だるまストーブを囲んでビートルズな夜。鎌倉やど暮らし
みんなで歌って
月を見上げて
語らいあった宿の思い出
消防士をしていた頃、出勤前の音声配信ライブが習慣だった。
いつも話すのは将来の夢。
具体的なことでも、漠然としたイメージでも、1日を生きる士気をを上げるために思いっきり楽しいことを考えるようにしていた。
そんな朝ライブでこんな夢を語ったことがある。
「いつかさあ、、、、焚き火を囲んでみんなで歌いたいんだよね。1人は歌って1人は踊って、1人はギター、1人は太鼓、、、、みたいな笑 楽しそうよね笑」
あまり、引き寄せの法則を根っこから信じているわけではないが、口に出してみるものだなあ、、、と感じる。
私の願いが叶った夜のことを残していこうと思います。
ことの発端
当ゲストハウスのラウンジには、最近ギターが設置された。
忘年会のためだ。
スタッフの内数人が、年末に向けてこのギターを使って余興の練習に勤しんでいる。
手先が不器用な私も漏れなく対象者である。
ラウンジにギターを置いておくと、たまあ、、、に曲を弾いて聴かせてくれる方がいる。
その日きてた同世代の女性もそうだ。おもむろにギターを弾き始める。
これがかっこいい、、、、。かっこいいのだ、、、、。
高校生の頃に軽音楽部をモデルにしたアニメに憧れてギターを始めたんだとか。(同世代ならば伝わるはずっ)ギター歴7年。かっこいい、、、、。
せっかくなので私が忘年会で弾き語る予定の曲も教えてもらうことにしたんだが、これがなかなか難しい。
ひつじの不器用ハンドが、Fコードを抑えられずに苦戦しているとふと他のゲストさんがいう。
「みんなで何か歌いませんか?」
んんん???!!
なんだなんだ。いま何か楽しそうなことを言ったか?
普段じゃなかなかこんな展開にはならないが、ゲストハウスのラウンジで誰かがギターを鳴らすと魔法がかかるのだ。
let it be な夜
音楽、焚き火、、、の代わりにだるまストーブ。
ダンスはないけどみんなが一つの旋律にのせて体を揺らす。
平和やなあ。
願わくばこんな時間を一生味わっていたい。
これをきっかけにそれぞれ初対面だったゲストさん同士の壁が一気に無くなり、一緒つきを眺めたり、部屋を暗くして焚き火感ましましでお話ししてみたり、、、。
この日はとりわけ楽しかったなあ、、、。
コーチングでもなく、筋トレでもなく、私は最終的にこんな時間を過ごしたいのかなあ、、、、とふと感じる。(コーチングも筋トレも楽しんだけどね。)
次の朝
夜が明けた。
ギターをひいてくれた彼女は早くに出ていく予定があるとのことで早々に出発の準備をしていた。
別れ際に「今日は本当に来てよかった。」そう伝えてくれた。実は彼女はゲストハウスに泊まるのは始めたなのだそうな。鎌倉に用事があってたまたま予約してくれたんだとか。
私の体験と重なる。2年前、よく知らずにたまたま泊まった宿が私の人生を変えてくれた。
そんな人生の転機に立ち会いたくて私はゲストハウスに勤めているのだが、今回の体験は彼女の人生をどう動かすのだろうか。
また、その後の人生を歩んだ彼女と会えたらなあ、、、。
他のゲストさんも続々と宿を後にしていく。楽しい時間を過ごした日ほどこの時間が寂しい。
もしまた会えた時に、また一緒に歌を楽しめるように少しだけギターを触っておこうかな。