Maker Faire Shenzhen 2018
2018年10月12日〜14日に深センの海上世界文化芸術中心でMakerfaire深センが開催されました。もともとDIY、ものづくり愛好家の交流、発表の場であるMakerfaireですが、科学技術の普及、教育の観点からも非常に面白い発見のある3日間でした。
今年は深セン日本人学校の小学生にはSTEAM教育としての手作りの車のワークショップに参加してもらい、中学生は日本人出展者のブースのボランティアでお手伝いで参加ということで、見学だけではなく、自分の手を動かしたり、出展者側に入ってイベントを体験するなど昨年とはまた違った楽しみ方ができたかと思います。そしてハードウェア、STEM教育で突っ走る深センの熱も体感することもできたかと思います。
私自身もブースのお手伝いをさせていただき、まず一番印象に残ったのは、中国の親たちの科学技術に対する関心の高さと熱心さです。私のお手伝いしたブースでは光る帽子(LEDが入っているピンポン球がたくさんついた帽子)が展示されており、それが様々なタイミングで光ることで、かぶっているだけで楽しい気持ちになれる作品なのですが、これを見た一般の親たちのしてくる質問が、「これはどんな原理で光っているのか?」という質問は一般的だとして、「これは脳波を感知して光るのか?」という先進的な技術を取り入れられることを理解している親もいることに驚きました。
また、親子連れの場合で、子供が親に引き回されるようにして様々なブースを回っていて、親の方が必死になって何か楽しい物、学びのある物がないかを血眼になって探し回っているようで、チャンスを逃すまいとする気迫すら感じました。
それから、日本人と中国人の興味を示すポイントの違いもおもしろく、前述の光る帽子もそうですが、「ただ楽しい作品」「ジョークの効いた作品」に対して、中国人は「これはいったい何のために使うのか?」と実用性に関する解説を求めてくる傾向がありました。
日本人がモノづくりを純粋にホビーとして楽しむのに対して、中国人はその先にビジネスを見据えていて、自分が好きな物を作る日本人と、ビジネスになりそうな物を作る中国人という構図もこのMakerfaireを通じて見えてくるようでした。
この日本人と中国人の観点の違いは、今の世界経済における日本と中国の状況そのものであるように感じます。
自分の作りたい物を作る、モノづくりそのものを楽しむということが、今の世界経済下では優位に立てる材料になっていないようですが、今後AIが発達して、人間がより楽しんで生きることが重要になってくるときに、日本人の「遊び心」は重要になってくるように思います。
日本人は自虐的になるのが好きな民族なようですが、自分たちの良さも見失わないように、日本人が目指すべき理想に向かって発展していけたらと思います。
今年もあっという間の3日間最高でした!