and credit clauseの問題)。
ただし、婚姻が有するpublicな性質から、当該州のpublic policyに反しない限りにおいて、common-law marriageを認めれば良いとされている。
MEEとの関係では、common-law marriageが認められる州で事実婚状態にあった夫婦について、common-law marriageを採用していない州でどのような状態にあるか、といったことを問われるケースがある。まずcommon-law marriageの要件を検討した上で、他州での承認について議論をするといった流れになる。
4.Support during marriage
多くの州では、婚姻中、両当事者とも他方の必需品(necessaries)を提供する義務を負っている。そのため、債権者は、どちらの配偶者に対しても支払いを求めることができる。
Necessariesは、当事者の生活状況に適したもの(suitable to the parties’ station in life)とされ、医学的に必要なケアを含む州もある。
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