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装甲ルールの調整/『シャドウラン 5th Edition』ハウス・ルール20

01 前口上

 この記事は新紀元社から発売されている『シャドウラン 5th Edition』日本語版ユーザーに向けた、「非公式」のルール調整案(Tweaks)です。
 この調整案は、装甲関係のわかり難い部分を整理し、ルール上不明瞭だった部分を明確にします。また同時に、異常に硬いキャラクターや精霊をある程度弱体化します。
 記事の閲覧・利用に関する前置きは下の記事を参照してください。


02 装甲タイプ


 このルールでは、装甲値を3種類のタイプに分類します。

(1). タイプⅠ メタヒューマン・クリッター用装甲

 タイプⅠ装甲は通常の防具をはじめとするメタヒューマン/クリッター用の防具や装甲修正を提供するものが含まれます。

・防具、ヘルメット、盾等(防具改造を含む)
・皮膚装甲、トロールの骨質沈着物、オルソスキン等
・Altskin(Chrome Flesh)
・《鎧》の呪文
・《装甲》のクリッター・パワー
・《魔力装甲》のアデプトパワー


(2). タイプⅡ
 ヴィークル装甲、障壁

 タイプⅡ装甲はヴィークルの装甲値や障壁の装甲値などが含まれます。

・ヴィークルの装甲値(Specialty Armor等の装甲値改造を含む)
・障壁の装甲値
・《Reinforcement》の呪文、クリッター・パワー
・動かぬ器に《憑依》した精霊による装甲値強化
・《ホムンクルス》の装甲値
・Paladin(Rigger 5.0)の特殊ルールによる装甲値増加
・Granite Shell(Run Faster)

(3). タイプⅢ 硬化装甲

 タイプⅢ装甲は硬化装甲のみを扱います。

・《硬化装甲》のクリッター・パワー
・硬度強化型軍用バトルアーマー(専用のヘルメット含む)

細則:
・タイプⅡに属する装甲値修正をタイプⅠの防具に対して適用した場合、その修正はタイプⅠとして扱います(Paladinの特殊ルールをキャラクターに対して適用した場合など)。
・Granite Shellは硬化装甲ではなくタイプⅡ装甲として扱い、「他の防具と累積しない」や「ダメージ抵抗テストに追加のヒットをもたらす」といった記述は無視します。
・硬度強化型軍用バトルアーマーの「他の防具とは累積しない」や「エッセンスを支払っている場合は~」の記述は無視します。
・アストラル版の装甲値については原則として物理版と同じタイプになります。《アストラル装甲》であればタイプⅠであり、マナ障壁はタイプⅡです。《アストラル硬化装甲》ならタイプⅢです。

03 装甲チェック


 攻撃を受けた時、ダメージがどの程度有効かを装甲チェックによって判定します。(ルールブックの記述に関わらず)装甲値とダメージが同点の場合、常に攻撃側有利として扱います。

(1). 身体ダメージ・チェック(タイプⅠ+Ⅱ+Ⅲ)
 ダメージが身体ダメージになるか精神ダメージになるかのチェックでは、タイプⅠ、Ⅱ、Ⅲすべての装甲を足して修正ダメージ値と比較します。修正ダメージ値が修正装甲値未満の場合、ダメージは精神ダメージになります。

タイプⅠ+Ⅱ+Ⅲ(+AP) ≦ 修正ダメージ値 : 身体ダメージ
タイプⅠ+Ⅱ+Ⅲ(+AP) > 修正ダメージ値 : 精神ダメージ


(2). 攻撃無効化チェック(タイプⅡ+Ⅲ)
 攻撃の修正DVがタイプⅡとⅢの装甲値の合計より低かった場合、その攻撃は完全に無効になり、ダメージ抵抗テストは行いません。
 なお、障壁越しの攻撃では先に障壁にダメージが適用(SR5J,p.197)されるため、実際にはタイプⅡ装甲とⅢ装甲を足し合わせるケースは少ないと考えられます。

タイプⅡ+Ⅲ(+AP) > 修正ダメージ値 : 攻撃無効


04 ダメージ抵抗テストの上限


 ダメージ抵抗テストにはすべてのタイプの装甲値を加えることができますが、上限を設けます。
 ダメージ抵抗テストのダイスプールは【強靱力】×4DPか20DPのどちらか高い方までに制限されます。キャラクターがヴィークルに搭乗している場合、ヴィークルの【強靱力】×4を代わりに適用しても構いません。
「絶縁」などの、特定のタイプの攻撃にのみ有効な装甲値修正は、この制限に含めません。《通常武器への耐性》は制限に含めます。
 人型ドローンに盾を持たせたり、メタヒューマン用の防具を着せることを認めている場合、それは依然としてタイプⅠ装甲であり、攻撃を無効化するかどうかのチェックには関わりませんが、ダメージ抵抗テストには加算されます。

追記:「頑強」の資質や骨格補綴、骨密度強化などの「ダメージ抵抗テスト時に【強靱力】にダイスを追加する」効果は、ダメージ抵抗テストの上限の算出において【強靱力】への強化として扱います(最大+4まで)。つまり、【強靱力】4で「頑強」を持ち、レーティング3の「骨密度強化」を入れているキャラクターは、ダメージ抵抗テストにおいては【強靱力】8扱いになり、最大32DPまで振れるようになります。

05 追加コンディション・モニター


《硬化装甲》の追加ヒットの代わりに、タイプⅢ装甲はその値に等しい追加のコンディション・モニター(CM)をもたらします。
 外部からの攻撃によって身体ダメージが与えられる場合、先にこの追加CMが受け止めます(ドレイン、生体信号フィードバック、フェイディングなどの外傷でないダメージや精神ダメージ、および精神ダメージのオーバーフローによる身体ダメージは肩代わりできません)。このコンディション・モニターは負傷修正には関係しません。すべての追加CMが埋まると、残りのダメージはキャラクターの身体コンディション・モニターを埋め始めます。
 追加CMは修理しないと回復しません。修理費用は1マスにつきその装備の価格の2%です(R&GJ,p.143、壊れた武器の修理と同様に扱ってください)。《硬化装甲》などのクリッター・パワーによって提供されている場合、身体ダメージと同様に自然回復で回復します。回復する順番は身体ダメージ→精神ダメージ→追加CMの順です。《物質化》によって《通常武器への耐性》から生まれる追加CMにダメージが入った場合、一度《物質化》を解いてもダメージはそのままです(これも自然回復によって回復します)。

06 オプション・ルール


(1). ダメージの宣言方法の変更

  ダメージの宣言方法の変更ルールを使用している場合の装甲チェックは以下になります。

・身体ダメージ・チェック
タイプⅠ+Ⅱ+Ⅲ ≦ 貫通値 : 身体ダメージ
タイプⅠ+Ⅱ+Ⅲ > 貫通値 : 精神ダメージ

・攻撃無効化チェック
タイプⅡ+Ⅲ > 貫通値 : 攻撃無効


(2). サイバーリムの調整

 サイバーリムの調整ルールと併用する場合、サイバーリムの装甲値上限は(ルールブックの記述通り)3としても構いません。
 テストプレイ・チームの見解としては、サイバーリムの装甲値の上限引き下げか、ダメージ抵抗テストに上限を設けるか、どちらかの制限が必要と考えています。

(3). 追加コンディション・モニターの省略

 タイプⅡ装甲とタイプⅢ装甲を統一してしまうこともできます。この場合、硬化装甲はもはや追加ヒットも追加コンディション・モニターも提供しません。このオプション・ルールでは、精霊の《通常武器への耐性》は【フォース】の2倍ではなく3倍のタイプⅡ装甲を提供することにしても構いません。

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