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東京夜光花を見た

良いライブを観た後には感想を書きたくなる。
一晩寝てなお冷めやらぬ興奮、これは好きな芸人さんの単独ライブを観たときと酷似している。

"東京夜光花"はやさしいズ・タイさんが脚本を手がけるコント7本、90分の一日限りのユニットコントライブである。

視聴期間が延長に伴い、公演映像が一部観られます。
一部とはいえ、良すぎるダイジェストです。これ。
是非ご覧ください。

各コントの感想を書いていきます。
たぶんそんなに長くならないと思う。

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【事件の現場で、起きている】

1本目からかなりパンチのあるネタだった。

前置きさせてほしいのだが、私はこのライブに出演されている芸人さんのネタを最近観始めたばかりなので、お門違いな感想があったら申し訳ない。
観たことないものは観たことないので許してほしい。

まさか浦井さんを女性役で起用するとは思わず、最初の数秒は演者のリストを頭の中で駆け巡らせ誰だ…!?となった。

高めの声で話し始めて、可愛い感じのキャラクターだなと把握。
なるほど、タイさんは浦井さんをこんな風に動かすことができるのか…。

それにしてももぐらくん、刑事がよく似合う。
空気階段の単独ライブ「anna」の"SD"が頭に浮かんだ。
他にも様々なコントで刑事役をやられているけど、あの恰幅の良さと謎に説得力のある話し方がぴったりだなと毎回思う。

かたまりくんが登場するなり、バッシバシ写真を撮る鑑識さん。
動きがしなやかで女性らしい。
普段からカメラで写真を撮るのだろうと思わせてくれるほどのカメラ使い。

ふたりはカップルだった。
それはもう、めちゃくちゃデレデレの。
傍から見ればまさしくバカップル。

バカップルって打っていて最近聞かないなと思ったけど、死語なのかな。

人が死んでいる現場なのに、対称的に"生"を感じた。
いいな〜こういう設定。すごく好きだ。
生と死を感じられるコントがドンピシャで好き。

例のキーホルダーが出てくる。
裏側のくま吉は、心が綺麗な私たちだけに見えているのかもしれない。

浮気疑惑が浮上した瞬間の鑑識さん、可愛かったなぁ。
表情豊かでコロコロ変わるのがとても愛おしい。
「彼女の好きなところ」を聞くたびに舞うところが最高。
喜怒哀楽がハッキリしている子って可愛い。

プレゼントがガラムマサラって少しずれているけど、10日記念日なら実はちょうど良いプレゼントなのかもしれない。
ガラムマサラにラッピングした店員さんの心境が知りたい。

殺人事件が起きた現場で性の営みをするクレイジーさが堪らないほど好き。
こう言ってはなんだけど、見ている分には性癖だな。
付き合って10日、盲目な時期かぁ…。
スパイスの分量間違えるとえらいことになるよ。

オチがめちゃくちゃ綺麗で自然と拍手が出るような、そんなコントだった。

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【優先順位】

和田くん、最初のセリフで笑いを掻っ攫って行ったのさすがすぎる。

ガラムマサラ味のカップラーメン…カレーとはまた違うのよね。

姪っ子と某テーマパークに行き彼女に浮気を疑われ、その某テーマパークで買った人形が喋り動き出し、強盗も侵入。

本当にツッコミどころが多すぎてどれから処理するのが正解か分からない。
くま吉、ちょっと可愛く見えるのが悔しい。

翻弄される和田くんと、三者三様にことを進めていくそれぞれの姿がとても面白かった。

関わる全員心が汚れていると知って、滲み出る哀愁を出す和田くんが好き。
和田くんのこの表情、どのコントで見ても最高。

姪っ子ちゃんの人を殺すことも生かすこともできる空手、肉体も含めて説得力あったなぁ。

カップラーメンができるあがるのを待つ3分間の日常の中に、突如現れるドラマのような非現実的な事象。
すべてが終わり、また日常に引き戻される。

やはりオチが綺麗だ。
ところどころ1本目との繋がりも見えて、同じ世界線であることを実感する。
タイさん、すげぇ。

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【あの日へのはじまり】

無名バンドなのに物販だけバカ売れして儲けているなんて設定、どうして思いつくのだろう。

Tokyo Night Flowersって、インディーズに実在しそうなバンド名で良い。
この世のどこかには、本当に物販だけで荒稼ぎするバンドがいるのかもしれないと考えてしまった。

もはやバンドではなくブランドとして成り立っている。
その中で一切物販に携わらず、音楽一筋でやってきたのは佐々木だけ。
なんだか切ない。

方向性の違いが顕著に表れている。
物販で稼いだことがバンドで稼いだことになるのか。
他のメンバーは「バンドで稼ぐ」なんだけど、佐々木はきっと「音楽で稼ぐ」なんだよな。

あまりにも様々な商品を売りすぎてドンホと呼ばれていたけれども、デザインがお洒落ならそれはドンホの上位互換なのでは…?

八木さんの「デザインだけ先行してWeb上に出しておけば在庫抱えるリスクもない」というセリフで真っ先にsuzuriが思い浮かんだのだけど、終演後本当にsuzuriにTNFのショップができてしまうとはね。

コントの世界から飛び出してきたようで、粋だなぁ…。
夢から醒めてもまだ東京夜光花の世界に触れられる。
すごい。

ライブシーンも良かった。
ちゃんと東京ドームだった。
煽りがアドリブだったとは驚きだけど、ライブってそうなんだよね。
佐々木は正しくライブをしていたのだと思う。

あ、さっきから佐々木だけ呼び捨てにしているのはあの人が"佐々木"というキャラクターだからです。
敬意がないわけではなく。

和田くんのドラムソロ、ちょっとクセになるね。
あのポーズちょっと可愛いもの。

なんか、バンドって良いなぁと昔を思い出してしまった。

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【とある実験の観察を命ずる】

タイさんがインスタライブで仰っていた「コードギアス観たほうが良い」はここだったのか。

私は中野くんと同じ状態。
コードギアスを観ていなくてもちゃんと楽しめるコントだった。
観たほうが良いと聞いていたのにも関わらず、1話も観ていない私にすら優しかった。
あれだけの被験者がいれば、視聴者もA〜Eのどれかに当てはまるだろう。

"season1を観て飽きた"岸さんがいるところがミソだと思う。
品揃え豊富すぎんか、ここもドンキホーテか?

あらすじだけはほんのり知っていたので、復習も兼ねて聞いていたけど面白そうだな。
この手のアニメプレゼン、めちゃくちゃ聞きたい。

あまりアニメを観て育ってこなかったので、今やっと少しずつ回収したりしているような感じなので。
それこそガンダム関連は特に、熱烈なプレゼンを聞きたい。

浦井さん、プレゼンがすごく上手だよね。
声もあるんだけど、話の進め方が上手くて聴きやすい。

結果だけど、一度挫折した人を呼び起こしたっていちばんすごいのでは…!?

面白い実験でした。これもコントなのよね。
こういうコントがあっても良いよね…。素敵。

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【苦労話は続く】

これ、すごかったなぁ…。
パッと思い浮かんだのは世にも奇妙な物語だった。
ありそう。

上司の「俺が若い頃は〜」から始まるような苦労話が、選択肢によってエンディングが変わっていくというまた面白い設定。

これなら上司の苦労話が苦じゃなくなるかもしれない。
終電に間に合えばの話だけど…。

青山くんと共に一喜一憂しながら観進めて行けて楽しかったな。
外したときの青山くんの「ま!じ!かぁぁぁ!!!!!」は渾身だったし、めちゃくちゃ分かる"まじか"だった。
そして課長の「お勘定しようか」を待っている私がいた。

作り話と本当の話、全然聞き分けがつかなかったの面白すぎるな。
グッドエンディングがバッドすぎるし。

最後佐々木さんも同じこと繰り返すの、世にも〜感が増していてゾクゾクした。
この人もプレイヤーだったじゃん…。
後輩ができるたびに引き継がれるシステムなの?
ループものほど怖いものはない。

それにしても冷奴のセーブ設定、どこからがアドリブだったんだろう。
冷奴の効能だけなのか、1回限りという部分なのか。
どちらにせよあまりにも違和感がなかったので驚いた。

私は幸い、同じ武勇伝を話すような人には出会ったことないけど、実際に出会ったらこのゲーム形式だったら良いなと思う。
終電で帰れるかどうかも、スリルという名のスパイスだよね。

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【僕らは×××】

このメンバー、坊主かこんなにいたのか…というのが最初の印象。
メンバーの名前と姿は把握しているけど、並んで初めて気がついた。

あの狭い空間にぎゅうぎゅうで犇めきあっている坊主清掃員たち、面白かったな。(語弊がある)

なぜ悪いことをすると頭を丸めなければならないのか、そして坊主=反省の印となってしまうのは何故なのか、今まであまり気にしたことがなかったのに疑問ができてしまった。

「頭を丸める」はもともと罰や辱めるためではなく(そりゃそうだ)、剃髪をして出家し本物のお坊さんになることを指すらしい。
ようは日本の文化。

考えたことなかったけど、好きで坊主にしている人たちに失礼すぎるな、この先入観。

怒鳴られながらも坊主が3人視界に入り、気遣うかたまりくんがいい子。
頼む、この坊主3人を救ってあげられるのは君だけなんだよ…。

絶対に人のことを気にしている場合ではない立場なのに、全部言い返すかたまりくん好きだな。

何も喋ることができずに只々坊主を貶される3人、本当に不憫すぎて悲しくなってしまった。
特に和田くんの表情を見ているとなんかもうダメ、泣けちゃう。

かたまりくんの禿ギレ、サイコゥサイコゥサイコゥ!だったな。
踊り場ライトリスナーなので、かたまりくんの薄毛治療の話を知っていたが故にめちゃくちゃ笑ってしまった。
ガチ感が出ていて良かった。

あまり坊主のことを考えたことがなかったけど、たぶん街で見かけたら何ミリなのか考えてしまうと思う。

少しだけ心が坊主とお近づきになれた気がします。
坊主はかっこいいよ!

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【最高の夜、最低の夜】

浦井さん演じるマスターの一言目、「東京ドーム…?」ですべてを把握して笑ってしまった。
劇場のウケ方も半端なかったよね。

伏線の回収の仕方が綺麗だなぁ…。
頭に持ってくるんだ。

物販で車を売るのはぶっ飛んでるし、買う奴もぶっ飛びすぎ。
不備が見つかって全額パァになって解散とは…。
本当に夢のような期間で、でも「一花咲かせた」がしっくりくる言葉なんだ。

「トーキョーナイトフラワーズの佐々木だぁ!」って興奮する中野青年、ぽいなぁ。
女性陣の中にTNFメンバーと同じ顔の奴がいるの、気になるけど…!

魂込めて作り上げた曲がイッキコールに使われてたら泣けるよな…………。
10年前の曲を若い世代の子が知ってくれていること、すごく嬉しかっただろうに。
最高の夜から最低の夜に急降下したのが伝わってきて、結構しんどい気持ちになった。

そして気持ちの整理がつかないうちに、マスターが一花咲かせた。

マスター、「ごちそうさまが聞こえない」のポーズがお茶目すぎて愛おしい。

若い世代のコールで流行っているのだとしたら、マスターが覚えていることに違和感はないし、きっとドラムソロの動きもお決まりなのだろう。

その「ホテル行こうぜぇ!」は慣れている。
絶対に慣れている。初めてではない。

浦井さんがマスターをやっているバー、そりゃ行きたいですよね。
でもふらっと何となく立ち寄ったバーにいてほしい。

マスターの開花で呆気にとられてしまうのだけど、最後の佐々木の表情が切ねぇのなんのって…。
哀愁たっぷりで沁みるな。

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あのラストがあってこそ、"東京夜光花"なのだなと思った。
もう、TNFの佐々木が主役じゃん。

なんだろう、このずっしりとしているけれども心地の良い感覚は。
すごいものを観てしまったのだと、改めて実感する。

実力派コント師を集結させた錚々たるメンバーで、これまた一日限りというところが儚くて美しいよね。

過去に2回やっているとのことですが、私は今回が初見でした。
いや〜、すごい。語彙が足らん。
たぶんもっと素敵に言い表せる言葉があるはずなんだ。

映像も曲も美しくて、1本の映画のようだった。
且つコントだからもちろん面白くて。

う〜ん、これ、本当に大勢の人に観せたくなるな。
私の胸だけに留めておくなんて、そんな勿体無いことできない。

タイさんは各演者さんを輝せるのが上手すぎる…。
特に浦井さんの動かし方。

私は最近追いかけ始めたばかりなので、観たことがないキャラクターやネタが山ほどある。
それでも間違いなく、普段やらないようなことを指示しているのだということは読み取れる。

鑑識の女性も、お茶目なマスターも、今まで観たことないけどものすごく良いキャラクターだった。
なんなら愛おしさを感じるほど、好きになってしまった。
浦井さんの新境地を見た気がする。
私が観ていないだけで、開拓済みかもしれないけど。

個性を活かすには、それぞれの良さを把握しなければならない。
11人分。
本当にすごいよ…。
各キャラクターも、この人のために作られたキャラクターであることがよく伝わってくる。

もっと上手く言葉にしたいけど、とにかくnoteに書き残しておかなければ…!と思うほどの作品でした。

何度でも観られる。
時間の許す限り観ていたいと思う。

視聴期間が延長になったことに感謝する。
まだ東京夜光花の世界に浸っていられるのだから。

きっと東京のどこかに、彼らは存在している。
またいつか会えますように。

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