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2018年国慶節、一番人気の海外旅行先は”日本”

 中国最大の旅行サイト「Ctrip」が発表した今年の国慶節(10月1日~7日の大型連休)の海外旅行先人気ランキングで、日本が初めて首位となりました。

(1)観光立国日本の最大のお客様は中国、そして中華圏
 訪日外国人が著しく増加しています。2017年は2869万人で、5年前の3倍以上となりました。2018年上半期は1589万人を記録し、今年は通年で3000万人を超える見込みです。その中でも、国・地域別の訪日外国人総数が最も多いのは中国です。2017年を例にとると、訪日外国人2869万人のうち735万人が中国からで、全体の1/4を占めました。これに香港、台湾等を含めると1414万人で、実に訪日外国人の約5割を中華圏が占めることが分かります。訪日外国人の受入れ、拡大には、中華圏への対応が必須です。

(2)訪日外国人の増加をいかに地域経済の活性化に繋げるか
 訪日外国人の増加は、地域経済の起爆剤として期待されています。富士山のふもと、山梨県富士吉田市では、私営鉄道の富士急行線に多くの外国人が乗車する光景が、今や日常となりました。東京、大阪、京都でもビジネスホテル等の宿泊施設の稼働率が高まり、供給不足が喫緊の課題となっています。
 一方で、全国津々浦々の地域で訪日外国人増加の恩恵を受けているわけではありません。こと中国との関係で言えば、中国各都市と地方空港との航空路線※1の開設に向けて懸命に誘致を図っている地方自治体も数多くあります。また、白タク、違法民泊等の問題への対処をはじめ、WeChatPay、Alipay※2等スマホ決済への対応、多言語表示や宿泊施設の新規建設等、訪日中国人の増加を、具体的な果実に繋げる動きが、各地域において確実に進んでいます。

(3)訪日旅行の経験は、対日イメージの改善に大きく寄与
 一度訪日旅行を経験した中国人は、必ずと言っていい程日本に対して好印象を抱いてくれているように実感しますが、このことは統計にも表れています。日本の言論NPOと中国の中国国際出版集団が毎年共同で実施している「日中共同世論調査」の結果が10月に発表され、これによると、日本に「良い」印象を持つ中国人は昨年より10.7ポイント増えて42.2%に上り、2005年の同調査開始以降初めて4割を超えました。これは、多くの中国人が実際に日本を訪れ、更にはSNSを通じてその感想や写真を家族・友人に広く拡散した結果と分析できます。一方で、日本人の対中観※3については、86.3%が中国に「良くない」印象を持っており、対照的な結果となりました。
 少子高齢化に加え人口減少が進む日本において、成長する海外の活力を取り込むことが重要であることは、論を待ちません。その中で最大の規模である訪日中国人の受入れが、単なる観光収入の獲得に留まらず、相互の理解、信頼関係の醸成に繋がり、両国の長期的な発展に寄与することを願ってやまない。

※1 中国各都市と地方空港との航空路線
 地方空港を持つ日本の地方自治体は、経済成長著しく、かつ、まだ日本との航空路線が少ない中国内陸部との航空路線の開設に、力を注いでいます。例えば静岡県の富士山静岡空港は、2015年に上海、天津、南京、杭州、武漢、西安、長沙等、中国との路線が一時的に11に急拡大をしました(現在は4路線)。継続的な路線維持も課題となっています。

※2 WeChatPay、Alipay
現在ではほとんどの中国人が使用しているスマホ決済。銀行カードとスマホを繋げることにより、現金を用いることなく決済が可能。クロスボーダー決済が可能なため、日本でも当初は、ディスカウントストア、家電量販店等を中心に導入が進みましたが、最近は、地方の観光施設でも見かけることも多くなりました。

※3 日本人の対中観
日本人の対中観の改善が進まないものと同様に、日本人の中国訪問者数も約258万人(2016年)と、日中関係が悪化する以前の水準(約365万人(2011年))まで回復していない。

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