ESL・EFL・ESOLってなに?
前回は、英語学習の目的をまとめました。
それを踏まえて、今回は、英語を学習する人の分類をまとめます。
英語学習においては、学習者の置かれている状況や、背景によって分類がなされています。
◆英語学習者の3つの分類
▼EFL(English as a Foreign Language)
EFLは英語を外国語として学習する人を指します。
EFL学習者は、旅行で英語を使用したり、外国人とのコニュニケーションを行ったりするために英語を学習します。
英語を話す機会が限られている環境ですので、必ずしも英語を学ばなくてはいけないというわけではありません。
また、特定の英語圏の文化や風習を学ぶ必要もありません。
▼ESL(English as a Second Language)
ESLは英語を第二言語として学習する人を指します。
英語を公用語とする国に住んでおり、日常生活で英語を使用することが求められます。そのため、EFLよりも実践的な英語運用能力が必要です。
また、アパートを借りたり、病院に行ったりしなくてはいけないため、その地域の文化や風習についても、理解することが求められます。
▼ESOL(English for Speakers of Other Languages)
ESOLは「他の言語を話す人のための英語)と訳されます。
これは、EFLとESLの境界が曖昧になってきた結果、その両方を包括する言葉として使われるようになってきました。
これまでEFLとESLは明確に区別されていましたが、インターネットの普及により、その境界が曖昧になりました。
例えば、日本に住んでいてもSNSやオンラインゲームなどで、日常的に英語を使う人(EFL)は、グローバルな英語圏に住んでいるとみなされるからです。
◆私達が目指すところは?
これまで、私達が「英語教育」として行ってきたものは、おそらくEFLに対するものです。
英語圏で生活することを想定していないからです。
さらに詳しくすると、ほとんどの英語学習者はテストのために英語を学習していますので、EFLのEAPということになります。
しかしながら、インターネットの発達により、日本の中学生であっても、英語に触れる機会は増えてきています。
実際に、「アメリカ人の友達がいる(オンライン上で)」という生徒が何人もいますし、「動画で見た」と言いながら、英語で暴言を吐く生徒もいます。
そういった観点から考えると、日本で生活し、実際の生活には英語は必要ないが、様々なツールの発達により、英語に触れる機会は増えてきていると考える事ができます。
すなわち、日本人にも「ESOL」が増えてきているということです。そして、学習目的も「GE」となる生徒が増えてくることも想定されます。
私達は、どうしても「テスト」に向けた学習として、英語の授業を実施することが多いですが、それでは不十分です。
インターネットの普及や多文化社会の到来により、「英語はもはや外国語ではない」という認識を持つことも必要なのではないかと思います。
「入試が変わらないと・・・」と思うこともありますが、まずは自分の認識を改めて考え直し、更に英語教育について理解を深めていきたいと思う学習でした。