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ダメージの宣言方法の変更とダメージ抵抗テストの省略/『シャドウラン 5th Edition』ハウス・ルール01

01 前口上 

 この記事は新紀元社から発売されている『シャドウラン 5th Edition』日本語版(以下SR5J)ユーザーに向けた、「非公式」のルール調整案(Tweaks)です。

   記事の閲覧・利用に関する前置きは下の記事を参照してください。

 

02 ダメージの宣言方法の変更とダメージ抵抗テストの省略 

 このルールは、攻撃におけるダメージの宣言方法を調整し、防御側が装甲値と比較しやすいようにする他、予めダメージ抵抗テストの期待値を計算しておくことで、テストを省略できるようにします。元々のゲーム・バランスへの影響はほとんどありません。


 1. 「貫通値」の算出

  最初に、攻撃側は使用している攻撃方法(武器、弾薬、拡散による修正等)に従って「どこまでの装甲を貫通するか」の数値を出します。

 便宜上、これを「貫通値」と呼びます。
 攻撃が精神ダメージしか与えない場合、貫通値は不要です。

  貫通値=基本DV-(AP修正) 

  ほとんどの場合、AP修正はマイナスなので、言い換えれば「AP修正の符号を換えて基本DVに足す」ことになります。

例:アレス・アルファの基本DVは11P、AP修正は-2なので、11-(-2)は11+2となって貫通値は13になる。

  なお、純ヒットによってダメージが上昇するタイプの攻撃であれば、貫通値には純ヒットが足されます。 


 2. 「基本DV」の調整 

 次に、(弾薬等の修正を加えた後で)AP修正の値によって「基本DV」を調整します。原則として、「AP修正のプラス3ごとに基本DV-1(端数切上)」「マイナス3ごとに基本DV+1(端数切捨)」です。

 ここは分かりにくいので、以下の表を参照してください。なお、貫通値の算出は基本DVの調整前に行なうことに注意してください。

スクリーンショット 2021-10-01 233447

 例:アレス・アルファにAPDS弾(AP修正-4)を装填した場合、貫通値は11-(-6)=11+6=17。調整後のDVは11+(AP修正が-6なので)2=13。

 例2:エンフィールド AS-7に散弾(DV+2、AP修正+5)を装填した場合、貫通値は13+2-(-1+5)=11。調整後のDVは13+2-2=13。 

  戦闘中の手間を減らすために、弾薬などよく使う攻撃手段について、貫通値と基本DVの調整を済ませておいてください。


 3. ダメージの宣言方法 

 攻撃が命中したら、(ダメージが純ヒットで増加する攻撃であれば)貫通値と調整後のDVそれぞれに純ヒットを加えて宣言します。丁寧に言うなら「貫通16の14ダメージ」、省略したい場合は「16の14」という言い方でも良いでしょう。

  攻撃が精神ダメージなら、貫通値は宣言しないので単に「14ダメージ」ないしは「14精神」という言い方になります。 

 防御側は、貫通値と自分の装甲値を比較します。貫通値には既にAP修正が含まれているので、装甲値を修正する必要はありません。単に装甲値と貫通値を比較して、貫通値が同じかそれ以上なら身体ダメージになります。 

 身体ダメージ  貫通値≧装甲値 

 精神ダメージ  貫通値<装甲値

 

4. ダメージ抵抗テスト(省略可) 

 防御側は調整後のDVに対してダメージ抵抗テストを行ないます。AP修正は調整DVに含まれているため、装甲値の修正は必要ありません。これにより、「あらかじめ、ヒットを購入した場合のヒット数(DP÷4、端数切捨)を計算しておく」ことで、ダメージ抵抗テストを完全に省略することができます。便宜上、この時のヒット数を「DR値(Damage Reduction Value)」と呼ぶことにします。 

 DR値=(【強靱力】+装甲値)÷4(端数切捨) 

 例:アレス・アルファ+APDS弾で純ヒット3を出した。最終的な貫通値は20、ダメージは16になる。防御側の装甲値が15、DR値が5だとすると、ダメージは貫通値>装甲値なので身体ダメージになり、ダメージ抵抗テストを省略した場合は11点の実ダメージとなる。 

 例2:散弾を詰めたエンフィールド AS-7(貫通値11、調整後DV13)を中拡散、中距離(DV-3)で撃ち、純ヒット4を得た。貫通値は11-3+4=12、最終的なダメージは13-3+4=14。防御側が装甲値15、DR値5なら、貫通値<装甲値なので精神ダメージになり、ダメージ抵抗テストを省略した場合は14-5で9点になる。しかし防御側はエッジ・ポイントによる振り直しを考えて、ダメージ抵抗テストを普通に振ることにした。 

 5. 例外処理

 ・間接戦闘呪文 

【フォース】ごとにDVを調整するのは面倒なので、単純に貫通値=【フォース】×2、調整後DV=【フォース】として扱うことをお勧めします。同様に、ダメージを与えるタイプの操作呪文は貫通値=【フォース】、調整後DV=【フォース】となります。 

 ・《硬化装甲》 

 貫通値<《硬化装甲》のレーティングの時、ダメージを与えられません。《硬化装甲》による自動ヒットは通常通り算出されます。このため、防御側が《硬化装甲》を持っている場合は「AP修正がいくつか」の宣言が必要になります。これを省略したい場合、《硬化装甲》の自動ヒットは「(素の)《硬化装甲》のレーティング÷3(端数切捨)」としてください。

 ・精霊のDR値 

 精霊が《物質化》した場合のDR値は、精霊のタイプによる【強靱力】の差を無視するなら【フォース】×1.4(端数切捨)を使うこともできます。これには《通常武器への耐性》による自動ヒットを含みます。もう少し単純化して【フォース】の1.5倍(端数切捨)でも良いかもしれません。

 ・DR値とエッジ・ポイント

  ダメージ抵抗テストを省略しつつ、しかしエッジ・ポイントも使いたいという場合、ダメージ抵抗にエッジを使ったら単純にDR値を2倍にします。これは、「エッジによる振り直し」をした場合のダメージ抵抗テストの期待値(DP×5/9)と、「ヒットの購入」を2回適用した場合(DP×7/16)のほぼ中間の値になります。

・DR値の調整

 単なる「ヒットの購入」だとDR値が低すぎると感じる場合、DR値を「DP÷3(端数切捨)」あるいは「DP÷4(端数切上)」などに調整して使ってください。

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