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【展評】七菜乃「ジョージアにて」(2025.1.10-1.26|神保町画廊)
先日、『写真時代』の編集長だった末井昭に話を聞く機会があった。「カメラ雑誌に載らない写真、写真論にならない写真というのがある。写真から写真論を脱がし、写真を自由にしてあげたいという発想から『写真時代』を作った」という。荒木経惟や森山大道をはじめ、1980年代当時『写真時代』に掲載された写真は、今では写真史に残る名作となったものも多い。七菜乃の写真は、末井が言っていた「写真論にならない写真」なのではないか。とても自由な境地で写真を撮っていて、いつもハッとさせられる。
七菜乃はコロナ禍に女性の家でポートレート撮影した「おうちでヌード」を発表後、2024年初夏、ジョージアにて1ヶ月半滞在する。この時撮影した写真に手応えを感じたという。その後、再度滞在した際には宿も決めず、知り合いに紹介された場所やホテルを転々とした。現地でモデルを募集し、時には自分のセルフヌードも交えながら撮影した写真には、これまで見られなかった風景や静物も含まれ、湖畔での集団ヌードもある。
微睡むような柔らかな光をソフトフォーカスでとらえた独特の世界は、見た目の心地よさとともに、生への切実さや危うさを内包しているように感じられる。撮影したフィルムは現地で現像し、個展に合わせて制作した写真集『GEORGIA』も上出来だ。
レビュアー:村上仁一
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七菜乃写真展「ジョージアにて」
会期:2025年1月10日(金)〜1月26日(日)
会場:神保町画廊
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