シソンヌライブ[treize]を見た
今年も有り難いことに、福岡はキャナルシティ劇場で生で観劇することができました。
福岡2日目と3日目の夜の部で、2回。
本多劇場も好きだけど、キャナルシティ劇場もとても見やすくて素敵な劇場だったなぁ。
数年前に熊本に行く機会があったのだけど、福岡は空港だけしか寄れなかったのでほぼ初でした。
では早速、観劇したてほやほやの感想を書いていきます。
1本目
長谷川さんが板付きで、ライトがついた瞬間に至るところから笑い声が聞こえてきた。
分かる。佇んでいるだけで面白くなってしまうの。
ここは私のポリシー的な部分があるので適当に流してほしいのですが、幕開けでノーアクションなのに笑い声があがるとコントの邪魔になってしまうのではないか…と不安になるので、私は声を出して笑えない。
古沼さんの風貌は[huit]"知らない自分"の弘岡さんを彷彿とさせた。
衣装香盤を見たら、かつらが[藤岡さん風]だったので合っていたみたい。
答え合わせができてすっきりした。
とんかつ屋店員の古沼さんと、そのお客さんである岡本さんとのやり取りが展開されていく流れ。
ゆったりとしていて心地が良いなぁと思って観ていたら、時々不安になるような距離感でピリッとしたり、程良い緩急があった。
ファンと推しの関係性というか、古沼さんの中にあるファンとしての在り方が見えて面白かった。
60代の設定と聞いて、最近問題になっているような推しとの距離感とか、どこから情報を得ているのかな?と思ったのだけど、後の4本目のコントでSNSをやっていることが分かり納得した。
[PTPシート]というワードを何度も何度も聞くコントライブ、そうないだろうな…。
帰宅して自分が持っている薬を見てみたのだけど、確かにオレンジとかシルバーとか青で、キラキラしていて綺麗だった。
じろうさんからは、いつも自分ひとりじゃ考えつかないような感覚を共有してもらえる。
少し話は逸れるけど"甘いお酒でうがい"で、野菜を見た子供が「きれい。お寿司みたい。」と言う文章があって、あっお寿司って綺麗なんだ…確かに!と衝撃を受けたのがずっと忘れられない。
PTPシートで造られた金閣寺、とても綺麗だった。
あとね、岡本さんが携帯を忘れた日の話も気になるの。
一体何があったの…。
また日常の風景にシソンヌが入り込んでくる。
とんかつ屋、キャベツ、PTPシート。
見るたびに思い出すんだから。
2本目
このコントでいちばん気になったのは、じろうさんがどこからインスピレーションを受けてこのコントを作ったのか、だった。
他のコントとはかなり毛色が違ったから。
盛岡、天然の柔和な雰囲気がすごく好きだったな。
あまり社会に馴染めていないであろう田口に分け隔てなく優しかったり、でも田口の今後に必要なことを嫌味なくスッと言ったり。
ある意味まったく読めない人だった。
職に就いていない田口にプレゼンの添削をお願いできるのも、盛岡の天然からくるものなんだろうなと思った。
「結果出たら教えてな」と言うくらいだから、田口も嫌がっていないし、とてもバランスの良い関係性に見える。
人は死なないのに終始重々しい空気で、それがとても新鮮だったな。
田口が放つ陰の空気と、設定が終電前後の時間帯だったのがそうさせたのかも。
"気づき"って、気づいたことを認識するのがいちばん難しいと思う。
タオルをきっかけに自分に足りないものが何かを聞いて、最終的には「負けてらんねえ」まで言えるところまでいったの、すごいな…。
そして、前向きに終わるのかと思いきや、常温でリュックに入れておいた潰れたパンをお礼として渡す田口の"ズレ"で鳥肌立っちゃった。
胸にモヤッとした感情が残ったけど、田口が身なりを綺麗にして、社会復帰してくれることを願っている。
3本目
[onze]ぶりの野村くんだ。
今回は14歳で、中学生に戻っていた。
時系列がバラバラだけど、そこにあまり意味はないのだろうなぁと思う。オタク(私)はすぐに考察しがちだが。
じろうさん、野村くんを演じる時の目つきが他のキャラクターと全く違ってすごい、怖いくらい。
近くで見て改めて実感した。
目がず〜っと左右に振れているんだよね。
このコントの時だけは中学生にしか見えない。
憑依型だなぁ…。
野村くんシリーズは、素敵な大人とのやり取りが魅力的で心を掴まれるのだけど、今回も例に漏れず。
桧山さんは、関わる大人としては最年長。
テーマは、親子公演や中高生公演を意識したものだったのかな、と何となく思った。
クラスの女子が授業中におならをしてしまうって、割と遭遇率が高いシチュエーションなんじゃないかな。
そして私は世代なので、頭の中にオンナラブリーを思い浮かべていた。
女の子だって出るときゃ出るのよ。
失礼な話だけど、野村くんって人前でおならをしてはいけないとか、用を足したら手を洗うってことが常識として根付いている子だったんだ、と少しだけ驚いた。
でもそうだよね、中学生なら恥ずかしいよね。
桧山さんが小便器に立ったときに、「あ"〜」って言ってからおならをするところがめちゃめちゃ好きだった。
あまりにもおじさんすぎる。
野村くんの「学校のトイレが新しくなって皆が沸いているんだ。1つのことに沸いている群衆を見ると腹が立つ。」ってセリフには痺れたな〜!
分かる。
私は個人的にW杯とか、普段スポーツの話もしないような人が大勢で騒いでいるのを見るのが苦手なので…怖いもん。
野村くんはこのビルのトイレにしか潜入していないって言っていたけど、君そのうち駐車場に潜入して布団敷くよ。
懺悔を聞いているうちに、桧山さんにも情が湧いて「私の知っている子です」と庇ってくれるところも本当に良かったのだけど、さらに女性もおならするんだよってことを身を削って教えてくれようとしたことが最高で。
匂いで桧山さんだと分かってしまう野村くんも、野村くんだなぁ…。
💩漏らすのはもう読めていたけど、やっぱりシソンヌだよなぁ。大好き。
野村くんシリーズを続けてくれることが、本当に嬉しい。
また会えるといいな。
4本目
成田の風貌で笑いが起こった。
これは笑わせにきているな…と思ったので私も声を出して笑った。
モチーフは落合さん…?で良いんだよな…?と半信半疑で見ていたのだけど、こちらも衣装香盤を見たら合っていた。
まさか1本目の続きだとは…!
古沼さんが、世界的アーティストになっていた。
あの金閣寺が処女作だもんね、私見たよ!(さっき)
PTPアート。確かに海外ウケが良さそう。
とんかつ屋のカラクリについては、思わず本当にそうなのではないかと一瞬信じてしまうような説得力があった。
「ご飯やキャベツが何回でもおかわり無料なのはおかしい」、考えたことなかったけど言われてみれば確かにどういう儲け方…?と疑問が浮かぶ。
ヤ○ザ…。
成田が「不適切な発言がありましたが…」と言うから謝罪するものだと思ったら、「古沼さん個人の見解ということで」と逃げたのでめちゃくちゃに笑った。
2本目の話もそうだけど、こういうところに気づくことができる人間になりたいなぁ。
そして1回目の席では分からなかった龍が、2回目最前で観たときに、本当にPTPシートでできていたことに心底驚いた。
正直いちばん興奮したシーンだったかも。
端から端まで動いてくださったので、下手の私にもよ〜く見えた。ちゃんと薬の殻だ…。
一体どうやって作ったの…!?運ぶの大変そう!
いろんな考えが巡りに巡った。
小道具さんの技術力に圧倒された。
大道具さんだったらごめんなさい。
古沼さんのコミカルな動き、龍が花粉症なこと、もうとにかく笑いが止まらなかった。
🐲\セカンドキャリア〜!/
顔の筋肉が限界まで痛かった。
たぶんちょっと腹筋も割れた。
5本目
絹子、いいオンナすぎるだろ…。
[neuf]の妙子以来、久しぶりにグッときた。
[onze]の美和子や[douze]の千鶴様も好きだけどさ…!
じろうさんの演じる女性キャラで、いちばん好きまである。
これふせったーでも言ったのだけど、もし私が実際にあの授業を受けていたとしたら、間違いなく初恋の人は絹子になっていたと思う。
幕間の映像から、次のコントが学校の設定であることが分かり、野村くんを既にやっていたのでじろうさんは女教師か?女子生徒?大穴でワンモア野村くん?などと考えていたが、まさか流しの看護師とは…。
(お母さん先生は流石に過りませんでした)
流しの看護師、肩書きがかっこいいしあの茶目っ気たっぷりな仕草にメロメロだよ、私は。
串カツ田中で頭叩かれたいもんなぁ…。
自分らしく生きる人って本当に魅力的!
東先生が書いた短編小説から始まって、何だか壮大な恋物語を見せられているような気持ちになったよね。
「生徒使ってずるいよね」、それは本当にそう。
生徒の前で告白したり、自分の立場を変えるのではなくて絹子に留まってほしいことを伝えたり、そういう手段を使うところからも東先生の人柄が何となく分かった。
そして絹子はヒントを与えて御膳立てまでしてくれたのにもかかわらず、東先生は当初の予定から流れから何も変えなかったのだろうなぁ。
「みんな(生徒)のことを捨てて鳥取には行けない」って言っていたし。
絹子は対応がずっと大人だったよね。
想いあっていても一緒になれないこともある、でも別にそれで終わりじゃないし、数年後に再会しているかもしれない。
生徒には難しいかもしれないけど、とても有意義な授業だったと思うなぁ。
握手したときの「日米首脳会談🎶」も増えていた。
去り際の「本当に死んじゃうかもしれないから」も増量していたな。
絹子、ちゃんとスリッパを履いているのが細かいなと思った。グリーンのカーディガンも、少しルーズなデニムパンツもとても似合っていた。
スーパー保健体育の授業をしてほしいよ。
ごめん、メロメロすぎてほぼ絹子の話しかできなかった。
また"甘いお酒でうがい"の話をしちゃうけど、佳子さんや絹子みたいな、自分らしい生き方をしている姿を見ると、もしかしたら私にもこんな生き方があったのかもしれない、と可能性を感じさせられてしまうんだよな。
だから好き。私にはない部分を持っている絹子が。
フィクションであることは分かっていても、憧れてしまうんだよ。
最後の挨拶は、子供たちだけで夏休みに映画を観に行くことがあったよね〜(長谷川さんだけでじろうさんはない)って話と、博多どんたくや山笠があるからなのか、4本目が東京より盛り上がったという話でした。
2回目、捌けるときにじろうさんが客席に手を振っていたのが印象的だったな。
というか、そんなこともあるの!?と驚いた。
貴重な姿が見られたのも、福岡だからなのかなとも思ったり。
福岡、何食べても美味しくてびっくりした…!
北海道に住んでいると、よく同じこと言われて今まではよく分からなかったのだけど、こういうことか…と理解。
天ぷら、うどん、とんこつラーメン、明太子、もつ鍋…とにかく福岡グルメを満喫できた。
シソンヌライブをきっかけに、普段行かない場所に行けるのも嬉しいな。
来年は青森か静岡、どちらかに行きたいなと思っている。
青森、修学旅行で行くはずだったのが、震災で道内に変わってしまって行けなかったという思い出があり…。
じろうさんの故郷ということもあり、いつかは訪れてみたいと思っていた地でした。
いちばん近い県なのに、なかなか行く機会がない。
静岡もさわやかのハンバーグが食べたくて食べたくて…青森同様にずっと訪れたかった地なので、運良くチケットが取れたら観光したいな。
と言いつつ、本多劇場にも行きたいのだけど。
全体を通して、じろうさんの演じる役柄の陰と陽のギャップを強く感じたコントライブだったなと。
パンチの強いキャラクターに一切負けない、長谷川さんの演技力とツッコミにも脱帽。
観る度にシソンヌに惚れ直してしまう。
心からじろうさんと長谷川さんが大好き。
おふたりがコンビでいて、コントを続けて、毎年単独ライブを開催してくれることが本当に嬉しい。
千穐楽後の来年の告知に、どれだけ救われていることか。
重ための感情をぶつけられても困るとは思うのだけど、私のあらゆる頑張りの原動力になってくれている。
本当にありがとうございます。
p.s 来年発売であろう[treize]のDVD特典に、三上が加筆した"夏糸"があったらこの上なく嬉しいです。
ないだろうけど!