【1305冊目】今年1冊目の本の購入は“さかなクン”の自叙伝「一魚一会」
早速、今年も電子書籍で本を購入してしまいました。さかなクンの自伝的な内容を含む「一魚一会」です。
なぜ、ここに来て急にさかなクンに興味をもったかというと、さかなクンは既存の職業にとらわれず、いわば“さかなクン”という新しい職業を作り出しているので、これから新しい職業が生まれてくると言われている世の中で、考え方や行動の仕方が参考になるのではと思い購入しました。
予想通り、とても面白い内容でした。
やはり、まずさかなクンの幼少期からの魚に対する圧倒的な熱中、没頭がありました。ここまでやるのかというくらい熱中する対象があるのもすごいなと思いますし、また親御さん、特にお母様がその熱中を止めないで時には見守って、時には口出ししないで失敗させて、さかなクンの活動に対して肯定する立場を常に取っていたことが印象的でした。
そんなさかなクンも順調に今の仕事にたどり着いたわけではなく、お魚に関わる仕事がしたいと思ってはいましたが、専門学校時代には水族館の実習でうまくいかなかったり、寿司屋でもどうしても上達しなかったり、はたまた熱帯魚のお店では仕事自体はうまくいったものの、輸送されてきた弱った熱帯魚を色々試行錯誤して元気に回復させても、その後売れていってお別れしていくサイクルにどうしても馴染めなかったようです。そんな中、寿司屋の大将から、寿司でうまくいかないから、寿司屋の壁面に魚の絵を描いてよという依頼があり、3ヶ月かけて完成させ、これが評判になり、徐々に仕事が広がっていったそうです。魚の絵を描くことは小さい頃から夢中で繰り返し毎日毎日やってきたことでした。子供の頃から得意なことが仕事になる瞬間だったように思います。
さかなクンはお魚に興味がありすぎて(また吹奏楽にもハマっていたこともあり)、吹奏楽の部活とお魚関連のフィールドワーク?で非常に日々を忙しく過ごしており、勉強は全くしていなかったそうです。実際に高校時代にひょうんなことから学校でカブトガニを飼育することになり、高校生ながらカブトガニの孵化を成功させるという快挙も成し遂げています。進路を決める頃には、子供の頃から眺めていた魚の図鑑の著者に、東京水産大学(現・東京海洋大学)の奥谷先生がよく出ていたことから、東京水産大学に憧れるようになります。しかし、上記のように勉強はしてこなかったため、小学生の卒業文集で東京水産大学で先生になり図鑑をつくりたいと書いたにも関わらず、大学進学は諦めることとなりました。しかし、なんとその後、大学進学という普通の進路を辿ってないにも関わらず、東京海洋大学の客員助教授になり(その後准教授、教授に)、卒業文集の夢を叶えてしまったのでした。
自分の興味にとことん向き合うことが、ものすごい引き寄せパワーとなったのでしょうか(笑)
上記のエピソード以外にもTVチャンピオンの出演の話や、魚屋でのバイトの苦労話などたくさんの興味深いエピソードが載っています。
その中で、ある同級生がいじめにあっていた際のエピソードが印象的でした。さかなクンは、このいじめにあっていた同級生を連れて一緒に魚釣りなどに行っていたそうですが、そのとき、家の水槽で飼っていたメジナが思い出されたそうです。何匹かで飼っている中、一匹のメジナがケガをしていたそうです。他のメジナから執拗に突っつかれていたからです。かわいそうに思い、その突つかれていたメジナは別の水槽に移したのですが、そうするとまた別のメジナがいじめられたそうです。それではと、いじめている側のメジナを別の水槽に移したところ、それでも別のいじめるメジナが現れたそうです。メジナは広い海の中では仲良く群れをつくっている、でも狭い水槽の中では、いじめがはじまってしまう。この狭い世界とは、学生時代の学校や、大人になっても会社などの空間が当てはまるのではないでしょうか。社会を運営する上では必要な場所だとしても、私たちはやはりもっと広い世界に目を向けることが大事なのではないでしょうか。
それはさかなクンのように、自分の興味から出発し、それに熱中すればするほど、学校や会社以外に自然と世界が広がっていくのではないでしょうか。
この本を読むと、自分(の興味)に本当に素直になることの大切さを学べる気がします。
また今年も早々に電子書籍を買ってはしまいましたが、本当にいい本でした👏
皆様も、もしご興味があればさかなクンの本、おすすめです🙌
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