固有覚と「やさしさ」
こんにちは、シェルハブ・メソッド しおがま
「文章担当」スタッフの太郎です。
シェルハブのお話でよく登場する体の感覚「固有覚」について、
そして関連して、「やさしさ」についてのエピソードをお届けします。
シェルハブメソッドでは「具体的に考える、具体的にやる」
ということを、とても大事にしているのですが
それがよく伝わるお話だな~と思っています。
●固有覚ってなに?
そもそも、固有覚ってなんだ?
あまり耳慣れない言葉かもしれませんが、
「視覚」「触覚」などと同じ、体の感覚のひとつです。
視覚や聴覚は主に「外の世界」を感じる感覚ですが
固有覚が担当しているのは
「自分の体は、今、どうなってるか?」
「どんなふうに動いているか?」
という、体の中の感覚。
筋肉や、関節、腱などにある神経が
「肘はここにある、指はここにある…」
「今、この筋肉が、これくらい動いた」
という感覚を伝えてくれるのです。
たとえば、手足をうごかすとき、
うーーんと伸びをするときや、ぐるぐる肩を回すとき、
「手足がうごいてるなー」「背中が伸びてるなー」
ってわかるのは、目で確認しているわけじゃないですね。
皮膚の感覚(触覚)だけでもないと思います。
でも、動いてると感じる。
その「動いてる感じ」を生んでいるのが、固有覚です。
体を自分で思ったように動かせるのは
「固有覚」がきちんと働いているからこそ、できることです。
●大人もホッとする「ぽんぽん・むぎゅう」
シェルハブ・メソッドでは、「タッチ」で
固有覚を刺激することを大切にしています。
このタッチがシェルハブのお話でよく登場する「ぽんぽん・むぎゅう」。
ぽんぽんと軽く触れると触覚が刺激されて、
ぎゅ~っと、筋肉や骨に届くように触ると「固有覚」が刺激されます。
固有覚を刺激すると、刺激された部分に意識が向いて
そこが動かしやすくなります。
なので、レッスンの前には全身ぽんぽんむぎゅう。
気になるところがあったら、ぽんぽんむぎゅう。
私もやってもらったことがありますが、
マッサージやストレッチとも違う、やわらかい感じ。
「あ、私の体、ここにあった~」
と思い出すような、ちょっとホッとする気持ち。
体幹や手足だけでなく、指の固有覚も大事。
固有覚がしっかり発達することで、細かいうごき、
繊細なうごきができるようになります。
足の指は、立つときにバランスを取るのに活躍します。
(よつんばいでは、手の固有覚も一緒にバランスを取っています)
大人も足指をしっかり触ってあげると、動きが楽になります。
「朝やるといいですよ!」(byみかさ)
●やさしい力加減は「発達する」もの
今回うかがった固有覚のお話の中で印象的だったのは、
レッスン中のお子さんが、みかさ家の猫さん
「ちゃちゃ」と遊んでいた時のエピソード。
初めはギューーッと抱っこして、ちゃちゃに嫌がられてしまったお子さん。
みかささんが「ぽんぽんしてね」と声をかけ、お子さんをぽんぽん、
お子さんがちゃちゃをぽんぽん、するようにしたら、
上手に力加減できるようになったとのこと。
以下、親御さん宛てのレッスン記録からの引用です。
(許可を頂いております。ありがとうございます~。)
「力の加減は、固有覚の発達とともに上手くなるものです。
初めから「優しく」はできないんです。
初めは、ギュッとしたりゴンとなったり。
はっきり固有覚が感じられる動きになります。
それが、細やかな刺激もやり分けられるようになると
「優しく」触ることができるようになります。
気持ちや性格ではなくて、固有覚の発達です。
ですので、歩けるようになった今でも、
ぽんぽんむぎゅうはたくさんやってあげてください。」
「固有覚」とぽんぽんむぎゅうのお話、
そして「やさしさ」は発達するもの、というお話でした。
シェルハブのベースになっている考え方の一部。
参考になったら嬉しいです。