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20代で経験した7つの仕事|①消防士編
ライフコーチのひつじです。
この記事は「20代で経験した7つの仕事」シリーズの第二弾になります。
一つ前の「導入編」をお読みいただくと内容がわかりやすいかと思いますので、ぜひこちらも合わせてお読みください!
では、前回記事を通じてこのシリーズの趣旨をご理解いただいている体で書き進めてまいります。
では7つの仕事のうち1つ目、消防士について書いて参ります!
本編どうぞ!
①消防隊
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消防隊、、、。懐かしい!
ひつじはファーストキャリアを消防士としてスタートしました。
仕事内容は誰もがイメージしやすい”現場パート”と、あまり知られていない”生活パート”が両極端に存在します。
東京消防庁と地方の消防本部だと相違点がいくつかありそうですが、私は地元の中規模都市で消防士をしておりましたので、これが消防士全体の絶対評価位にはなり得ないことをご承知おきくださいませ。
ざっくり消防士時代に過ごしていたタイムスケジュールを書いてみます。
消防隊の1日
◯8:00 出勤
着替えて個人で使う道具の点検。
下っ端仕事の確認、引き継ぎ(お昼弁当の集金名簿の確認とか、食堂の片付けとか)
◯8:30 大交代、体操、車両の点検
朝礼みたいなもの。
車庫の前に出て、全直からの引き継ぎを全体で行う。
で、そのまま車両の点検などのルーティン業務がはじまる。
で、点検が終わり次第下っ端仕事が挟まる。
お昼のお弁当の注文とかね。
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◯9:30~17:00 訓練(or 公文書作成)
日中は訓練です。
内容はその日のメンバーや時期のイベントによってまちまち。
ラインナップはざっと以下の通り
・救助訓練
→実際に要救助者役の人形を塔の上に配置したりして、救助しに行く。はしごとか、クレーンとか、ロープとかで。
・消防訓練
→実際に家屋が燃えている想定で、ホースを伸ばして放水体制を迅速にとる。本当にためになるし楽しい。一番頑張ってやってた。
・資機材取り扱い訓練
ロープとかホース以外にも細々とした資機材がたくさん載っている。この取り扱い訓練。
・体力錬成
体力をつけるための絶望的な強度のトレーニング。これをみんなで乗り越えるのが楽しかった。腕立て伏せ100回とか。防火服と呼吸器をフル装備で階段ダッシュとか。1人じゃ無理だけど仲間とだと冗談抜きで乗り越えられるので不思議。
・救急隊活動訓練
消防隊も救急現場の支援に向かったりします。その訓練。
あと時々火災があったりすると、その報告書の作成業務が入ったりします。
17:00 自主トレ時間 or 晩御飯作り
消防士は災害時の炊き出しに備えて、自分達でご飯を作る文化があります。
当番制で食事作りをして、当番じゃない日は自主トレ。大体先輩と一緒に上記訓練のうちの何かしらをする。
21:30 寝る準備
仮眠室の布団を敷いたり、歯磨きしたり、お風呂に入ったり。
至って普通の寝支度。
22:00~翌6:30 電話番
上記時間帯は夜間勤務になります。
訓練は禁止で、何かしら本を開いて勉強する人がいたり、残っている事務作業をする人がいたり、お菓子を食べながら雑談に興じる人がいたり、、、、。
勤務時間には換算されていないので寝てもOKです。
で、この時間帯には当番制で一人当たり2時間ずつ電話番をすることになります。所によっては119番通報の窓口をすることになったり、市民のちょっとした窓口を担当したりします(大体は深夜にやっている病院の紹介業務でした)。
6:30 起床 残っている雑務の処理
そのまま消防署に泊まって朝を迎えます。
起きたらあと2時間で勤務終了。
車庫のシャッターを開けたり、残っている報告書の作成などでこの時間を過ごします。
8:30 大交代 勤務終了
24時間前にやった大交代で業務を引き継いで勤務終了です。
残業になることはほぼなし。みんなサックと帰ります。
残っても使えるデスクないですしね。
次の課が使っているので。
で、次の出勤は48時間後。丸2日お休みです。この繰り返し。
さて、消防隊の業務内容は以上です。
感の良い方は違和感が残るかもしれませんが、一旦このまま進めます。
その違和感はおそらく後ほど回収できるはず。
消防隊の働きやすさ評価に移ります。
各項目は以下の通りです!
◯総評:11点
【総評】
・人間関係 :2点
・収入と勤務時間 :4点
・好きな業務内容だったか:2点
・能力に合っていたか :1点
・志望動機に合っていたか:2点
↓↓↓
【合計11点】
25点中11点です!
それぞれ触れていきますね。
◯人間関係:2点
心苦しすぎる。2点、、、、。
今でも仲がいい先輩がいたり、同期がいたりするのだけど、、、、正直職場全体の人間関係を点数化するとこうなるのではないか?という点数です。
なんでか。
簡単に言うとパワハラです。
縦社会のパワーバランスがしばしば人間関係に悪さをする。ただ、、、、だからと言ってこの記事で言いたいのは「パワハラ反対!」などという表面的な話ではなくてもっと踏み込んだ話です。
****
消防署は縦社会できついとかパワハラが存在していてるとか、、、ここら辺は正直イメージ通りかと思います。
しかし、なぜこうなっているのか?と言う要因まで話を掘り下げると、多くの方は驚いた顔をされます。
パワハラを産む要因は二つです。
①閉鎖環境な職場特性。
②社会への貢献感が得ずらいこと。
この二つ。
これらの要因が重なって消防士は自己肯定感が低い方が多くなりやすいのではないかと思うのです。
その反動がパワハラをはじめとした人間関係のトラブルにでる。
【要因①|閉鎖的な職場環境】
まず閉鎖的職場環境について。これは単純です。いわゆる週休二日土日休みではない仕事なので、一般社会とは生活周期が合いづらいです。また一度出勤したら、出動に備えるために消防署から出ることはできません。ランチに近くにお店に、、、とかはNGです。
この特性から、何か業務内でストレス因子に晒された時に、そのストレス発散方法がパワハラになったりとか、休日の遊びに出たりとかいたします。
【要因②|社会への貢献感が得ずらいこと】
次に社会への貢献感が得ずらいことについて触れます。
私のnoteでは散々言っていることですが、消防士は「本当に社会の中で自分は必要なのか?」などと言う感覚に陥りやすいです。これは私自身もそうでしたし、先輩たち、、、、また私の隊長クラスの方も同じでしたね、、、。もちろん例外もたくさんいらっしゃいましたが。
消防士という絶対に社会に必要な仕事ながら、なんでこの感覚が欠如しやすいかって、出動がないのですよ。火災が発生しない。全然訓練が活かされない。
先に書いた1日の流れの中でも出動を鑑みた記載はしませんでした。もちろん、通報がいつ来るかわからないと言う、タイムスケジュールに落としづらいと言う理由もありますが、ほぼ来ないんですよ火災の通報って。
私が消防隊をしていた2年間で実際に「訓練が生きた!」と思えるような事案は2件だけです。年1ペース。残りはほとんど訓練を続けるのみです。
この職業上の特性から消防士の方が、自分の仕事に誇りを持てるようになるには、ある程度の適性が必要そうです。
やりがいベン図の話でも語りましたが、「やりがいのある仕事」や「生きがいのある人生」には「人に必要とされている実感:NEEDS」が必要なんです。
これが欠如してることが消防士の人間関係を2点とする要因です。
しかし、決して0点ではありません。
先輩たちと一緒に訓練する時間は意外に楽しかったし(きつかったけどね)、一緒にご飯を作るのも悪くない。
絶望的な訓練や災害に共に立ち向かい、同じ釜の飯を食べ、プライベートでも一緒に遊ぶような仲間はそうできない。これは単純に楽しかった。退職した今でも残っている素敵な繋がりである。
あ、、、、でも休日に海に誘われてナンパ大会が開催されるのだけは耐えられなかった、、、、笑
絶対に行きたくなかったし、全部断った。
それ以外は最高に楽しかった!
【まとめ】
・自己肯定感が得ずらい業務特性(出動が少ない)。
・ストレスを逃す場所やタイミングが職場内に存在しない。
・休日のストレス発散が合わなかった(ナンパは嫌だ)。
・でも一緒に訓練するのは楽しかった。
◯収入と勤務時間:4点
これはもうほぼ5点満点としてもいいのではないか?とか思ったりする。
だってそうでしょう。
・絶対に収入基盤として崩れることはない圧倒的安定感。
・一年目から400万程度の年収。
・年向上列で必ず収入は上がって600万程度には達する。
ええやん。
私が新人だった頃は、大体手取りが20万前後。ボーナスが年2回手取り40万ずつ。
そりゃ上を見れば上はいるけど、正直十分じゃないかな。
全然400万円なら将来のことも考えられる年収だろうし。
贅沢はできないけど。
で、この収入を稼ぐのに残業はほぼなし。
大交代が終わったら、業務を継続しようにも物理的に不可能だ。
自分のデスクは交代後の別の人が使っているし、車両ももう乗ることはできない。それならもう帰るしかない。
で、一度帰れば次の仕事は48時間後。
素晴らしいではないか。
ちょっと褒めすぎたので、マイナス面も書いておこうと思う。
残業はないと言ったが、22時以降の夜間時間帯に作業があればこれは実質的に残業になる。
また、一度帰ったら次の勤務は48時間後の圧倒的ワークライフバランスも見方を帰れば考えものだ。
普通は寝ている深夜帯にも業務が発生しうる消防士の仕事は平均寿命を著しく縮める。
まとまったデータを見つけることはできなかったが、消防士の寿命は一般のそれより20年短いと言われている。
実際に私が消防署にいた頃も「もうすぐ定年で好きなことやって暮らすんだ!」なんて退職を眼前にワクワクを隠しきれていない方がいた。しかしその方は定年直前に脳梗塞で自由に動けなくなってしまった。
消防士の圧倒的ワークライフバランスは若い頃の健康と寿命を削って生み出している側面がある。
また収入面においても副業禁止という大きい制約がある。
ここがクリアになれば、人間関係のところで挙げた「社会に貢献している感覚の欠如」ももう少し緩和するのかもしれないな、、、、なんて思う。
しかしそれでも、消防士としう仕事の魅力が消え失せるわけではないだろう。
だって絶対食いっぱぐれないもの。
夜間時間帯の残業があるにしても現代のブラック企業乱立時代の平均からみれば圧倒的にホワイトなはずだ。夜間の手当てだって相当出るし。
【まとめ】
・圧倒的安定
・十分な年収
・ワークライフバランス◎
・健康が維持しずらい
・寿命に影響あり?
・副業ができない
◯好きな業務内容だったか?:2点
これは完全に好みによりますよね。参考になるかわかりませんが書いて参りましょう。
業務内容、、、、好きだったのかなあ、、、。
そもそも私は救急隊になりたくて消防署に入ったのですよね。
大学時代に相当勉強したし、ずいぶん研究したから。
楽しかったよ救急の勉強。
でも初年度は全員消防隊スタート。
だから最初は「好きな業務内容だったか?」の面ではマイナスからのスタート。
でもここまでに何度か書いているようになんだかんだ楽しかった。
うーん、、、これは先輩の影響かなあ、、、。
一緒に訓練するの楽しかったのですよね、、、。
ちょっと人間関係上のバイアスが入っているようだから切り離して考えよう。
そもそも筋トレ好きだから、訓練はバッチこいって感じ。好きでした。
でも救急の仕事できない。悲しい。
新人だから雑用ばっかし。悲しい。
訓練してもしても出動しない。悲しい。
うーん。最初は4点にしてたけど、業務面だけ切り取ると2点かな。
2点!
【まとめ】
感覚的には楽しい仕事だった。
しかし、それは良くしてくれる同期や先輩によって
支えられていただけのようで、業務内容はいまいち?
◯能力にあっていたか?:1点
あっていないです!
あっていない!
救急救命士の資格をとって消防署に入ったのに、救急ができない!
悲しい!
20代の有り余る元気を訓練のみに消費している!悲しい!
お休みの48時間が長い!
もっと何かしたい!
もどかしい!!!
うがああーーーーーーーー!!!!
【まとめ】
能力も元気も有り余っていた。
◯志望動機とあっていたか?:2点
さて、ここが最重要項目です。
ここまでikigaiベン図の4つの柱の沿って消防隊の仕事を定量評価してきたけども、ぶっちゃけ4つの柱で全部5点満点になる仕事なんてない。っていうか全部が3点以上の仕事もあんまりないんじゃないか?感覚的にね。
大事なのは、自分がこの仕事に何を期待していて、実際に働いてみてからその期待している項目が外れていないか?の観点だと思う。
理想と現実のギャップの大きさを振り返ることが重要だと思うので、ぜひあなたも今の仕事を志望動機から振り返って見つめ直してみてほしい。
全部が完璧な仕事などない。
で、それでもなお私は消防隊の仕事に2点をつけました。
なぜか。
そりゃ期待をしすぎていたからさ。
そもそも私が救急隊や消防士になろうと思ったのは、心のどこかで「消防士になれば市民のヒーローになれるとおもった」からです。当時はそういう言語化はして言いませんでしたけどね。
ikigaiベン図でいうところの「NEED:必要とされること」の要素を求めに行ったのです。よく言う安定した給料とかもありきだけど。
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実際に働いてみたら、ヒーローとして見てくれている市民に出会うことはままある。お散歩中の保育園時とか、たまたま通りかかったおばあちゃんとか。
あとは職場体験の方達とかね。
でも、「これは、、、、社会の役に立ってるのか?」という自分自身への問いが治まってくれない。だから期待通りかと言われれば微妙ですね。
ただ、安定した給料やワークライフバランスは思った以上だったし、先輩たちと仲良くなれたのも想定外だった。
楽しかった。
でも結局この仕事は辞めてるからな。
2点!
【まとめ】
<人間関係>
先輩とは想定より仲良くなれたけど、自分で自分を肯定することは難しかった。市民のヒーロー感は期待よりも薄い。
<収入と勤務時間>
これは想定外。もっと残業とか人付き合いで拘束されると思っていた。
<好きな業務内容か?>
これは想定通り。最高に好きな業務内容じゃないけど、あらかじめわかっていた。
<能力にあっていたか?>
うーん。もっと出動があると思っていたなあ、、、。これは運要素ですね。
さて、お仕事一つ目の総評が終わりました。
評価は11点!
消防の世界におけるポジティブな事もネガティブな事も正直に書いたつもりです。
消防士をご検討されている方はぜひ参考にして頂けたら嬉しいです!
ではまた第二弾で!
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