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「新東京の格闘技スタイルを作ろう」結果発表・新東京リアルスタイル編・その2


01 新東京の格闘技スタイルを作ろう

 お待たせいたしました。「新東京の格闘技スタイルを作ろう」リアルスタイル部門の結果発表第二回です。

企画ページはこちら:

 本記事に掲載されている追加データの利用については下記の記事を参照してください。

02 追加データについて

 掲載されている追加データは、『ラン&ガン』収録の「格闘技スタイル」(p.128)および「技法」(p.135)として利用可能です。「新東京スタイル」オプション・ルール準拠のコードは以下の通りです。

NTS4C08 追加格闘技スタイル(新東京リアルスタイル)
NTS4C09 追加格闘技スタイル(新東京スーパースタイル)
NTS4C10 追加技法(新東京リアルスタイル)
NTS4C11 追加技法(新東京スーパースタイル)

 格闘技スタイルや技法ごとに採用の可否を決めたい場合は、枝番「-b??」を各スタイル・技法の番号につけてください。例えば「テイクダウン」の追加技法のコードはNTS4C10-b15になります。
 追加データの名称については、『ラン&ガン』の用語を踏まえたものを用意しました。名称が変更されたデータについては原案名を付記していますが、どちらの名称を使用しても構いません。英語名については、国際的な慣習ではそのスタイルが生まれた国の言語をそのまま用いるのが普通ですが、新東京のフレーバーを重視し、あえて意訳している場合があります。
 なお、投稿者名の敬称は略させていただきました。

03 リアル格闘技スタイル部門・その2

 使用可能な技法に「※1」がついているものは前回、「※2」がついているものは今回採用された技法です。「#」がついているものについては「新東京スタイル」の記事を参照してください。

b09 レスリング(スナイパー・スタイル)/Sniper Style Wrestling

投稿者:RPGにもっと格闘技を
「覚醒」後のプロレスは以前よりもさらにショウアップされ、過激さを増していきました。身体改造や魔法能力を取り入れた新時代のパフォーマンスに観客は熱狂しましたが、一方で興行にかかるコストは莫大なものになり、選手の寿命は著しく短いものとなってしまいました。そうした北米での潮流とは一線を画したのが、日本におけるスナイパー・スタイルの流行です。リング・オブ・ファイアで傷ついた帝国臣民を慰撫するため、比較的小規模なリングでも興行でき、純粋に鍛え上げられた肉体と磨き上げた技による真剣勝負を謳うスナイパー・スタイルはまるで前世紀のような活況をもたらしたのです。
対応する技能:素手戦闘、体術
使用可能な技法:角抵(突撃)、因果応報、樫の構え(転倒)、テイクダウン※2、マウント・ポジション※2、スープレックス※2

b10 レスリング(ハイパー・ルチャ・スタイル)/Hyper Lucha Style Wrestling

投稿者:RPGにもっと格闘技を
 中南米の跳び技・締め技を主体としたプロレス「ルチャ・リブレ」を、スナイパー・スタイルと融合させた結果、攻守が目まぐるしく入れ替わり、息もつかせぬ攻防が観客を魅せるスタイルとして完成したのが、この「ハイパー・ルチャ・スタイル」です。主に重量級選手の多いスナイパー・スタイルに対して、軽量級選手の多いこのスタイルでは、華麗な跳び技や多彩な技をお互いの選手が矢継ぎ早に応酬し、一瞬たりとも見逃せない試合展開が人気を博しています。
対応する技能:素手戦闘、体術
使用可能な技法:跳び蹴り、跳ね起き、因果応報、スープレックス※2、レスリング・フォーム※2、転がる岩※2

選評:根強い人気を誇るプロレス系格闘技スタイルから2つ選びました。統合して1つのスタイルにすることも検討したのですが、特に紙面に限りがある企画ではないですし、ユーザーの選択肢は多い方がみんな嬉しいよね、ということで両方採用です。

b11 徹鬼(てっき)流骨法

投稿者:雅 狼餓
「骨法」とは物事の基礎となるものを言います。日本に伝わる「骨法」と呼ばれる格闘技には複数の流派があり、いずれも素手による打撃を中心としたスタイルとされていますが、その起源については諸説あります。しかしいずれにせよ覚醒とその後の混乱によって「骨法」の伝統は分断され、現在それを名乗っているのは「徹鬼滅殺」を掲げる一派によって「対サイバー装甲格闘術」に換骨奪胎された徹鬼流骨法です。
対応する技能:素手戦闘、体術
使用可能な技法:ティーカウ、反撃、対射撃近接防御、クリンチワーク#、徹し※2、寸勁※2

選評:みんな大好き(以下略)……なんですが大人の事情で説明を書くのにめっっっちゃ苦労しました。まあ、昔おおらかだった時代の、実在とフィクションの入り交じったネタを今扱おうとするとよく起こるやつです。

b12 サイバネ流対機甲相撲

投稿者:Millwin
 覚醒後、特にリング・オブ・ファイアのような大災害が起きた後には神事相撲の需要が高まり、日系企業では魔法的災害や犯罪に備える意味で力士を用心棒として置く文化が生まれました。しかしそうした宗教的あるいは魔法的な意味はすぐに薄れ、企業は自社の技術によって極限まで強化された力士を示威的に配備するようになって行きます。こうした企業風土の一方で、強化力士によるデモンストレーションにヒントを得た帝国軍の一部では、恵まれた体格と体重を活かした日本独自の打撃系格闘技としての相撲を見直し始めました。その後、身体強化された帝国兵士たちが、重装甲化されたトロールのような標的を徒手で狩るための技術として編み出したのがサイバネ流対機甲相撲です。
対応する技能:素手戦闘
使用可能な技法:角抵(突撃)、対射撃近接防御、紫電の踏み込み※1、沈墜勁※2、対機甲発勁※2、オートバランサー※2

選評:みんな(略)。スタイル名は『ラン&ガン』掲載のものからも、日本の伝統武術の慣習からもやや外れるものですが、帝国軍内で必要に迫られて生まれた軍隊格闘術としてならアリかなと思ったので説明を少し工夫しました。


b13 日本帝国拳法/The Arts of the Japanese Imperial State

投稿者:源298
 伝統的な空手とは違い、この格闘技法が確立されたのは2075年における近代の日本になります。その名の通り、打撃を中心にした格闘技ですが、日本の古流柔術をベースとし、柔術が柔道として組技中心のものになる中で淘汰されつつあった当身技と空手を融合し、打、投、極のすべてを扱う日本の総合格闘技として成り立っています。
対応する技能:素手戦闘
使用可能な技法:反撃、蹴り攻撃、ティーカウ、投げ技#、閃光の突き※1、レスリング・フォーム※2

選評:大人の事情その2です。投稿者のコメントにも書かれていましたが、日本の古流武術系統で総合格闘技に向いた格闘技スタイルということで採用となりました。


b14 日本帝国警察逮捕術/Taiho-jutsu(Arresting Arts of the Japanese Imperial State Police)

投稿者:源298
 逮捕術は柔術や合気道をミックスし、相手を取り押さえることに特化した格闘技スタイルです。UCASでのナイト・エラント・タクティカルや、ローンスター・タクティカルに類するものですが、理念はまったく異なるものです。日本では近接武器を持った犯罪者の捕縛を想定しており、装備が不利な状態から、いかにして自分が有利な状態に持ち込み、相手を無力化するかを追究しています。
対応する技能:素手戦闘、棍棒
使用可能な技法:擒拿、複数の相手からの防御(すでに防御している)、部位狙い(武装解除)、拳砕き(武装解除)、投げ技#、射撃妨害※1

選評:日本の逮捕術を扱う格闘技スタイルで、『ラン&ガン』収録の警察格闘技とも差別化されていることからの採用となりました。


b15 別式(べつしき)/Betsushiki(Female Guards Tactical in Traditional Japanese)

投稿者:雅 狼餓
 別式、または別式女(べっしきめ)は江戸時代に藩主の奥向きで武芸指南役を務めた女性のことを指します。日本帝国成立後には日系企業の経営者一族の間で、女性の護衛兼指導役としての別式が復活することになりました。彼女らはSPとして活動するだけでなく、テロや暗殺から一族を守るために戦闘技術の指導までこなします。彼女らは一族のプライバシーを守るため、原則として一生社外に出ることはありません。そのスタイルは秘中の秘ではありますが、確立する以前に流出した文書によれば、キモノスタイルやドレスで使用することを前提としており、裾の長い衣服での所作、動作を美しくかつスムーズに行えるとされています。
対応する技能:刀剣、素手戦闘、特殊近接武器(鎖鎌)、特殊近接武器(腰紐)
使用可能な技法:部位狙い(絡め取り)、部位狙い(武器破壊)、追い込み、足払い、賢いやり方※2、死守※2

選評:着眼点がユニークで、日本帝国の設定にも似合うものだったことから選ばれました。原案では女性のみとなっていますが、『シャドウラン』のシステム上、習得に性別の制限はありません。男性が習得するには何らかの言い訳が必要と思われますが、それは各グループ内で話し合って決めてください。

b16 アンダーグラウンド・インファイト/Underground Infight

投稿者:RazFlamme
 渋谷アンダーグラウンドで自然発生した、主にオークやドワーフが対トロールなどとの喧嘩などで用いる、障害物を利用した戦闘スタイルの総称です。
 壁を這うパイプや雑多に転がる障害物などを積極的に利用して相手のリーチを逆手に取ったり、壁に叩きつけるなどのラフファイトで体格の不利を補う戦い方で、守備的な護身術として身に着ける事が多いようです。
対応する技能:刀剣、棍棒、素手戦闘
使用可能な技法:追い込み、猿登り、捻り※1、転がる岩※2、賢いやり方※2、石灯籠※2

選評:障害物を利用して戦うスタイルという香港映画風のロマンが(主に筆者に)支持されての採用となりました。

b17 冥土必殺/Maid No Mercy Style

投稿者:Yamashiro
 秋葉原のメイド喫茶店員たちの間で、自衛の為に流布している護身術です。競合店やヤクザ配下のスカウト集団との度重なる抗争を経て発達しました。非力な店員が勤務中に戦闘に巻き込まれた際、とっさに身を守ることを目的としています。仕事着に隠せる小型武器を活用する動作が多く含まれています。
対応する技能:刀剣、棍棒、素手戦闘
使用可能な技法:因果応報、対射撃近接防御、クリンチワーク#、暗器※1、精妙なる殺手※2、踵落とし※2

選評:いくつか寄せられたアキバ系(?)スタイルのうち、比較的まとも実用的な技法で固められたこのスタイルをリアル部門での採用としました。

04 リアル技法部門・その2

 固有の戦闘動作が使用可能になる技法は、技法名がそのまま戦闘動作名となっています。また「この動作を行うためには、格闘技の訓練が必要です」の定型文を省略しています。

b15 テイクダウン/Takedown for Ground

投稿者:Yamashiro/源298
原案:しがみつき/足掬み
割り込み動作(イニシアティブ・スコア-7)
前提条件:相手を伏せ状態にするか、または相手が動作の失敗によって伏せ状態になった
 近接攻撃に成功した結果として相手を伏せ状態にするか、または相手が近接攻撃や割り込み動作を失敗したことによって伏せ状態になった時に使用します。伏せ状態の相手に「組み伏せ」を行います。成功失敗に関わらず、使用者は伏せ状態になります。
使用可能な格闘技スタイル:レスリング(スナイパー・スタイル)

選評:原案では反撃として組み伏せや相手を伏せ状態にするものでしたが、テストプレイの結果、移動妨害より容易に相手の移動を阻止できる点が問題となり、この形になりました。

b16 マウント・ポジション/Mount Position

投稿者:Yamashiro
原案:部位狙い(組み打ち)
前提条件:相手を組み伏せている
 相手を組み伏せている時、素手、インプラント武器または身体武器による攻撃が可能になります。組み伏せを継続するために複雑動作を使用した時、通常の効果の代わりにそれらの武器によるダメージを与えられます。このダメージには組み伏せテストの純ヒットが加算されます。使用する武器は射撃武器でも構いません(グレネード等、通常はダメージに純ヒットを加えない武器の場合は基本ダメージ値そのままです)。特殊武器の場合はその武器を使用する技能を1以上持っていなければなりません。
 蹴り攻撃、および脚に装着したインプラント武器は使用できません。
使用可能な格闘技スタイル:レスリング(スナイパー・スタイル)

選評:基本ルールの組み伏せが絞め技を想定しているのに対して、パウンドや隠し武器での攻撃がしたい、あるいは「互いの銃をつかみ合いたい」という要望にお応えしての選出となります。

b17 スープレックス/Suplex

投稿者:RPGにもっと格闘技を/源298
原案:スープレックス/つるべ落とし
複雑動作/割り込み動作(イニシアティブ・スコア-10)
前提条件:クリンチで有利な位置を得ているか、組み伏せに成功している/相手の近接攻撃を「ブロック」することに成功した
 通常の「投げ」技法に、自身の体重を加算することによって、効果を上げた技法です。
「投げ」と異なり、【筋力】+【強靱力】+純ヒットを相手の身体リミットと比較します。投げに成功した場合、両者ともに伏せ状態になります。この投げでは相手を投げ飛ばせる距離は最大1メートルに限定されます(能力値の比較は行いません)。投げが成立した場合、純ヒットの2倍に等しいダメージを与えます。このダメージには装甲値は無効であり、【強靱力】のみで抵抗します(「波打つ雲」の技法が適用されます)。ダメージの種別は周囲がマットや畳などの衝撃を吸収しやすい素材であれば精神ダメージとなり、コンクリートの床や凹凸のある地形では身体ダメージになります。投げに失敗した場合、相手の純ヒット(もしあれば)に等しいダメージを使用者が受け(使用者が投げられたかのように処理します)、使用者のみが伏せ状態になります。
 二本の脚で直立していないクリッターや飛行能力、三次元移動能力を持つクリッター(精霊など)には無効です。
使用可能な格闘技スタイル:レスリング(スナイパー・スタイル)、レスリング(ハイパー・ルチャ・スタイル)

選評ドラゴンズ・レインボーもとい「投げ技で装甲の硬い相手にダメージを与えたい」というご要望にお応えしての選出です。重力を利用した攻撃のため、残念ながら精霊など重力を無視する存在には無効です。

b18 レスリング・フォーム/Wrestling Form

投稿者:Yamashiro/源298
原案:しがみつき/足掬み
前提条件:素手戦闘のみ
 肉食恐竜のように、両手を身体の前で構え、深く腰を落とした「型」を取ります。
 他の「型」の技法を使用するまで、部位狙いの「転倒狙い」「武装解除」「特定部位」を目的とした素手攻撃を行い、純ヒットを得た場合、それらの効果を適用した後に、割り込み動作としてイニシアティブ・スコアを-5することで、対象と「クリンチ」の状態に入ることができます。このクリンチは使用者が仕掛けた側となり、元の攻撃の純ヒット数がそのままクリンチの純ヒット数になります。この技法は「拳砕き(武装解除)」や「足払い」の場合にも適用できます。
使用可能な格闘技スタイル:レスリング(ハイパー・ルチャ・スタイル)、日本帝国拳法

選評:レスリングや柔道などで見られる、相手の腕や足を取る動きからの連続攻撃を想定した技法です。「テイクダウン」は転倒させた後で押さえ込みに入る技法ですが、こちらは転倒させる試みに失敗しても、相手の身体を離さずにクリンチに入るという動きになります。

b19 転がる岩/Rolling Stone

投稿者:ototo
割り込み動作(エッジ・ポイント1)
前提条件:自身の攻撃に対し「反撃」または「突き返し」を受け、テストに敗北した
 相手のカウンターに対して、地面に倒れ込みながら避ける技法です。
 自身の攻撃に「反撃」や「突き返し」で割り込まれ、テストに敗北した時、エッジ・ポイントを1点消費し、その相手の純ヒットに対して〈体術〉+【反応力】[身体]でテストを行います(このテストにも通常通りエッジ・ポイントは使用可能です)。ヒット数が相手の純ヒット以上であれば、キャラクターは伏せ状態になる代わりに、「反撃」や「突き返し」によるダメージを受けずに済みます。
 なお、この動作の成否にかかわらず、当初のキャラクター自身の攻撃は防御されたものと見なします。この動作には全身を使用するため、武器など手に持っているものは手放してしまいますし、クリンチで有利を得ていたり、敵の体を盾にしていた場合は離さなければなりません(ゲッコー・テープなどで堅く固定されているものは手放さずに済みます。また、スリングをつけた武器は手を離しても肩からつり下がったままになります)。手足を壁面につけていなければならない状態だった場合(『ストリート・グリモア』収録のアデプトパワー《Hang Time》など)は落下してしまいます。この動作に対して、クリンチや組み返しなどの割り込み動作をさらに重ねることはできません(幸運でしたね)。
使用可能な格闘技スタイル:レスリング(ハイパー・ルチャ・スタイル)、アンダーグラウンド・インファイト

選評:「反撃」「突き返し」への対抗策が求められていたことからの採用となりました。この動作に対して「影削ぎ」を可能とするかどうかを検討しましたが、三重の割り込みはさすがにやり過ぎと判断しました。GMが認めるなら、《Master of Taijiquan》(『ストリート・グリモア』)に対して使用できることにしても良いでしょう。

b20 徹し/Tooshi(Passing Through Attack)

投稿者:雅 狼餓
 衝撃を相手の体内へと浸透させる攻撃によって、装甲に影響されることなく内部組織を破壊する伝説の技法です。この技法では「内家」と同様の意志力攻撃をあらゆる生命体に対して行います。精霊に対して意志力攻撃を行うには依然として「内家」が必要ですが、この技法と内家の両方を習得している場合、相手の《エネルギー・オーラ》(および同様の効果)の影響を受けることなく接触のみの攻撃や素手攻撃(意志力攻撃を含む)を行えます。
使用可能な格闘技スタイル:徹鬼流骨法

選評:元ネタそのままという訳にはいかなかったので、「伝説を第六世界的に解釈した」形になりました。お察しください。

b21 寸勁/Sunkei(One Inch Punch)

投稿者:源298
原案:浸透撃
 相手に密着するほどの至近距離から、筋肉の脱力や体重移動を巧みに操ることによって大きな衝撃力を生み出す技法です。クリンチ中の素手攻撃、または組み伏せやクリンチを解除した直後(または解除された直後)に行う素手攻撃において、APに-4の修正を加えます。この時、リーチは0であるものと見なします。
使用可能な格闘技スタイル:徹鬼流骨法

選評:素手で装甲無視ダメージを、という投稿は複数頂いたのですが、それらをまとめた上で二つに分けたのが「徹し」と「寸勁」です。徹しの方をフィクション寄りのデータにせざるを得なかったため、こちらはリアル寄りにまとめました。

b22 沈墜勁(ちんついけい)/Chen Zhui Jin(Power of Sinking)

投稿者:源298
原案:水の重り
 沈墜勁とは鉛直方向に働く力のことを指します。この技法は巧みな脱力によって見かけ上の体重を増やし、投げ、巴投げ、スープレックスをかける時の【筋力】とかけられる時の身体リミットを+2します。
使用可能な格闘技スタイル:サイバネ流対機甲相撲

選評:原案はおそらく「動けるデブお相撲さん体型」を想定したものと思われましたが、「技法」としては表現しにくいためこの形になりました。

b23 対機甲発勁/Armor Bypassing Fa Jin

投稿者:Millwin
前提条件:素手戦闘、突撃時のみ
 装甲素材の構造上の弱点を見切り、運動エネルギーを載せた衝撃を適切な角度で叩き込むことによって、内部構造にダメージを与えることを目的とした技法です。
 盾、障壁越しの攻撃、ヴィークルの装甲値、硬化装甲(硬度強化型軍用バトルアーマー含む)のいずれかが適用されている対象への素手攻撃のAPを-4します。
使用可能な格闘技スタイル:サイバネ流対機甲相撲

選評:素手戦闘系のビルドから求められていた技法ということで採用となりました。原案より若干の制限はつけましたがほぼ意図通りに機能すると思われます。

b24 オートバランサー/Auto-balancer

投稿者:Millwin
原案:滑走安定
前提条件:神経直結インターフェース(DNI)が利用可能な状態であり、通常と異なる移動方法を使用していること
 自身の三半規管だけでなく、DNI経由でのセンサー情報を利用して動的に身体のバランスを保つ訓練を受けていることを表す技法です。
 スケート、スキマー、ローラーブレードなどの通常と異なる移動方法を使用している際、身体リミットを+1します。
 加えて、脚に装着した武器を使用する際の【精度】を+1します。
使用可能な格闘技スタイル:サイバネ流対機甲相撲

選評:スケートやスキマーでのペナルティを軽減する技法で、主に全身サイバーリムのビルドを好むテストプレーヤーから支持されました。原案ではサイバーリムが前提でしたが、『No Future』で足に装着するローラーブレードが追加されることから、DNIのみを条件としました。

b25 賢いやり方/The Smart Thing to Do

投稿者:保田圭一
 その場にあるものを武器として利用する技術を表す技法です。本来の【精度】が4以下の即席近接武器について、【精度】を5に置き換えます。他の【精度】に対する修正はこの後に適用されます。
使用可能な格闘技スタイル:アンダーグラウンド・インファイト

選評:筆者の世代的にダイレクトアタックな投稿でした。テストプレイでは想定外の使われ方をしましたが……。

b26 死守/Desperately Protect

投稿者:雅 狼餓
 命に替えても護衛対象を守るため、瞬時に動けるよう専門の訓練を受けていることを表す技法です。
 護衛の基本(RG125)の移動時に最大3メートルまで追加で移動できます。この追加移動分は移動力を消費せず、移動妨害や押し出しは行えません。追加で移動した1メートルにつき、引き受けるダメージ値を+1します。
使用可能な格闘技スタイル:別式

選評:時々起こる、近接キャラが敵を殴りに行ったら護衛対象を守れなくなる、という問題を解決できるアイデアとして採用されました。決して某ゲームの影響ではありません。

b27 石灯籠/Covered by Stone Lantern

投稿者:RazFlamme
前提条件:遮蔽を取っている
 障害物の多い地形で身を守ることに長けていることを表す技法です。
 キャラクターが遮蔽を得ている間に近接攻撃を受ける場合、キャラクターが準備している武器の最大リーチが0以下である限り、リーチによる近接防御テストへの修正を無視します。
使用可能な格闘技スタイル:アンダーグラウンド・インファイト

選評:時代劇によくある竹林や墓地に逃げ込んでカタナの動きを封じる的なヤツです。リーチが重要視されるルールになった関係で、リーチがなくても工夫すれば不利にならないことも重視されての選出になりました。

b28 精妙なる殺手/Exquisite Killer

投稿者:しめじ
 体内にしまった武器に熟知し、その扱いに長けたことを表す技法です。
 サイバー・インプラント武器、バイオ武器、身体武器(素手を除く)の【精度】を+1します。
 また、センサーによる埋め込み武器の検知に対して、センサーのレーティング×2 対 〈サイバー技術〉+【論理力】[精神]のテストで対抗可能になります。このテストは隠すものがバイオウェアであれば〈バイオ技術〉、身体武器の場合は〈変装〉になります(検知される可能性がある場合)。
使用可能な格闘技スタイル:冥土必殺

選評:テストプレーヤーから「センサーへの対抗手段」を熱望されたため、いくつかのアイデアと統合の上、このような形になりました。

b29 かかと落とし/Axe Kick

投稿者:ciel
原案:踵落とし/ハイキック
複雑動作
 柔軟な股関節を活かして脚を振り上げ、かかとを相手の頭部めがけて振り落とす攻撃です。〈素手戦闘〉または足に装着した武器でのみ使用可能です。この攻撃を行う際、リーチを本来より短く申告することができます。むろんですが、相手は申告したリーチ+1メートル以内にいなければなりません。クリンチ時の修正や、防御テストに対する修正は申告されたリーチに基づいて決まります。本来より1少なく申告するごとに、ダメージ値+1、AP-1の修正を受けます(最大で+2/-2まで)。
使用可能な格闘技スタイル:冥土必殺

選評:とある方面から猛烈にプッシュを受けたハイキック系の技から、ある程度応用が利きそうなかかと落としが採用となりました。

05 おまけ

 投稿が遅れたお詫びという訳ではないのですが、既存の格闘技スタイルをカスタマイズしたり、技法の適用範囲が不明確な部分を明確化するルールを掲載します。

NTS4C07 格闘技スタイルのカスタマイズ


(1). 格闘技スタイルに対応する技能

 格闘技スタイルを習得する際、その格闘技に対応する技能を戦闘系能動技能と身体系能動技能の中から合計3つ指定します。〈特殊近接武器〉〈特殊射撃武器〉が含まれていても構いません。明記のない限り、そのスタイルで習得した技法による利益は、「対応する技能」で指定しなかった技能テストには適用されません。ただし、特定の戦闘動作が使用可能になる技法や、防御テストなど受動的なテストのの場合、対応する技能に含まれない技能テストを行う動作であっても、習得したり使用したりできます。
「対応する技能」には『ラン&ガン』p.135の「格闘技スタイル」にある技能(または新東京スタイルで採用された格闘技スタイルの「対応する技能」)から最低ひとつを選ばなければなりません。記載のないスタイルについては自由に選択できます。また、残り2つの技能については、戦闘系能動技能と身体系能動技能から自由に選択できます。これは、キャラクターが分派した流派やよく似た別の格闘技スタイルを習得したか、あるいは一風変わったインストラクターからスタイルを習得したことを表します。

:ガン=カタを習得する際、〈ピストル〉〈刀剣〉〈棍棒〉を指定した。「くじきの痛打」によるダイスプール修正を受けられるのは〈ピストル〉〈刀剣〉〈棍棒〉を使用した攻撃に限られる。しかし、「跳ね起き」や「剛の防御(ブロック)」を習得し、使用することはできる。「跳ね起き」は〈体術〉を使用するが、戦闘動作を使用可能にする技法であるため。「剛の防御(ブロック)」は〈素手戦闘〉を使用するが、受動的なテストに用いる技法だからである。

(2). 技法の入れ替え

 格闘技スタイルから技法を選択する時、「2つまで」使用可能な技法を入れ替えることができます。ただし、格闘技スタイルを習得した時の最初の技法は本来の(すべてのスタイルで使用可能な技法を含む)リストから選ばなければなりません。
 リストから外す方の技法に制限はなく、すべてのスタイルで使用可能な技法(内家など)を別のものに入れ替えても構いません。リストに加える技法については、『ラン&ガン』掲載の技法および「新東京リアルスタイル」部門で採用された技法から選択できます。『Forbidden Arcana』掲載の覚醒格闘技(Awakened Martial Arts)の技法は選べません。

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