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僕の人生は2年周期で"バグ"が起こる(1)

スマホでラインやゲームをやっている時に急に動かなくなったりホーム画面に戻ってしまうことがある。

これはアプリのプログラムにエラーがあるからであり、すべてのシステムを動かしているOSがアップデートされるなどの”変化”が頻繁にもたらされるスマホでは避けられない現象である。そしてこれをバグ(が起こる)と言う。

なぜBUG=虫がエラーの意なのかは知らないが、この言葉をよく聞くようになったのは中学の初めのころである。

当時、友人同士で少しおかしなことをする子を”キ〇ガイ”と呼ぶということがあった。これは決して悪い意味ではなくむしろこいつは面白いやつだというリスペクトの証である。かわいい女子の体操服を匂ったりその子の弁当の箸を匂ったり人のち〇こ引っ張ったり鬼ごっこして学校の備品壊したり...(あの頃は楽しかった😢)要は”おもしろ”おかしいことをしてみんなを笑わせられる最高のエンターテイナーへの称賛なのだ。

ただ子供の流行りとは長く続かないもので、意味は変わらないのだけれど、すぐに次の言葉が流行りだした。

それが”バグってる”である。

ここまで来てようやく本題に入るのだけれど、僕の人生で2年周期で起きる"バグ"はまさかの(?)恋愛である。

2017年9月、僕はメキシコにいて、一人の女の子と付き合い始める。好きな子は何度かできたものの、彼女というのは海外に行ってから初めてだったのでひどく興奮した。相手は外国人で、性格がよくて、博識で、話も合い、夢ややりたいことに対して真っ直ぐな人だった。そして何よりも非常に容姿端麗である。とにかくかわいいのだ。

これは確実にバグである。もし17年時点の自分の経歴や行い、魅力度を元に作ったそれ以降の人生のシナリオがあったなら俺に彼女はいない、またはもっとひどい感じの...。冗談抜きでこんな不釣り合いなカップルがあるものかと本気で思っていたしこんな子は二度と俺の人生には登場しないのだろうと思った。

当時はよく周りに自慢したものであったが、その子とも日本へ帰国後ほどなくして別れることになる。

元来友情関係などには涙腺がゆるい方ではあった。大阪の公立中学を出る際も、メキシコの日本人学校を出る際も大泣きした。あの心臓の底の方から寂しい感情が上がってきて首の上の方が熱くなってきて涙が止まらなくなる感じは今でもかなり堪える。

しかし恋愛関係で泣いたのはその子が初めてだった。おそらく初めて”ちゃんと”付き合ったからだと思う。(未練などではないが、古いアルバムを見返すように今でもたまにインスタを見に行く。)

好きな子で泣くのは友達と離れる時のそれとは少し違う気がする。まず心臓がキュッと締められる感覚から始まる。そして大きなため息をつき、その後唇に力が入る。すると頭部全体にいやな感じが漂い、少し涙をこぼす。稀に吐き気も催す。

別れてから24/7でずっと泣いているわけではないがこの波が来てしまったときは音楽でごまかそうとしたり、友達と電話したりしてみたが、結局一人になった時に考え込んでしまうので効果は薄めだった。これは本当にいい気分ではない。本当にに。

おそらく彼女と付き合えたのが奇跡過ぎた分、反動も大きかったんだろう。俺の人生のシナリオディレクターが修正にかかった。そう、バグは検知され修正されるのである。(デバッグ)


続き: "僕の人生は2年周期で"バグ"が起こる(2)" 

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