技法の強化/『シャドウラン 5th Edition』ハウス・ルール18
01 前口上
この記事は新紀元社から発売されている『シャドウラン 5th Edition』日本語版ユーザーに向けた、「非公式」のルール調整案(Tweaks)です。
記事の閲覧・利用に関する前置きは下の記事を参照してください。
02 技法の強化
『ラン&ガン』収録の格闘技(『ラン&ガン』日本語版p.128)ルールを調整します。このルールは格闘技を習得したキャラクターが、より多くのカルマをその格闘技や技能のために費やすよう誘導するものであり、多くのカルマを得たプライム・ランナー向けの調整です。
この調整では、ある格闘技スタイルに属する技法(「暗闇を打つ」「内家」を含む)を3/5/7個習得するごとに、以下のオプションから1つを選んで格闘技スタイルや技法を強化できます。
なお、いずれのオプションでも本来の技法のルールは変更されません。近接戦闘のみの技法を射撃攻撃で利用できるようになったりはしないのです。
(1). 極意/Versatile
その格闘技スタイルで既に習得しているもののうち、複数のメリットから選択できるもの(「角抵」など)をひとつ指定します。その技法は、選択しなかった方のメリットを受けられるようになります。その格闘技スタイルで選択可能でないメリットでも構いません。この強化では「射撃武器近接戦闘」は選択できません。極意で得られるようになったメリットは「習得している技法」の数に数えません。
例1:「ランドリ」の技法を極意強化した場合、そのキャラクターは「部位狙い(頭部:目)」「部位狙い(汚いトリック)」「部位狙い(急所)」のすべてに対して「ランドリ」の効果を得られるようになります。
例2:ジョーゴ・ドゥ・ポウでは「樫の構え」のメリットを2つとも選択できますが、「樫の構え(突撃に対する防御)」のみを習得しているキャラクターが、「樫の構え」を極意強化した場合、転倒に対する防御にも「樫の構え」を適用できるようになりますが、ジョーゴ・ドゥ・ポウから習得している技法の数には数えません。
(2). 真髄/Mixed Arts
戦闘技能をひとつ指定し、その格闘技スタイルで習得している技法すべてで、指定された技能でも技法を利用可能にします。例えば、「クンスト・デス・フェヒテンス」で習得した「突き返し」を、〈棍棒〉や〈特殊近接武器:バリスティック・シールド〉などで使用可能になります。「射撃武器近接戦闘(ピストル)」を習得しているキャラクターが「特殊射撃武器(ダートガン)」を選択すれば、ダートガンを撃つ際にも「射撃武器近接戦闘」が適用されます。
(3). 奥義/Transcendence
メタヒューマンの形態に依存せずに技法を使用可能になります。《魔法の指》やシェイプシフターの動物形態、ジャンプ・インなどの状態でも構いません。使用する技能が〈呪文行使〉や〈砲術〉であっても技法の効果を得られるようになります。ただし、使用する武器などは技法に合致したものでなければなりません。
例:空手奥義を習得したキャラクターは、《魔法の指》を使用して「足払い」を仕掛けることができますが、《魔法の指》でクォータースタッフを持った状態では「足払い」は利用できません。別途、空手真髄で〈棍棒〉を指定する必要があります。
03 格闘技ランクとの関係
格闘技の調整ルールを採用している場合、強化された技法の格闘技ランクは変更されません。例えば〈刀剣〉技能9で「剣術」の格闘技ランク3のキャラクターが剣術真髄で〈特殊近接武器:バリスティック・シールド〉を選択した場合、バリスティック・シールドによる受け流しに+3のダイスプール修正を受けられるようになります。