【書き出し用】年単位で放置された18禁_二次創作の続きを書こう2_薄桜鬼_狂咲鬼哭_5
「俺は誰にも俺を幸せにしてもらおうとは一片も思わん。俺はすべて自分で自分のやるべきことを決めて、ずっと自分で道を切り開いてきた。西国の頭領である俺は、守る者であり与える側であるのだ。お前に幸せを施こしてもらうほど落ちぶれておらんし、俺の方がお前を幸せにするべきだと考える」
「なっ!」
内にある怒気を抑えて、千鶴を己の理屈で諭す風間は、熱い視線を鬼姫に注いだ。顎を持ち上げられたまま至近距離から風間の視線を受け止め、千鶴は思わず息を飲み「風間さんは、勝手です!」と、両手を伸ばして風間を距離を取り、尚も抵抗する意思を示す。
「私だって、誰かに幸せにしてもらいたくありません。新選組の皆さんだってそうです。勝手に、私の幸せを決めつけて、みんなみんないなくなって」
千鶴は言葉を詰まらせた。思えば、新選組についての気持ちを、こうして正直にぶつけたのは初めてだった。
耳の奥に木霊する原田の慟哭が、手紙に綴られた土方の想いが、自分の中で昇華されていなかったことに気づく。
沖田、藤堂、永倉、斎藤、山南……。
あまりにも身勝手に千鶴の人生を翻弄した美しく狂った男たち。
彼らの生きざまに憧れて、肩を並べて戦う夢はもう二度と叶わない。
「つづく」