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半世紀ぶりのグリズリーは◯だった

まだ小学校に入りたての頃に父に連れられて洋画を観に行った。
グリズリーというハイイログマがキャンプの客を襲いまくるという今だとB級映画の類なのだろうけど子供心に闇がとても怖くなった。自宅の廊下ですら出るんじゃないかとビビってしまった。
それから数年経ち、ジャンプ漫画の流れ星銀河で赤カブトが敵役として現れた。最初は3メートル程度だったのが最後には10メートルになっていて犬が戦う相手じゃないなと思いつつも絶天狼抜刀牙の威力に酔いしれていた。クマの恐怖をある意味無色化してくれたのか20歳ごろには北海道の羅臼岳を登る機会を得た。
麓から山頂を越えて降りてみると登山者はラジオを付けたり鈴を鳴らしているのだった。
何でだろうなと思ったらヒグマ避けとの事だった。
無知ゆえに何の対策もせずに登り切ってしまった。
過去に戻れても羅臼岳は登らないと思う。
ヒグマの脅威は福岡大学ワンダーフォーゲル部の事故や三毛別ヒグマ事件を知ってから痛いほど知った。
人間が敵う相手じゃない。
毎年クマの事故を見るに付けて気の毒にという感情しか無い。
そうこうしているうちにYouTubeで幼き時の悪夢の映画グリズリーが見られると知り、怖い物見たさからチャレンジしてみた。
動物パニック物の定番通りの作りなのとグリズリー自体がちゃちいぬいぐるみの域を出ていないせいか、巨大クマという設定が全く生きていない。
リアルに言えば5メートル超えの巨大クマが徘徊するキャンプ地は人が寄り付かんだろう。
それまでどうやって大きくなったのかが謎に思えた。
映画アリゲーターの設定みたいに成長ホルモンのエサを食べ続けて大きくなったのではなく、突如現れたというのが不自然な設定だった。
ホラー映画にロジックを持ち込むのは野暮だが、半世紀ぶりのグリズリーは糞だったという感想。

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