競技普及とAPSへの考え方

こんにちは。
ライフル射撃のコーチの小山です。
大学生や社会人のコーチをしたり、
射撃のジャケットを修理したり、
射撃場を運営したりしています。

今日は射撃の普及について
最近の僕の考えを書いてみます。

普及について

会員数の動向は
スポーツにとって重要です。
業界を盛り上げ、
強い選手もどんどん生まれます。
それに付随する業界の
雇用創出や活性化、
プロの価値の向上などにも
大きく関わっていきます。

会員数はこちらの記事でも
取り上げているように
なかなか参加ハードルが
高い競技なので普及への
道のりは非常に大変です。

国内の競技人口は他の
五輪競技と雲泥の差がある。

協会の資料によれば、
トップの陸上が2200万人で
2位の水泳が約1000万。
卓球、サッカー、
バドミントン、野球など
上位競技は愛好者の割合が高く、
日本陸連の競技登録者は
約42万人で全体のわずか1.9%。
一方のライフル射撃は
登録者と競技人口が
ほぼイコールで、
学生などを含めても競技人口は
約7500人程度、
登録率は95%に及ぶ。

登録者がいなくなると、
そのまま競技人口も
消滅してしまう。
(引用:産経新聞:
高齢化で競技消滅の危機?ダンディーなライフル射撃会長が打開策に期待する「光線銃」

兎にも角にも人口が
増えることが好ましいのですが
ここで他団体の
普及例を見てみます。


■男子新体操
今でこそ注目されてますが、
 ①中学生で総競技人口500人を目指す
 ②Jrチームを全国に作る
 ③Jrチームが中学生になった
  タイミングで爆発的に
  競技レベルが向上する
 ④ファンが増える
 ⑤チーム増える
 ⑥競技人口増える

といった長期のフローを経て
今の状態だそうです。
すごい地道な努力ですが
内村選手の登場以降、
白井選手などニュースに出る
スター選手が継続的に
顕れているあたり凄いですね。

■フェンシング
太田会長に交代してから、
観客動員数は年々増加しています。
電飾などを使って
最新のテクノロジーと
融合させて知名度を
全国レベルに引き上げました。

年少者の普及と育成、
テクノロジーとの融合に
ポイントがありそうです。

そう考えると僕の回りでも
普及事業にずっと力を入れている
岐阜県さんとか凄いですね。尊敬。
他の県でも普及の取り組みが増え
今後が楽しみです。

うちのスタッフも埼玉県の
育成事業のメンバーになりました。
のぐちゃん、頑張って。

JM射場も年少者の普及と育成には
是非活用して欲しいです。

テクノロジーの面でいえば
試合の生中継は当たり前ですが
しっかりとした動画製作なんかも
良いと思ってます。

うちは国の施設のように立派な
解析機や実況設備はないですが
後付けでかっこよく編集したり
解説入れたりなんて
いくらでもできるので。

普及の課題


①参入ハードルの高さ
日本で銃の所持をするのは
本当に大変です。
犯罪歴、精神疾患、
破産歴などもしっかり
調査されてしまいます。

まさに選ばれた者だけが
やれるスポーツです。
これは法律なので仕方がない。

②銃に対するイメージ
オリンピックの話題が出るたびに
「銃は悪である」、
「平和の祭典に兵器を...」なんて
アンチ射撃の動きが
強くなりますが、
言い分も理解できます。

個人的な考え方としては
銃自体には悪意も何もなく、
どういう目的で生まれても
平和的に使って競い合うので
むしろ競技者の精神性の高さが
よく現れている
素晴らしいスポーツだと思います。

実際のところ、
「怖い」「危ない」を
ぬぐうには日ごろの広報や
安全の徹底しかないです。

シンボルマークになるような
素敵な選手がSNSで
広報する事が最善策に思えます。

滋賀にある実業団様は
SNSに寛容で素晴らしいです。
いつも見て応援してます。

あとはアニメやアイドルより
youtuberの方が影響力あるので
市場の分析は必要ですね。

③費用
とても大きな問題です。
銃本体もさることながら、
装備品、消耗品でも
かなりの金額になります。

ヨットや乗馬のように
ステータススポーツの域に
達成すれば良いのですが、
スポーツとしては
中途半端な高額さですので
難しいところでもあります。

ポジションとしてはゴルフに
近いような部分もありますが
賞金大会がないですよね。
(スタッフ全員役員経験者なので
賞金付大会開けます。
スポンサー様を大募集中)

ちなみに装備品に関しては
現在メーカーとして動き出した
J-MAGIC (ぼく)は
今後、色んな取り組みをするので
楽しみにお待ち頂ければと思います。

ちなみにジャケットも
発表を控えてますが
インナーやニーロールも
デザインは終わってます。

エアソフトガンとのクロスオーバー

サバイバルゲームなど
ミリタリー色が強いイメージの
エアソフトガンの世界ですが
精密射撃の競技があります。

エアースポーツガン協会という
団体様が取り仕切っており、
沢山のクラブが生まれて
人口が増えているようです。

6mmの弾(いわゆるBB弾)を
使用する競技なのですが
所持・購入に関して
年齢要件のみで許可がいらない、
練習場所も公民館や
体育館を借りて出来る、
弾代、維持費が安いなど
海外の空気銃事情のような
環境となっています。

安全面に関して言えば
安全講習を受講、
指導員の配置なども
かなり細かく決まっており、
とてもしっかりとした
体制下で活動されています。

年少選手の発掘として
APSの活用は有用です。

光線銃よりもやはり
弾が出た方が面白いですし
体験会等でも
良い取り組みになると思います。
(ちなみにライフル種目もある)

現行ではビームライフルが
国体種目ですが
「BB弾が国体種目になるのか」と
取って代わるには問題もあります。

弾の形がペレット型でしたら
完全に射程圏なのですが。。笑

ちなみに射撃競技は
身体接触もないので体の
故障が起きることは
少ないといえますが、
その中でも、
無理な姿勢(セッティング)による
腰椎への負荷で
腰に問題を抱えてしまう事が
一番多いのではないか
と個人的に思っています。

ルール改定で緩和こそされましたが、
その原因がビームライフルの
スタンダードストックに無理に
体を合わせていた事も
大きな要因と思っています。
年少者の練習には
特に気を付けて欲しいです。

ちなみにAPSでは公認クラブもあり、
本競技の方にも
似たような大会もあるところで
銃を手放したけど、またやりたい
学連OBが集まって楽しめたら
(欲を言えばARを再所持してくれたら)
本当に面白いのになと思ってます。
しがらみも少なそうなところで笑

そんな感じです。

それでは皆さん、
また射場で会いましょー。

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