拡張版原質ルールの調整/『シャドウラン 5th Edition』ハウス・ルール17
01 前口上
この記事は新紀元社から発売されている『シャドウラン 5th Edition』日本語版ユーザーに向けた、「非公式」のルール調整案(Tweaks)です。
記事の閲覧・利用に関する前置きは下の記事を参照してください。
02 拡張版原質ルールの調整
これは『Street Grimoire』や『Forbidden Arcana』で追加された新しい原質とその使い方に関するルールを調整するハウス・ルールです。新しい原質についての詳細は『Street Grimoire』『Shadow Spells』『Forbidden Arcana』または『Role & Roll』Vol.221に掲載予定の記事を参照してください。
(1) 原質の使い方
【魔力】に関係するテストを行う時、原質を1ドラム消費するごとに追加の効果を得られます。消費できる原質の数は最大で【フォース】までです。【フォース】が関係しないテストの場合は術者(またはテストのリーダー)の【魔力】が上限になります。
原質には「生(rare)」「精錬(refine)」「活性(radical)」の3種類があり、それぞれ効果が異なります。上位の原質は下位の原質の代用として使用できます。ひとつのテストに使用する原質はすべて同じ種類のものでなければなりませんが、1ドラムごとに効果を「振り分ける」ことは可能です。
生の原質:【魔力】関連テストのリミット+1
精錬原質:ドレイン抵抗テストに+1
活性原質:そのテストに対抗する物体抵抗ダイスプールを-1する
例:灼熱のオーラを放つ火の精霊に穏便にご退場いただくため、〈放逐〉を試みようと思ったが、エッジ・ポイントによる振り直しを考慮すると、自分のアストラル・リミットにもドレイン抵抗にも不安がある。そこで奮発して8ドラムの精錬原質を消費し(【魔力】は8だ)、リミットを+3、ドレイン抵抗に+5することにした。
(2). 希釈オリハルコン(Diluted Orihalcum)
希釈オリハルコンはオリハルコンを王水(Aqua Regia)で溶解した安定的な物質で、使いやすいように小分けにしたものです。正式には塩化オリカルクム酸水溶液とでも呼ぶべき魔法化合物ですが、実態とわかりやすさから希釈オリハルコンと呼ばれています。
1オンス(約30ミリリットル、重さ36グラム程度)の希釈オリハルコンを用いることで、魔法に関するカルマ1点の支払いを肩代わりできます。代替可能なのは収束具の結合コストを始めとするマジック・アイテムに関係するものや、一部の儀式で必要とされるカルマ・コストに限られます。【魔力】の成長、技能の獲得、呪文やその他の術技の習得といった目的には使用できません。
希釈オリハルコンはキャラクター作成時には購入できません。原則として、希釈オリハルコンの値段は「世のために働く」でカルマを購入する時の値段と同じ(2,000¥~5,000¥程度。下記ハウス・ルール参照)で、入手値は14とします。Black Market Pipeline等の価格を引き下げる資質の恩恵は受けられません。また、PCは希釈オリハルコンを自作できません。
注釈:このルールは、PCが自分のカルマを消費して獲得した収束具や、固着した呪文などをゲーム中に喪った際、カルマの代わりに金銭で補償するためのものです。また、ロールプレイ上善行を積むのが似つかわしくない、ストリートの評判を無闇に上げたくないキャラクターのためでもあります。
代替できるカルマ支払いのリスト:
・収束具の結合コスト
・収束具の作成コスト
・固着術
・係留術/Anchoring(Street Grimoire)
・定着術
・Fettering(Street Grimoire)
・同盟精霊の召喚と変化の儀式(Street Grimoire)
・Attune Item等、一部の儀式で必要とされるカルマ・コスト(Street Grimoire)
・マジカル・グループへの参入コスト
代替できないカルマ支払いの例:
・魔法に関わる資質の取得
・【魔力】の成長
・魔法系能動技能の成長
・呪文/儀式/錬金術調整物の習得
・呪付、パワー強化の習得(Street Grimoire)
・イニシエーション
・パワーポイントの獲得