10/19_執筆制限時間10分小説_【291 杉藤 俊雄(すぎとう としお)は××したい】続く
あぁ、言い返さないといけないのか。
大川くん、早瀬くん、園生くんは野球部に対して抗弁する。だけど、いつもよりも理性的に、感情を抑えている部分に、この場面がある種の正念場なんだというと事が僕にも分かった。
「お前もなんとか言えよ。お前ら寮生のせいで、俺たちの青春が台無しなんだよ! 次の大会に出られなくなったら、どうしてくれるんだ!……っああぁんっ!」
僕を掴み上げる野球部は、感情任せに僕の体をガクガク揺らして恫喝した。
コイツラナンデジブンタチノコトヲタナニアゲテイルノ?
「どうせお前らも、寮長と一緒に女子をヤッて、酒飲んで毎日のようにバカ騒ぎしているんだろう! 俺らが必死で練習をしている間、うざい親から離れて、金で女子を買って、酒飲んで、まったくの良い身分だよなぁっ!」
なるほど野球部にとって、僕たちの認識はこういうものなんだ。
だけど、そんな理由でなにをしてもいい――傍若無人に振舞っていいなんて。
「――ふざけんな」
投稿時間:9分50秒