MEE科目のOutline-Secured Transaction
Secured Transactionとは?
日本語で説明するならば、「動産」担保法といったところ。
勉強のポイント
1.基本的な用語の把握
いくつかの重要な単語の意味を抑えておくと非常に理解がスムーズである。他の科目と比べて抑えるべき単語数も少なめで、コスパが良い。
2.問題となっている局面の把握
試験問題へのアプローチが比較的画一的なのが、secured transactionという科目の特性といえる。ざっくりと以下の4つの順番で分析すると、回答が作れる。そのため、各論点も、どの段階の話をしているものなのかを押さえると理解が速い。
・Secured interestがattachされているか?
Collateral(担保物件)にinterest(権利)を主張する者が複数いる場合、まずは、その主張するところのsecured interestがcollateralにattach(抵当権の設定に近いが、詳細は後述)されているかをチェックする。これによって、そもそも、保護されるだけのsecured interestが存在するのかを確認する。
・Secured interestはperfectionされているか?
Perfectionとは対抗要件と考えると理解しやすい(後述)。Collateralにattachされたsecured interestがある場合、当該secured interestがperfectionされており、他者に対する対抗要件を備えているかをチェックする。
・どのinterestが優先されるか?
Collateralに対してinterestを主張する者が複数いる場合、誰が優先されるかをチェックする。
・Collateralが処分された場合、誰がその対価を受け取るのか?
Collateralは、債務者の取引過程やdefaultなどの事情により処分されることがある。その場合、その対価(proceeds)を誰が受け取るのかをチェックする。
用語集
・Security Interest:担保権
債務の支払いや履行(payment or performance of a obligation)を担保する動産や付属物(personal property or fixtures)に対する権利。
・Security Agreement:担保権設定契約
有効なsecurity interestが担保物件(collateral)に設定されたと言えるためには、"attachment"が必要であり、その要件の1つである。
※security agreement無しでattachmentが認められることもある。(attachmentの箇所で後述)
Secured transactionの当事者
・Secured party:担保権者
Security agreementによってsecurity interestの設定を受けている者。通常、債務者(obligor)に金銭を貸付けたり、信用を供与した人が該当する。
・Obligor:債務者
Security interestで担保されているobligationについて、履行義務(支払いやその他の履行)を負っている者。
・Debtor:被担保権者(担保権設定者)
Security interestやlien(先取特権)以外で担保物件(Collateral)にinterest(所有権や処分権限など)を有する者。
※Obligor=Debtorになることが多いが、Debtorは必ずしもObligatorである必要はない。
例)Aは銀行から融資を受け、Aが銀行に対して負う債務のために、Bが連帯保証し、担保として自己の車にsecurity interestを設定した。この場合、AはObligorだが(Bの車に利害関係を有さないので)Debtorではない。これに対して、Bは、Obligor(保証人として支払い義務を負うため)かつDebtor(自身の車であり利害関係を有するため)となる。
・Collateral:担保物件
security interestの対象となるpropertyのこと。collateralの種類によっては、security interestの権利関係に影響が生じる。
・Attachment:担保物件に担保権を設定すること
有効なattachmentの要件(後述)を充足した場合、debtorのcollateralに対して執行可能(enforceable)なsecurity interestが設定されたことになる。
・Perfection:第三者対抗要件
Collateralに設定されたsecurity Interestが第三者の主張する権利に優先するために必要とされるのが、Perfectionである。
UCC Article 9の適用範囲
MEEにおけるsecured transactionは、UCC article 9の適用を問題としている。過去には、security interestと明示的に述べられていないケースやlease agreementの形をとっているケースでUCC article 9の適用が問われている。
論点でない限り書く必要はないという考え方もあるが、一番最初に”Article 9 applies to all security interests in personal property or fixtures.”といった記載をするのが無難(かつポイント稼ぎ)でおすすめ。表現はbarbriの参考答案やsmart bar prepの記載が参考になる。
1.適用の有無
UCC article 9の適用は、当事者がどのように取引を分類したか(当事者の主観)ではなく、担保の経済的実態(economic reality)があるか否かで判断される。
試験問題との関係では、リース(lease)の形態を取っているが実質はsecurity interestであるといったケースが多く、典型的なパターンは、①契約期間中リース料を支払う、②契約終了時、非常に少額で名目的な支払いのみで(nominal and small amount of money)所有権を取得することができるオプションを賃借人が有する、という契約である。このような場合には、形式上はリースだが、担保の経済的実態があるのでUCC article 9が適用される、という認定をすると良い。
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