【ヒメヒナ考察】「LADY CRAZY」MV考察(2025/1/17時点)
ち、遅刻遅刻ぅ〜!年末いろいろありすぎて全然取りかかれていませんでした😅
だいぶ遅くなっちゃいましたがレディクレMVの考察をしていきますね。
初見の時は「ついに戦争のシーン来たかー」と頭を抱えてました。これまでも戦争の歴史を示唆するものはたくさんあったのですが、今回は結構直接的に心臓がキュッとなるシーンもあったので、一歩踏み込んだ内容のMVとなっている印象を持っています。ヒメヒナのダークサイドは結構闇深いものになると予想していますが、いざ入口に足がかかると背筋が凍る思いです。ここから核心へ向けて深く暗い階段を降りていくんだろうと身が引き締まる思いです。ワークワクしちゃうぜぇ。
それでは前置きはほどほどに、考察のドキドキジャングルツアーを始めていきましょう。今回はMV考察ですので、シーン毎に区切りながら見ていきます。まとめやすいように僕なりにタイトルをつけながら話していきますね。あと、考察の繋がりの関係でシーンの順番は前後します。
🎞️亡者の丘
初手にして衝撃のシーン。大量の十字架、象徴的な旗、地中からのびる手、首なしの甲冑。ついに来ましたよ、戦争描写が。
上記の4要素を合わせてさらにそれらが乱雑に積みあがっていることから、戦争や戦いがあった可能性が高いですね。それを前提として話すのですが、これは宗教戦争だと思っていまして、その根拠はこれまで宗教に関するキーワードや教会や祭壇などの宗教オブジェクトが明示的示されるといったことが非常に多かったからです。さらにマザドラで、いわゆる"悪い宗教"の存在がこの物語にあるという空気感が強かったのも理由の一つですね。理由はハッキリとはわかりませんが、これまでの情報ベースでいくと圧政や支配に対するレジスタンス運動が最もありそうな構図だと思います。まあでも宗教要素に関しても、性質や歴史を借用するための表現という意味合いが強い可能性もあるので多少思考の柔軟性は持っておきたいですね。
十字架といえばキリスト教なのでキリスト教関連の歴史を探るのがよいでしょう。ただ、インドでのキリスト教VSヒンドゥー教のような大きな争いは調べても代表的になりそうなものは見つけられませんでした。そこで、ここもこれまでのところからなのですが、これまで舞台がチェコを中心としていたことから、フス戦争あたりがモデルケースに近いのではないかという話があがっていたりします。カトリックVSプロテスタントのキリスト教内での戦争ですね。同じ組織内での内紛なので先ほど言ったようなレジスタンス的な色合いが強いものかと思われます。言い方を変えれば、侵略的なものではなさそうだなという印象です。どこまでモデルとなる歴史の性質を受け継いだストーリーとなっているのか気になるところですが、ヒトガタで出てきたカール大帝の意味を深堀りする時は近そうです。最初に書いた通りヒンドゥー教との争いの歴史は薄い感じがしたので、あくまでここで出てくる宗教的類似点はその性質を表すための手段として使われているのではないかと思っています。
このヒトガタの画像の左下を見ててふと思ったのですが、K.A.R.L.Sって音的にCAROLSっぽくないですか?下のHeim&Hainもヒメヒナのアナグラムになってますし。"CodeName「片喰」 込められた祈りは「再生」と「繁栄」"あたりも思い返していくと、恐らくCAROLSがメインで関わるであろうこのプロジェクトはカール大帝のキリスト教布教の歴史とマッチするものがあるのかもしれませんね。ちょっと脱線しましたね。話を戻しましょう。
また、後のシーンですが首が落ちてくるシーンもあるので「斬首」は注目すべきキーワードとなるでしょう。ちなみにWWWのMVの中に断頭台があったので、この時から伏線が張られていたということですね。ということは、間接的にこの曲はリアルとバーチャルに関係してくる曲だということが言えてきそうですね。
それにしてもこの首は誰のものなんでしょうね。髪の長さから女性のものに見えますね。もっと言えばなんだか髪を下した時のヒメヒナにも見えます。容易に思いつくところとすれば、この戦争での敗者側の首謀者の首ですね。ただヒメヒナ似繋がりリリアンと考えるのはちょっと早いなと思います。そう考える理由はアダムとマダムで2人の女性像が向き合い赤と青に分けて表現されていたのが一つ、これまで赤と青は対立関係にありそうな構図で描かれることが多かったのがもう一つの理由です。そして、その勢力で争い最終的にどちらかの首が落ちたと考えるほうがしっくりくる感じがしています。なので有力候補は2名います。ただまあ首が落ちているのが赤背景で赤い女性の帽子はリリアンがかぶっていたものと同じなので、なんだかんだ言いましたが結果的にリリアンの可能性が高いような気がしています。まあどっちも似てますがね。
一瞬出てくるキーワードについては最後に触れますね。
お次は順番前後して教会通路です。
🎞️教会通路
注目するのは柱のデザインですね。これはアダマダのMVに出てきた教会の柱のようなもののデザインと一致しています。細かく見るとデザインは完全一致ではないのですが中央の四角の中に丸があるデザインは酷似しています。さすがに一致していると言ってもいいかもしれませんね。
同じものがあるということはあの三つ葉紋の前身のようなものがあった教会とこの場所は同じ場所、または同じ所属の場所であることがわかります。…とか書いたところでもっと明確なもの見つけましたわ!窓ですー!窓が完全一致ですー!同じ場所確定ですー!
はー気持ちいい。
ではもう少し具体的にここはどういうところなのかについて掘り下げます。ちょっと自信は無いのですが納骨堂的な場所じゃないかなと思っています。
このシーン、壁の窪みに何かが飾ってありますよね。これが遠目に見て所々に首っぽいものが見えるからという言い分です。貼り付けで見えるかな?かなり見えにくいのでできれば動画でご確認頂きたいですね。3枚貼ります。
おわかりいただけただろうか…。
はい。人間の生首ではなく、ヒトガタなどにも出てきた白人形タイプの首ですね。
ちょっと理由としては弱いのですが、首が落ちてくるシーンがあったり、ロウソクも死者を連想させるものではあるので連想ゲームの繋がりはできるかなと思います。これが全て首なのだとすればとんでもない数の首が落ちたことになりますね。
少なくとも、あの教会との関連性があるということは二人のドレスの女性と関連してくることは明白でしょう。やはり赤陣営と青陣営に分かれて戦争していたのでしょうか。MV全体の雰囲気からも僕はありそうだなと思っています。
そういえばヒメヒナキメラ達がショートカットなのってこの断頭が関係していたりするのかな?
🎞️檻
檻といえば絶望を翔る恒星で触れられてましたね。パノプティコン関連の事柄なのかなと思うところです。
檻に首輪に手枷とかなり厳重な拘束ですね。過剰とも言える拘束から余程の執着があるように見えますね。ドレスや鳥籠からしてきれいなものを飾るような感覚で拘束するといった"歪な愛情"がありそうな気がしています。ちなみに鳥籠は風編み鳥のライブ映像でありましたね。
鳥関連で言えばヒバリも欠かせません。少し想像力を働かせてこのシーンはヒバリに相当する人物の描写と考えるのもありかもしれません。
風編み鳥やヒバリの歌詞から、鳥は鳥籠を飛び出すことと、それには死が伴う可能性がありそうというところはなんとなく察せられますが、そんな生い立ちを表しているのでしょうかね。となればヒバリMVからしてリリアンがそれに当たりそうにも思えますが、ここはまだまだ検討の余地が残るでしょう。ふむふむまたリリアンですね。
この漆黒の衣装についてもう少し掘っておきます。黒い衣装でいえば本気衣装やCAROLSなどいろいろありそうですが、なんとなくマザードラッグのMの眼の感じが一番近そうだなと感じています。監視やケースの中に入っていたという点からの連想ゲームをしただけなのですが、出てくるキーワードは関連性が高いので遠からずかなと思っています。
こうした要素は物語構成的には章の始まり辺りにきそうなフラストレーション要素に見えますが、どうなんでしょうね。
🎞️工場
ここは科学技術の発展を示唆したシーンと思われます。
ベルトコンベアを表現に使うことでこのヒメヒナキメラを生み出す技術体系があり、それを大量生産ができるほどに確立されているという見方ができそうです。どういう技術なのかは分かりませんがそれぞれ同じ顔であるというところから"複製技術"関連と考えるのが近そうかな?いや、もっと解釈の幅が取れるように大きく"科学技術"が関連している事を示すところとして考えるのが安定ですね。衣装も気になりますがこれはヒメヒナ関連であるということの示唆でしょうかね?その意味だとかなり大きい情報ですが、この衣装にまつわる表現については複製関連かもぐらいしか考えられないのでまだまだ検討が必要です。
キョンシーの動きをしていることから、この技術には死者が関わっていると考えられます。死者といえばちょうど明確な死者がいましたね。ハイムハインです。外見がヒメヒナであることとその名前の類似性からあり得なくもないところかなと思います。
この死者復活のような科学計画の根幹はハイムハインの復活なのか、はたまた遺伝子の悪用なのか。まだ全容が見えてきませんがどちらがあってもおかしくないですね。
歌詞に洗脳要素があるので悪意寄りの雰囲気がしますが、物語の悪意介入のタイミング次第で変わる事なので断定的なことはまだ言えないでしょう。技術はあくまで技術であり利用者次第で善にも悪にもなりますからね。
あと、ゴゴさんのポストからこのキメラはイザナイ(伊邪那異)と呼ぶそうです。この名前と漢字からモデルは日本神話のイザナギ(伊邪那岐)とイザナミ(伊邪那美)ってことみたいですね。日本列島作ったりアマテラスやスサノオやツクヨミを生み出した(これはイザナギ)などの話で有名、というか日本神話の代表格ですね。名前はどこかへ導くとか誘い込むという意味の「誘う(いざなう)」とかけているのでしょう。どこへ誘うんでしょうね?心象と物象の往来というのはバーチャルとリアルを行き来するということを言っているのかな?
また、イザナギイザナミが出てきたので「天地開闢」というキーワードも拾っておきましょう。これは提灯暗航ライブで出たものですね。この言葉は日本神話にも見られる世界の初めの事を指すものです。ということはこのイザナイの誕生の近くで世界創造の物語があったであろうということが考えられます。やはりバーチャル世界かな?また、もう一つ注目するならイザナイはその容姿から"融合"要素があります。2人は女の子なので正確ではありませんが、これを提灯暗航で言ったような雌雄一つになるとか両性具有に紐づけられるかもしれません。これは男神女神のイザナギイザナミとは違う要素で、造化三神などの天地開闢に近い存在の要素となってくることを表しているのかもとかふんわり思っています。これを神格をより上げるとかまた別の要素との紐付けと考えられたりもしますが、ちょ~っと想像がすごいことになってきたのでこの話はこの辺りで。まあ世界創造と融合の要素がありそうだなぁという話でした。
📝ヒンドゥー教について
さてさて、ちょいとここで今回のMVがインド舞台であることからインドでの主たる宗教のヒンドゥー教にも触れておきます。この後の考察がそれを意識したものとなっているのでここで一旦挟ませてもらいます。
ちょっとイスラム教と悩みましたが、イスラム教は女性の肌の露出に制限があるので今回の衣装(サリーなど)からヒンドゥー圏モデルと考える方が適当と判断しました。
ヒンドゥー教に関して調べたことをさらさらっと書いておきますね。ここは知識ゾーンです。
ヒンドゥー教は神道や仏教などと同様に多神教です。最高神という考えはないのですが創造、維持、破壊の3神は役割からして位が高いとされているみたいです。国民それぞれに推し神がいろいろ分かれてる感じでした(多神教ならではの感覚?)。歴史的な背景もありますが、神は後から後から追加されていったりしたそうです。
イスラム教などのようなあーしろこーしろと厳しい戒律の宗教ではないゆるめの宗教なのですが、厳しい身分制度としてカースト制度はあります。基本思想は男尊女卑で、男は仕事、女は家みたいな感じっぽいです。
注目すべきは業(カルマ)と輪廻(サンサーラ)の考えですね。業はその世での行為で、輪廻に深く関わります。現世でいい事してたら来世はカースト上位に輪廻できるとか、前世で悪い事をしてたから現世がしんどいみたいな考え方です。
また、河川崇拝があり特にガンジス川が「母なる川ガンジス」と神聖視されています。牛も聖獣として神聖視されています(でも水牛は違うらしい)。
グル信仰のグルにはサンスクリット語で「重いもの」「闇から光へ導くもの」「木星」「導師」という意味があるようです。サンスクリットとか闇とか光とかヒメヒナ考察勢ニヤニヤのキーワードですね。
蓮はインダス文明の頃から聖なる花として神聖視されていました。古代インドの女性の格付けの最高位に蓮女(パドミニ)が使われるくらいには神聖視されています。蓮の上に神様が描かれたりするのもよく見られますね。蓮は仏教にもありますがヒンドゥー教の方が顕著に描かれている印象でした。
上記を踏まえて考察的な要素をピックアップすると、多神教、カースト、業と輪廻、神聖視される蓮ですね。
複数の神や後から神が追加されるという面からはカジュアルに神を創造・複製するストーリー。カーストや業や輪廻からは、決められた残酷な運命と死んでやり直すというストーリー。蓮も合わせて考えるなら最高の神を作ろうという思想があったと考えても良さそうです。
それでは、これらを頭の片隅に置きながら続きをどうぞ。
🎞️崩壊都市
このシーンを語るならやはりあの台座からでしょう。少し分かりづらいですがハロホロのバーチャル神殿の上の円盤と特徴がほぼ一致しています。その前提の上での話ですが、イザナイ達はバーチャル関係だという線が濃くなってきます。
ここで一つ思ったことがあります。それはイザナイ達はCAROLSの前身ではないだろうかということです。なぜそう思ったのかというと床の紋様です。
四つ葉紋様といえば琥珀の身体やMr.VIRTUALIZERなどで出ていますが、この紋様はCAROLSの衣装にもあります。
その上でイザナイ達の姿を見ると白い髪、基本的にモノクロ、バックダンサー、同じ姿、崩壊した街とのセットなどCAROLSと共通点が多いのです。ちょっとこじつけ感はありますがいい仮説だとは思います。
また、この集団での踊りがなんとも細胞を彷彿とさせる動きに見えるんですよね。細胞といえばハイムのセリフで「単細胞核移植には~」とか言ってましたね。そこからこれはハイムの研究の延長線上にあるのではないかとも思いました。その気付きと、イザナイの頭がヒメとヒナを半々にしたものであることからCAROLSはヒメとヒナの細胞をもとにして作られたという仮説が立てられそうだと思いました。ただ、まだヒメとヒナは明確に物語に登場してるわけではないので、これがヒメヒナなのかハイムハインなのかは考察の余地が残るところとなります。
一応、CAROLSとはまた別の方向の生命体という線も捨てきれませんが、まだその存在が示唆されていないのでCAROLS計画の過程で生み出された実験体達という見方が今のところ最有力かなぁ。
ハロホロ神殿との紋様の一致、四つ葉紋はMr.VIRTUALIZERにも出ていたことを考えると科学技術的にも時代的にもこの計画の道の上にはMr.VIRTUALIZER.INCがいる可能性が高いように感じています。
少し妄想を膨らませた話をしますが、もし、イザナイたちがCAROLSの前身だとすれば7号くんと11号ちゃんはイザナギとイザナミ的な役割を担ったという考えはありそうですかねぇ?ちょっと飛び出した考えな気もしますが、イザナイ達にはなさそうな側面、男女の恋情にあたる部分を発言した稀有な例だったという説もまあまあ悪くはないかもしれませんね。
また、イザナイ達を生み出している誰かがいるという視点を持つと、その誰かは構図上さらに上位の神々という位置付けなるでしょう。概ね新たな世界を作った科学屋がその神となるのでしょうね。遺憶の彼はこの前なのか後なのか…。
あと、白黒世界で思ったことが一点。よく見ると昔の3Dメガネをかけたように微妙に赤と青のブレエフェクトがかかってるんですよね。映像の映えとか彩度上げの手法だったりするのかもしれませんが、「ワタシとワタシがズレていく」の文字カットが入るのでその表現と解釈してもいいのかもしれません。このズレについては後で他の考察と合わせて触れます。
🎞️豪華な部屋
要素が多くて目が回るシーンですね。隅々まで装飾を入れに入れ込んでまさしく豪華絢爛な様相になっていますね。大きなポイントは龍と花と円盤かな?それぞれにフォーカスして見ていきましょう。
■龍
龍についてはやはりきたかという印象。この龍はWWWやアダマダで出てきた鯉が変身した姿なんじゃないかなと思っています。鯉が龍になる逸話である「登竜門」を意識した演出という線が濃くなりました。
ここで重要となるのは"変身"という要素でしょう。これまでの歌詞でも変身や転生をほのめかすものは数多く出てきているのでそこそこの自信を持って言っても良さそうですね。では、何に変身するのかというと、それは神でしょう。龍はあくまで登竜門を意識させるための演出だと思っています。
恐らくこの変身は死の先の変身。ヒンドゥー教の業(カルマ)と輪廻(サンサーラ)の考え方も大きく当てはまるものでしょうね。今世で良い行いをして来世でカースト上位に生まれ変わるという考え方と合っていますね。融合要素も合わせると提灯暗航の墓原の先と考えるのが一番ありそうですね。
また、このシーンの龍はヒメヒナカラーのものが多いので、この変身は主人公サイドとする方がよいかも?まあもっと簡単な話、イザナイちゃんの外見はヒメヒナのキメラなのでその点からも変身するのは主人公サイドと考えるのが無難そうですね。
■花(シンメトリーデザイン)
花に関しては何の花かという点よりデザインについて触れたいなと思います。このMV通しての感想なのですが、模様も衣装もかなりシンメトリーなデザインがたくさんあるように見えます。ちょっといくつかピックアップします。
これが意図的なのだとすればこれは"鏡"を表現しているのだと思われます。ヒメヒナ楽曲において鏡はかなり重要で、今のところ"バーチャルと深い関係がありそう"という位置付けにあります。また、性質として心を写し出す、曝け出す、暴くといったものがあるように見えます。恐らくこのMVにおける花のシンメトリーの構図は「変身にはバーチャルが関係する」という意味が強く出ているのではないかと考えています。
花についてはこれまでの歌詞表現を振り返ると"人物"を示す比喩表現が多かったので、変身するという動詞とも親和性は高いですね。もう少し深く切り込んでおくと、ことさら多く花をビジュアル化するというのは複製体だったりある事柄に該当する人物が多いことを示しているのかもしれません。ヒメヒナの楽曲やMVでは"無数"を意識させるものが度々出てくるので今回の融合に関するものも、とてつもない数での融合があるのではないかと考えています。
■円盤
最後に円盤です。この円盤は厳密には違うのですが、崩壊都市に出てきたものと趣きを同じにするものじゃないかなと思っています。崩壊都市側の円盤はハロホロのものとほぼ合致するものだったので、ここからも"バーチャル"との関連性が匂ってきているのです。
にしてもちょくちょくこの八方位を示すデザインが出てくるのですが何意識なのでしょう?8を複製して天皇示唆の16菊にするみたいな意図があったりするのでしょうかね?神様作ってるし。もしくは方位の意味を強くして羅針盤や地図のような意味合いがあるのかも?後戻りはできない希望の光を探す旅路の羅針盤的な感じで。
ちなみにこのシーンで田中氏のほっぺにタトゥーがないのは、シールの貼り忘れかなぁとか思ってるのでいったん考えずにいきます。
🎞️路地裏
この路地裏はトタンの感じからしてマザドラに出てきた路地に雰囲気がよく似ていますね。
まず気になるのは建築物です。他シーンを見るとインドの伝統的建築が主に描かれているのに対して、このシーンはかなり現代的な建築となっています。地域が違うだけとも考えられますが、MV内で対比すれば異彩を放つシーンではあるのでそこにはシーンとして深い意味と意図があると考えるのが妥当でしょう。先に僕が何を感じている事を伝えておくと、このシーンではゴゴさんが言っていた心象と物象の往来、"バーチャルとリアルの境界"にあるストーリーが示唆されていると考えています。
根拠らしき事を並べていきますね。まずこのシーンのランタンは恐らく初出しの形状なのですが、この色と光の形をぼんやり見ていくと提灯のように見えます。これだけでは弱いですが、イザナイ達は現状の考察でバーチャルに関わるという事が分かっており、このシーンでは半透明の状態で登場しています。
また、WWWでは幽世(かくりよ)といった死後の世界、幽霊、妖怪といった表現がありそれらはバーチャルに繋がるであろうというところまでは分かっています。他にも似たようなバーチャル×リアルの演出はヒトガタやハロホロなど多数存在しています。
個人的な印象ですが演出傾向を書いてみるとすれば、バーチャルらしい世界はトラディショナルなものやファンタジー的なもので構成されていて、リアルっぽい世界は崩壊していたり電気関連のものが描かれる傾向にあるのかなと感じています。このシーンにもありますが「電線」はリアル側を示す表現記号となっていそうですね。他にもそういう記号はありそうなので注目していきたいですね。
とはいえなんだかこの路地はその薄気味悪さからどちらとも取れそうな感じがしますね。恐らくランタンによってバーチャル的な要素を強められているのだと思います。それによってバーチャルとリアルの境界をうまく表現しているのかも?
では、この路地にバーチャルとリアルの境界を感じたところで、この表現組み合わせでのストーリーには何がありそうかという点を考察してみましょう。
思いつくのはイザナイ達の生活環境。もっと言えば彼らの"生前"の生活環境を示しているのではという視点です。生前とは何ぞいや?という方はここまでの考察でヒンドゥー教の業と輪廻について触れたところを思い返してください。イザナイ達は神へと変身するために一度死を通過して輪廻転生するのではという仮定を立てたところです。僕はこのシーンがイザナイ達が死を通過する前にいた環境のことを抽象的に示しているシーンではないかと考えているのです。
では、どんな環境だったのかを想像してみると、この路地の雰囲気からして決して裕福な環境ではなさそうですね。少し妄想を膨らませるなら貧困層やカースト下位だったのではないかと思っています。ここで思い出したいのが流れ行く命のMVです。
ここにも路地のシーンがあり、裸足の少女が膝を抱えています。少し大きめに言いますが、この表現をしていることからもヒメヒナ楽曲における「路地」というのは貧困層やカースト下位など"つらい環境"を示す表現記号となっているのではないかと思います。
総合すると、イザナイ達は生前つらい環境にあり、命を落とした後に霊体もしくはバーチャル化して存在を融合させ、このMVの姿であるイザナイ(神)へと転生したのではないかと考えています。
🎞️都市一望フロア
先ほど豪華な部屋で軽く先取りしましたが、ここも基本的に指摘したい内容は同じです。シンメトリーデザインからの鏡面表現(バーチャル化に関係するもの)ですね。今回の床がかなり反射率が高いのも鏡面ポイントが高いですね。
建築物に触れようと思うのですが、形状はこれまでのものと似てると感じるところは多々あるのですが、細かい部分での形状が結構違う(細かい話全部初出し形状)のと元となる文化・宗教が全然違うので別物として一旦置きたいなと思っています。類似している建造物全てにさらに装飾を上乗せしたような形状をしてるという観点はありかもしれませんが、うーん、一旦置きたい(笑)
どちらかというと今回注目するのは色ですかね。
全体的に金色を使っていますね。これは豊かさや永遠性や理想郷を意識した表現なのかもしれません。永遠性が強く出るのであれば複製の目的や人類保存計画のストーリーもハマってきそうですね。理想郷を指す表現として「GOLDEN」の歌詞にある黄金郷(シャングリラ)がある事も思い出しておきたいですね。恐らくヒメヒナの歌詞において「金」には理想が詰まっているのです。これもまた表現記号ですねぇ。
先ほどの路地のところでイザナイ達の前世は貧困層やカースト下位なのではと考察しましたがこちらは真逆をいくような雰囲気ですね。この対比を説明するのはやはりバーチャルに転生してカースト上位になったというストーリーじゃないかなと感じるところですね。あるいはその当時の理想像を描いたのだけで実際はみたいなこともあるかも…。
イザナイ達の衣装が黒いのはそうした不穏を示すものでなければいいのですが闇は深いでしょうねぇ。ここまでの考察を踏まえると「黒」は暗いストーリーを示す記号となっているのかもしれませんね。だから「金(理想)」で着飾ってるのかも?ちょっと想像が深すぎるか?
あと、床に描かれている花に16枚花弁のものがあるなと気づいたのでそれも触れておきます。
気になったのでちらっとAI君に「16枚の花弁を持つ花として描かれる事が多い花にはどんなのがあるかい?」と問うてみました。AI君曰く現実でどうかはさておきデザインとして抽象化されるものには、菊、アネモネ、マーガレット、デイジー、ハスが挙げられるそうです。調べてもらえればわかりますが形状も結構馴染みのあるものですね。アネモネやデイジーは今回のデザインに入ってそうに見えるけど実際はどうなのかな?こればっかりは分かりかねるので複数候補を持っておいて明確化された時にスポット当てるしかないっすねぇ。何かに使えるかもしれないのでメモ的に各花の主要な花言葉を載せておきますね。
それにしても柱から何から何まで花がびっしりなのは気になりますね。花=人物で大量の人物という発想は出てくるのですが、まだ描かれた花自体の意味からの隠れ意図とさらにその意図の先がありそうで悩ましいですね。花は難しいんじゃぁ…。うーん、緑の柱はこの前のライブの時の葉に覆われていくヒメヒナ像みたいに"時間"を表してるとかだったりするとか?どの角度の知識が必要なんだろう?
🎞️水上都市
ここも全体的に金色を用いていることから理想郷イメージじゃないかなとは思っています。だとすれば途中で出てきた崩壊した都市はどういう意味なんでしょうね。この理想郷の崩壊を意味しているのか、それともバーチャルも戦場となることを示唆しているのか。まあ、ハロホロで「今度の終末戦争は人類を冷凍保存して妄想郷でやるの」とか言ってるんで戦いそうですよねぇ。
なんとなく形状を見ていて思ったのですが、この建物の尖り具合はなんとなくヒトガタMVに出てきた都市を思い出しますね。細かく見れば全然違うものですがリアルではこうで仮想的にこう見えるように仕組まれているというSFストーリーというのもあってもおかしくはなさそうですね。
話を戻しまして、水上都市の後ろのでっかいふわふわイザナイちゃんはライブでも見た蓮セットのおてていっぱいのやつですね。当時は仏教関連として考察して、仏教目線でのハンドサインだったらかなり崩したものになっているということに気付き、そのことからかなり神を軽くカジュアルに扱っているのではと考察してました。
ほなヒンドゥー教ならどうなんやと。ヒンドゥー教におけるハンドサインはムドラーというそうで、生命エネルギーの流れを促進させて心の状態を整えるためのもののようです。5本の指それぞれに意味を持たせてその組み合わせや位置で複合的な意味を持たせているようです。今回は僕が正誤判断ができないのと意味を調べても今ひとつ分からなかったので深掘りはしないです。有識者頼んだ。
まあでもマザドラとの対比で考えれば仏教、ヒンドゥー教、キリスト教の要素がごちゃ混ぜかつイザナイで日本神話の要素も入ってきていることから、様々な神を融合させて新しい神を作ろうとしているという話はあってもおかしくなさそうですね。融合要素は提灯暗航で強く語られていますし。だからこそあの絵の具が混ざったような柄の衣装なのかもしれません。
また、神といえばMADAMSのことにも触れておきたいですね。ここまでの考察ではこの融合で作られるのは弱者の融合によって作られるものなので支配者層らしきMADAMSかと言われるとちょっと首を傾げるような印象ですよね。あるとしたらMADAMSからの支配を逃れるための転生みたいな感じですよね。ただ、気をつけなきゃいけないのは、ここには「狂い」があるといううことです。しかも使命感を持った「狂い」です。
逃げの意識からは「狂わなきゃ」というセリフは出てこないと思うので計画性や目的意識を感じざるを得ませんね。ぱっと思いつくのは次の3点です。
・心を読まれないようにするための狂い。
・まともな精神では何千年といった途方もない時間を耐えることができないから。
・神になるために複数の魂を融合するので発狂することが必至
1つ目は、この世界には心を読むという行為が蔓延している節を感じるのでそうした意味での精神支配を逃れるための防御的狂い。
2つ目は、神へと昇華した際に琥珀の時、悠久の時を過ごす必要がありまともな感覚では廃人となってしまうため、まだ生存や復活の余地のある種類の狂いを選択しようとしている。
3つ目は、この神化にあたって魂の融合があるという考察をしたというところからの着想です。崩壊都市のところでも触れましたが「ワタシとワタシがズレていく」という言葉も魂融合に伴う現象なんじゃないかなと思っています。
この切り口はまだまだ開拓が進んでいないところになるので今後の情報に期待ですね。
では、もう一種類のキーワードも見ておきましょう。
And if you gaze long enough into the crazy,
(そして、その狂気の世界を長く見つめるのであれば、)
the crazy will gaze back into you.
(その狂気はあなたを見つめ返すだろう。)
ドイツの哲学者フリードリヒ・ニーチェの有名な言葉「深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ」のオマージュっぽいですね。引用的に訳すなら「狂気をのぞく時、狂気もまたこちらをのぞいているのだ」という感じでしょうね。原文の意味解釈を眺めてみると、狂気を見ているとその狂気にあてられて自分を見失い自分も狂気に染まってしまうというような意味合いになるんですかね。この路線で考えるならこの狂気はMADAMSっぽい感じがしますね。そのMADAMSを見て敵意を持ち続けることで自分たちもMADAMSのようになってしまったとか?ミイラ取りがミイラになるみたいな話なのかな?でも目的意識をもって狂ってるど?誑かされたか?
まあここも狂気の理由をもう少し発掘してから取り掛かりたいところですね。まだまだ狂う理由は不透明ですからね。
ちょうどフリードリヒ・ニーチェが出てきたので触れておきますか。ニーチェの言葉は藍の華の歌詞にも出てきてましたよね。あっちでは「神は死んだ」という言葉が引用されていました。今回は神を作っているのにあちらでは死んでいるだなんてなんだかギミックを感じますねぇ。いよいよ錫杖の男が登場するときなのかもしれませんね。まあまあ今は浅くいきましょう。
📚まとめ
この物語における神創造の定義について少し核心に近づいてきたような感触ですね。次に欲しくなってくるのは戦争とロボットの関係性かなぁ。あとはこの神創造のシステムを支えている科学者の物語も欲しいですね。あー、砂系もそろそろ詳細がほしいな。いや、ほしいものありすぎ。
ここまで調べてて思ったのですがヒメヒナの物語は"神話的SF"という位置付けで見るとなんだかしっくりくる感じがします。根幹には科学がありつつも奇跡や神秘も物語の鍵を握ってる感じですね。エヴァに近い感触ですが、最終的にはもう少し神秘寄りに着地するのかなぁといった印象です。
さてさて、要素同士の関連性が見え始め、点と点が線で結ばれてきてこれからどのような図形になっていくのかと楽しみの方向性が変わってきてることを実感しています。Bubblinの考察を早くしたい!
ちなみに考察データベースの進捗は、フォーマットは完成していてあとは情報を入れていくフェーズに入っています。まあそれが鬼作業なのですが。年度内にお披露目できればいいなと思いつつBubblinインパクトはデカそうなのでゆるりとお待ちくださいな。
ほなほな、また次の考察で。
ごきげんよう!