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駐在に帯同してよかったことを3つあげてみた

約3年前。
夫との暮らしを優先し、「仕事から離れて夫の駐在に帯同する」と決めた。

当初は、自身の留学や仕事事由ではなく、また別の形で海外生活を送れることにワクワクもあったけど。

いざ赴任が間近に迫るにつれて、涙もろくなった。
「今まで築いてきたものがゼロになる」と大げさに捉え、本当に、泣いてばかりいた←


そんな私も今では駐妻生活2年が経過。想像以上に充実した日々を送れています。当時の自分に教えてあげたい。

今日は、駐在に帯同してよかったと思う点を挙げてみます。



①やってみたかったことに取り組むチャンス

もちろん、行く国・都市によって過ごし方が大きく変わることは否めないと前置きしたうえで。

仕事が多忙であった方ほど、余白時間が増えるのは事実です。

そんな時こそ、自由な発想でやりたかったことに取り組むチャンスです。

この期間をどう過ごすのか、まさに十人十色。正解などありません。自分の発想を生かして、いかようにもできるのです。こんなにもクリエイティブで、その人らしさが出る期間はなかなかないと思うのです。


無数の選択肢から何をやるか選んで決断するのは、勇気もいります。
時間があればやってみたかったことって、私の場合は無限にありましたし、「こんな過ごし方でいいんだろうか」と何度も不安に襲われました。自分の選択に納得できるまで、コーチングも受けました。

そのおかげか、休職前は「仕事の延長線上にあることをやらねば」と思っていた発想から自由になり、今は、心がワクワクする方向へ全振りしています。
こんな時期でなければ取り組めなかったことばかりであるので、それはそれで良かったかな、と思っています。

「帯同中に働く」という選択肢を取れる方は、まだまだ少数派かと思います。本当は取れたけど、(配偶者や自分の)職場にも迷惑がかかるのでなかなか言い出せなかった。いやその選択肢はありえなかった。日本でも専業主婦だったので働くつもりはなかったよ。育休中に来たよ。
色んなケースがあると思います。

もし不本意な形で帯同することになったとしても、心持ち次第で自ずと道はひらけてくる。そう思います。

働いたり、学んだり、作品づくりをしたり、旅をしたり、子育てしたり。今の時代、オンラインにも頼れるので、全く外出ができない国に赴任していたとしても、それでも選択肢はいくらか見つかるはず。

帯同期間はチャンスだと思って、創造性を最大限発揮しながら過ごしていきたいですね(そう自分にも言い聞かせてます)。


②ゼロイチの経験が積める

駐在地への帯同は、大半の人にとって、知り合いなし、コネなし、言語力なし。ゼロスタートだと思います。

そこから人と出会い、意気投合し、やってみたいことを形にしていく。これって正真正銘のゼロイチではなかろうか?起業家マインドのある方は、むしろワクワクするのでは?

組織を立ち上げたり、学びを生かして場づくりをしたり、podcast配信をしたり。本当に色んな方がいらっしゃいます。


「駐妻・駐夫コミュニティは怖い」という先入観も、来る前はあったのですが…。本当にこれってただの先入観です。一体誰が広めたんでしょう?

むしろ彼らとは置かれている立場が非常に近いです。休職か退職か、など、帯同するにあたり大きな岐路に立った方達がほとんどです。(国籍問わず)
そのため、分かり合える仲間に出会えます。一人ひとりが自分だけのストーリーを持っているので本当に面白い。

かつ、駐在だと福利厚生も似たり寄ったりなので、金銭感覚も近いんです(もちろん、各社違いはあって、そんな話も面白かったりします笑)。
そのため、一緒に何か活動するのもやりやすいです。もっとも中国の場合、駐在ファミリーコミュニティに頼らずとも、現地の方と活動することも可能ですが。治安などの面から、それができない国はたくさんあるので、そういうときに帯同ファミリーは心強い存在となるはずです。

こういう色んな葛藤や制限がありつつ来ている方たちの間には、意外とビジネスチャンスも転がっている気がします。色んなライフストーリーに触れておくことは、きっと今後の人生における糧にもなるはず。


③日本で働いていたらなかったであろう出会いがある

これは持論ですが、海外生活の質を高めるのは「人」であると思っています。

私自身、留学に行っても、駐在に行っても、ずっと色褪せずに強く残っているのは、学んだ内容や業務以上にその地で出会ってきた「人」であります。
これは色々な方と話して感じたことですが、決して的外れではないと思います。

どんな人と出会いたいか?で帯同期間中にやることを決めるのは、ある意味大正解と思っています。

私は大都市に赴任しているということもあるのだと思いますが、帯同している配偶者たちの仕事の多様さにも驚かされています。

金融、商社、メーカー、メディア、アナウンサー、エンジニア、CA、外交官、看護師、保育士、デザイナー、ダンサー、プロの演奏家、教師…(一部です)

決して駐妻・駐夫コミュニティを馬鹿にしてはいけません。私が出会ってきた方たちの多くは、努力してキャリアを積み上げてきた、ハイスペックな方ばかりです。

そんな方々でも、今は割り切って駐在生活を楽しもうという方、帰国後を見据えて活動されている方、本当に様々です。どう過ごすかは自分次第だし、いつどこで何が幸いするかはわからない。このことを知れただけでも、私にとっては大きな気づきでした。

今回は職業を例に出してしまいましたが、地元、年齢、家族、趣味…様々な切り口から人と繋がれる機会があります。
(そうなんです、80年会、92年会、みたいに同学年だけが集まるコミュニティがあるのは、中国だけかも知れません?驚きですよね。)

これほどの多様性は、日本でずっと同じ職場で働いているだけでは、きっとあり得なかったと思います。


キャリアの中断=GAME OVER、ではない

note上では、駐在帯同に関して、割と暗めな記事を目にするので、今回はあえて前向きな記事を書いてみました。

ただでさえ環境が変わることは、大きなストレスがかかります。加えて、家族帯同での悩みポイントには、「働きたいけど働けない」もあると思います。

働くか、働かないか。
選択肢はある方が良いに決まっています。
そして現状、帯同家族の多くは働けていないのも事実のはず。

でも、キャリアは一旦中断すると、もうGAME OVERなのでしょうか。
唐突ですが、「LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略」の著者、リンダ・グラットンさんはこう言っています。

これまでの人生設計は「20年学び、40年働き、20年休む」という「教育・仕事・老後」の3段階が一般的であったが、100歳まで生きることが一般化する社会では、年齢による区切りがなくなり、学び直しや転職、長期休暇の取得など人生の選択肢が多様化すると予想している。

すみません、wikipediaから拝借しますw


私自身、駐在に帯同することを報告した際、勿体無いだとか、キャリアが途切れないためのアドバイスとか、置かれている状況がわからない方ほど色々言ってきました。
はっきり言ってありがた迷惑です。それに、わたし1人が万が一キャリアを繋げたとして、そうできない配偶者たちが世の中にはごまんといるのです。この点には問題意識があります。

リンダさんがいうことは、今の転職市場にはまだまだ反映されていないかも知れません。でもゼロではないはず。今の私が言っても説得力はないですが…。世の中の流れが変わってきていることは間違いないと思います。

不必要に不安を煽る方の意見など、話半分でいいと思っています。それよりも、今できることに目を向けて生活していくことこそが、次のチャンスを作っていくと信じています。

環境が大きく変わってゼロから生活を整えている帯同ファミリーのことを、わたしは心から応援したいです。振り返ればきっと貴重な経験だった!と思える気がするので(もっとも過酷な環境にいる方もいらっしゃるとは思うのですが…)、今を大切に生きていきたいですね。


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