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「インターバル」活動紹介:ホリファさんインタビュー

東京のshelfとジャカルタのLab Teater Ciputatの共同制作プロジェクト「交差/横断するテキスト:ミステリーとミスティカルのあいだで」は、三島由紀夫の「卒塔婆小町」と、インドネシアの作家ダナルトの「Rintrik」という作品を出発点に、私たちの身体や文化なども織り込みながら共同で作品を制作します。
2021年、コロナ禍の中のshelfとLab Teater Ciputatの作品制作は、ワークインプログレス「インターバル」として、主にオンラインで進められました。

今回は、「インターバル」で行われたプログラムから、東京とジャカルタの俳優が二人一組となって行った、

 1.お互いの質問に、動画で答えるインタビュー
 2.通訳を介さずに、メッセージの往復を重ねてスクリプトを創作する

を俳優たちが紹介します。


川渕優子です。私はホリファさん、アリさんの二人それぞれと一緒にインタビューとテキスト創作を行いました。今回は、ホリファさんとの制作を紹介します。

1.インタビュー

まずインタビュー。こちらの動画で、ホリファさんが、私からの3つの質問に答えてくれています。「日々の生活の中で、どんな時間が一番好きですか?」という質問への答えの中で、「ただ座って家の雰囲気を味わう」とホリファさんが言っていたのがとても印象的でした。
他には、演劇を始めたきっかけ、今一番行きたいところを聞いています。ぜひご覧になってみてください。

2.テキスト創作

テキストのやり取りが始まったのは、7月17日、東京オリンピックがはじまる直前でした。コロナ禍の中、今の自分たちが置かれている状況が見え隠れするやり取りとなったように思います。

Holifah:
Saat seperti ini, aku hanya ingin naik kereta. Yang membuat aku seolah tetap laju meski kematian menahan.
Di kaca jendela, Kita dapat melihat hari-hari berlalu. Sekedar melewatkan senyum sang kakek tua yang berjalan. Itu seperti bunga yang ditabur di atas pusara.

(こういう時。私はただ電車に乗りたくなる。死を抑えつけながらも、ずっと進み続けているような気にさせてくれる。
窓ガラスから、日々が通り過ぎていくのが見える。歩きながら微笑む老人を通り過ぎるようなもの。それは(=微笑み)墓の上に撒かれた花のよう。)

これが、最初に送られてきたテキストです。このころは確か、ジャカルタでは感染者が増加して外出に制限があった時期でした。東京も、オリンピックを前に感染者が急増し、4度目の緊急事態宣言下にありました。

Yuko:
向こうの方に人が集まって、上を見ている。
私も顔を上げてみたら、大きな顔が空に浮かんでいる。

(Di sebelah sana, orang-orang berkumpul lalu melihat ke atas.
Saya juga mengangkat wajah, dan melihat sebuah kepala besar mengambang di langit.)

文章には長短ありましたが、一日に一往復くらいのペースで、二週間行われました。タイトルはその後のミーティングで『行き先(Destination)』に。私たちのやりとりは、二人がまったく別々の場所にいて、それぞれにひとりごとのような言葉を紡いでいる、といった雰囲気のものになりました。