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95年オリコンTOP20 コード進行分析! 前編(20~11位)

こんにちは。
今回は良い企画を思いつきました。
その名も
95年オリコン TOP20 コード進行分析!
です。

はじめに

僕は普段「好きなコード進行を歌ってみる」シリーズという記事を書いてて、
主にちょっと変わったコード進行を紹介してるんですが、
よくよく考えると、王道あってこその邪道、
普通のコード進行ってなんぞやって話をしてなかったなと。

そう思うと、急に気になり出しました。

一番売れた曲のコード進行ってなんやろ、、
年代によって変わったりするんやろか、、
自分の好きなあの曲やあの曲のコード進行って、、

そうだ、年代ごとにオリコントップ20のコード進行を分類してみると面白いのでは?
一番人気のコード進行が見えてくるかもしれない!!

てな具合です。
これは我ながら楽しみです。今から各年代が楽しみで仕方ありません。

そして初回は95年にしました。
なぜかというと、遡ってったときにトップ20全部知ってるのがこの辺りまでだったからです。
92年くらいまで行けなくもなさそうでしたが、まあ気が向いたら更に遡ったりもするかもということで、、

さあさあ、今思いついた勢いで書いてるのでテンション上がって前置きが長くなってしまいましたが、
それでは20位から、いってみたいと思います!!

20位 H Jungle with t「GOING GOING HOME」

(key: Bb)
GOING GOING HOME …
| Bb | F | Gm | Eb |
消える夢…
| Bb | D | Gm | Eb F |

早速時代を感じる一曲、小室哲也 + 浜ちゃん のやつですね。
このコード進行はずばり、「Let It Be 進行」です。
キーBbですので、サビの頭は「I → V → VIm → IV」
という進行になります。

そして今決めましたが、この企画では、最初の4つのコードで分類していきたいと思います!それより多いと、さすがに曲によって結構変わってくるので、分類どころじゃなくなる気がします。

その名のごとく、ビートルズのLet It Beに使われている進行です。
まあなんというか、明るく、平和で、王道な感じがしますよね。

ちなみに「I → V → VIm」まではカノン進行と同じなので、
カノン進行の親戚的ポジションでもあります。
まあカノン進行と比べると、あくまでも明るく、やわらかいイメージがありますね。
カノン進行については後述(きっとすぐ登場するだろう)しますが、
カノン進行の方がこの進行よりちょっと泣きが入る感じです。

しかし小室哲也といえば小室進行だと思ってましたが、この曲は違いましたね。とはいえ、小室進行、間違いなくそのうち出てくると思うので期待です。


19位 シャ乱Q「ズルい女」

(key: C)
Bye-Bye ありがとう…
| F | G | Em | Am |
あんたちょっと…
| F | Em | Bm7-5 | E |

おー 早くも良い感じに分かれてくれました。
これは「王道進行」と呼ばれるやつで、JPOPに本当によく出てくるやつです。
「IV → V → IIIm → VIm」という進行になります。

この進行は、ほんと日本人好みというか、切なさとドラマチックさを兼ね備えた万能のコード進行って感じがします。
僕も大好きなコード進行の一つで、なんだかんだで、このコード進行が一番作曲しやすいです。

余談ですが、シャ乱Qは僕が物心ついて一番最初に好きになったアーティストです。保育園のころ紅白でつんくが床からぴょーんって飛び出てきた演出に興奮して、早く登園して誰かにしゃべりたい!!って思ってたことを未だに覚えてます。


18位 B'z「MOTEL」

(key: G)
汚れながら…
| C | D | Bm7 | Em |
罪に寄り添い…
| Am7 | D | G | B7 |

おー 来ました! 「ズルい女」に続いて連続「王道進行」です!
キーGの「IV → V → IIIm → VIm」ですね。

言われてみたら、雰囲気近い感じありますねえ。
この曲も僕大好きです。やっぱり王道進行は馴染みますなあ。

とはいえ後半(5つ目以降)のコード展開はズルい女とはちょっと違いますね。
「IIm7→V→ I→III7」なんですが、これはこれでよくある、サビ後半の王道って感じがします。
いやはや、つい書いてしまいましたが、後半まで語りだすと大変なので撤収。。。

王道といいつつ、この曲は拍子が6/8、サビの入りの拍がおもしろくて、B'z大先生の工夫がうかがえます。


17位 大黒魔季「ら・ら・ら」

(key: F)
ら・ら~…
| F | C | Dm | Bb |
今日も明日も…
| F | C | Bb F | C F |

おー これは再び「Let It Be 進行」です!
キーFの「I → V → VIm → IV」ですね。

なんと早くも、「王道進行」と「Let It Be 進行」のデッドヒート、
2対2になりました。

「GOING GOING HOME」と、「ら・ら・ら」、言われてみると確かに雰囲気近いです。
ここで一つ、「Let It Be 進行」の性質、
同じ進行の繰り返しがハマる!っていう特徴が見えてきますね。
「GOING GOING HOME」も「ら・ら・ら」も、
サビ後半のパターンも同じ雰囲気、Let It Be 進行を少し崩した感じになってます。
その「崩し方」に楽曲としての個性が出るといったところでしょうか。
非常に興味深いです!


16位 L⇔R「KNOCKIN' ON YOUR DOOR」

(key: F)
I'm Knockin' on your door…
| Bb | C | F C/E | Dm Dm/C |
暮れかけてく…
| Bb | C | Dm Dm/Db | Dm/C Bm7-5 |

なるほど、これはちょっと今までとは違うパターンですね。
ぱっと見、よくわかんないですが、
キーFの「IV → V → I (→ V/VII) → VIm (→ VIm/V)」ですかね。

IV→Vで始まるのですが、その後が「王道進行」とはちょっと違い、
「IV→V→I→VIm」という1つのパターンになってます。
「C/E」と「Dm/C」のところは経過音的にルートが下がってるだけで、大枠では「I → VIm」という進行になってますね。

また、この曲のサビはIV→V→○→○の進行を4回繰り返すんですが、
全部パターンが違うというなかなか面白いコード進行になってます。
↑には8小節までしか書いてませんが、
1回目:IV→Vからの、ルートを階段にしたI→VIm
2回目:IV→Vからの、VImクリシェ
3回目:IV→V→IIIm→VIm の王道進行!
4回目:IV→Vからの、ルートを階段にしたIV→V→I
って感じになってます。

分類が難しいところですが、やはりこの曲の肝は冒頭の部分だと思うので、
「IV→V→I→VIm」という括りにしたいと思います。
分類は「4516進行」とします!


15位 TRF「masquerade」

(key: Gb)
massquerade…
| Ebm  Ebm7/Db  B | Db  Gb |
火照る…
| Ebm  Ebm7/Db  B | Db  B Bbm7 |

待ってました!これぞ待望の「小室進行」です!
キーGbの「VIm → IV → V → I」です。

また、この曲のように、VImとIVの間に VIm/V を挟むことで、ルートが階段になり、うまくIVにつながります。これも含めて小室進行といっても良いくらい、定番の使い方てですね。

このいかにも90年代JPOPな、いかにも小室な、まさに一世を風靡したコード進行、改めて聴くと感慨深いですねえ。
もちろん今でも使われていて、切なげで勢いのある進行はボカロかとも相性良し、米津玄師も良く使ってるらしいです。(米津玄師に詳しくないのであれですが、言われてみるとそんなイメージありますねー。)


14位 B'z「love me, I love you」

(key: A)
love me…
| Bm7  E7 | AM7  DM7 | G#m7  C#7 | F#m  G#m  A |
I love you…
| DM7  E7 | C#m7  F#m7 | DM7  C#7 | D  E  F#m |

はやくもB'zは2曲目です!
これまた新しいパターンが来ました。
キーAの「IIm7 → V7 → IM7 → IVM7」
ですね。

これも割とあるっちゃあるコード進行だと思いますが、
呼び方は不明、「2514進行」とします!

IIm始まりで、4度上への進行(強進行)を繰り返してます。
とっても耳馴染が良いというか、自然な感じがしますね。
ただしこの曲では、7thが入りまくってるので、
どことなくテンション感もあって、切なさもありつつ、
ベタすぎない雰囲気が出てると思います!

そして、メロディーが同じ2回し目は、
普通に「王道進行」になってます!
なるほど、ということは、2514進行は、王道進行の親戚みたいな感じかもしれません、構成音似てますよね。
キャッチーで比較的普通に聞こえるこの曲ですが、同じメロディでコード進行だけ変えるテクニック!そんな秘密があったとはという感じです!
「王道進行」の曲思いついたけど、ベタすぎるなーと思ったら、「2514進行」を当ててみる、ってなかなか使えそうなテクニックじゃないですか?
いいこと知りましたね~。


13位 B'z「ねがい」

(key: A)
願いよかなえ…
| D  E | E F#m | × 4

またしてもB'z! いやー大人気ですね。
今回はめちゃシンプル「IV→V→V→VIm」の繰り返しです。
これは「4556進行」ですかね!(「456進行」と言っても良いと思います。)

定番の「IV→V」始まりで、そのまま更に1度上がったVImに進行します。
VImというと、並行調のトニックになるので、(CでいうAm)
マイナーな印象がキープされ、流れるようにコードチェンジする王道進行とかより、落ち着きつつも緊張感が保たれるような印象ですかね。

とはいえ、王道進行っぽさもかなりあって、
この曲も | D E | C#m F#m | と弾いたとて、違和感はそんなにないです。
ただ、C#mを挟むとメロディアスで流れるような雰囲気になりますが、C#mを挟まずE→F#mと行くことで、ルートが昇っていく高揚感とか、マイナー感とか、緊張感とかがプラスされるような感覚があります。
「王道進行」の曲思いついたけど、ちょっと緊張感が足りんなーと思ったら、「456進行」を当ててみる、ってなかなか使えそうなテクニックじゃないですか?
いいこと知りましたね~。

余談ですが、僕はB'z大好きで、B'zで一番好きな曲は何かと聞かれたら
この「ねがい」と答えます。おしゃれでカッコいい! 次点は「MOVE」です。


12位 Mr.Children 「【es】~Theme of es~」

(key: E)
何が起こっても…
| E  B/D# | C#m  C#m/B | F#m7  G#m7 | Am7  D7 |
よろこびに…
| E  B/D# | C#m  C#m/B | F#m7  G#m7  AM7 | Am7  D7 |

ここで来ましたミスチル!
キーEの「I → V/VII → VIm → VIm/V」という進行なんですが、
これは、、うーん、、一応、、「カノン進行」ですかね!

カノン進行といえば、お馴染、パッヘルベルのカノンの進行で、
「I → V → VIm → IIIm → IV → I → IV → V」
という進行です。
一番王道な進行といっても過言ではないかもしれないくらい、有名な奴です。
で、【es】~Theme of es~のコード進行と比べると、、
結構違うやん! という方もいらっしゃるかと思います。
が、実はめちゃ近いと、僕は思います。

まず、前半の「I → V → VIm → IIIm」と比べると、
4つ目のコードがちょっと違うんですが、、、
カノン進行のアレンジとして
「I → V/VII → VIm → IIIm/V」と、ルートを1音ずつ下げていくパターンがめちゃくちゃ良くあるんですよ。
で、この曲もルートが下がっていく動きが同じ!
4つ目のコードが若干違いますがどちらもトニック系ですし、
前半は「カノン進行」判定でよさそうです。

で後半ですが、「IIm → IIIm → IVm → bVII7」と「IV → I → IV → V」
と、わりと違います。
でも IImってサブドミナントの代理コードだし、
IIImもトニックの代理コードだし
IVmはほぼサブドミナントだし、
最後のbVII7だって、ドミナントの代理コード「VIIm7-5」のルートを半音下げただけ、つまり、bVII7もドミナントの代理コードと言えそうです!

まあ、あんまり代理コードの話を持ち出し過ぎると、この企画の趣旨がぶれてしまいそうですが、
今回の企画では最初の4つのコードで分類していく方針なんで、後半はまあ許して下さい。

というわけで「カノン進行」に一票入りました!
判定が長くなってしまいましたが、「カノン進行」はやはり、王道!
耳馴染よく、平和で壮大、美しいコード進行だと思います!
もっと早く出てくるかと思ってましたが、意外と遅かったですね。


11位 TRF「CRAZY GONNA CRAZY」

(key: G)
CRAZY GONNA CRAZY…
| G | D/F# | Em  C | G/D  D |

おっ、これはずばり!
I → V → VIm → IV → I/V  → V
なので、、
うーん
Let It Be 進行」なのか、
カノン進行」なのか、、
はたまた別の進行なのか、、

3小節目と、4小節目が結構動いてて、
なかなか判定が難しいところですが、
I → V → VIm まではいいとして、
その次 IV に行ってるので、レットイットビー進行
といいたいところです。
しかし、このIVはあくまで経過のコードっぽい感じで、
4小節目のコードしては、「ルートがV度」という方が重要そう、
IVの仲間 とは言えない気がします、、

となると、カノン進行かな?
この4小節目は、どっちかというと「IIIm/V」という
カノン進行(ルートが階段になってるパターン)で使われるコードの方が、親和性がありそうです。
とはいえ、カノン進行の割には雰囲気が明るい というか、、
I →Vのところにで、代わりにIIImを当ててもあんまりしっくりこない、、

ということで、これはもう別の進行ということにしましょう。
4小節目のコードは、響き的には「V」のコードと言えそうです。 なので、「1565進行」とします!


途中経過、、

ふう、という訳で、長ーくなってしまったので、
今回はここまでにしときます!

途中経過ですが、

20位 「GOING GOING HOME」 Let It Be進行(1564)
19位 「ズルい女」 王道進行(4536)
18位 「MOTEL」 王道進行(4536)
17位 「ら・ら・ら」 Let It Be進行(1564)
16位 「KNOCKIN' ON YOUR DOOR」 4516進行
15位 「masquerade」 小室進行(6451)
14位 「love me, I love you」 2514進行
13位 「ねがい」 4556進行
12位 「【es】~Theme of es ~」 カノン進行(1563)
11位 「CRAZY GONNA CRAZY」 1565進行

集計すると、、

1位 Let It Be進行王道進行 2曲
3位 その他!!

という結果になっています!
いやーばらけてます!早くも企画倒れの予感です!
最終的にはバランス見てもっと大雑把な括りにしちゃうかもしれません、、

とはいえ、やはり最初の2コードが、
「IV→ V」といくか、「I → V」といくか
その2つのパターンがやはり、王道であることがわかり、
その分類でいくと、4曲 vs 4曲になってます!

しかも残りの2曲、
小室進行の VIm 始まり、 2514進行の IIm 始まり なんですが、
VImはトニック(I)の代理コード、
IImはサブドミナント(IV)の代理コードなので、
頭のコードだけとったら(もはやコード「進行」分類じゃない)、
現状5対5のデッドヒートと言えるんじゃないでしょうか!!!???

いやー最終結果が気になりますね!

続いて後編(10~1位)はこちらです!お楽しみに!


(一応ランキング形式なので、目次は最後に)



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