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年アド3級 過去問解説 2021年10月 問‐35.36
こちらの記事は、試験団体である銀行業検定協会様のご了解のうえで、過去問題の著作権に触れない範囲での掲載をしております。
問題文は掲載しておりません。公式の「問題解説集」をご用意ください。
こんにちは! うっちーです。
こちらでは、年アド3級の技能・応用編の過去問について、図解もまじえながら話し言葉で解説していきます。用語等の厳密な正確さよりも、ざっくりとしたわかりやすさを重視しております。
あくまでも過去問の解説であり、次回の試験でも同じ論点の問題が出題されるとは限りませんのでご了承ください。
なお、ご購入後にも記事のレイアウトの見直しや内容の追記等の更新を行うことがございます。
2021年10月 問‐35
C夫さんが退職後受給する老齢厚生年金の報酬比例部分の年金額について、計算する問題です。
報酬比例部分の計算式は、ざっくり言うとこのような感じでしたね!
![](https://assets.st-note.com/img/1661006331065-FTZZ2MsS8d.png?width=1200)
ポイント
期間を総報酬制が実施された平成15年4月の前後の期間を、2つに分けて計算すること。
月末に退職した場合はその月までカウント、月の途中に退職した場合はその月の前月までカウント
本来水準ときたら新乗率を使うこと。
線表
この問題を解くときは線表を書いて整理するとよいです。
まずは、『入社』と『退職』。そして、その間に『H15』を書き加えます。平成15年は総報酬制が実施された年ですね。
![](https://assets.st-note.com/img/1661000735826-G14mgDMrsP.png?width=1200)
次に、それぞれの年月を入れていきます。
昭和で統一したほうがわかりやすいです。
退職は65歳の誕生日ですから、S54年+65=S96年
退職したのが12月3日と月の途中ですから、退職日の前月である11月までが被保険者期間に含まれます。
平成15年には63を足してS78年にします。
(これを『78.4』→『那覇市(ナハシ)』と覚えておいてもよいです。)
![](https://assets.st-note.com/img/1661005926003-zeQVQfJLjB.png?width=1200)
期間①と期間②の月数を計算します。
①(78×12+3)ー(54×12+4)+1=288ヵ月
②(96×12+11)ー(78×12+4)+1=224ヵ月
【月数の計算はこちらで解説しています!】
次に、報酬の平均について。
総報酬制実施後は賞与も含めて平均を計算しているため、名称に『月』がつきません。
①は平均標準報酬月額
⇒374,800円
②は平均標準報酬額
⇒447,500円
乗率については、事例をみると『(本来水準)』とあることから、使用するのは『新乗率』です。
①は7.125/1000
②は5.481/1000
ここまで材料がそろったら、式を組み立てます。
![](https://assets.st-note.com/img/1661088973612-eHMXp3WZHn.jpg?width=1200)
=1318505.04
1円未満を四捨五入すると
1,318,505円
正解は(2)
電卓の使い方
電卓で①と②の計算をやる場合、メモリ機能が便利です。
①を計算してM+
②を計算してM+
MR(RM)等
の順に押していくと、まとめて計算ができます。
2021年10月 問‐36
C夫さんが退職後受給する老齢厚生年金に加算される経過的加算の計算式について、正しいものを選ぶ問題です。
ポイント
定額部分の期間の上限は480ヵ月
老齢基礎年金の額の計算に使われる期間は20歳以上60歳未満の期間
経過的加算の計算式はこちらです☟
![](https://assets.st-note.com/img/1661077781246-5G8AkwnqVD.png?width=1200)
この問題は、計算をする前にすぐに消せる選択肢があります。
![](https://assets.st-note.com/img/1661077560790-AA72S1h2jS.jpg?width=1200)
式の『1628円×○ヵ月』の部分は『定額部分』を計算しています。
定額部分の期間の上限は480ヵ月であるため、それを超える月数が掛けてある(4)と(5)は誤りです。
![](https://assets.st-note.com/img/1661078068628-sNirQDeKXp.jpg?width=1200)
式の『780,900円×○/480の部分』は『老齢基礎年金』の計算式です。
通常の老齢基礎年金の計算とはちがい、『厚生年金保険の被保険者期間のうち20歳以上60歳未満の期間』のみによって計算します。
S31年生まれのC夫さんがW産業に入社したのはS54年なので、20歳の時点から厚生年金保険に加入しているわけではありません。ということは、『20歳以上60歳未満の厚生年金保険の被保険者期間』が40年間分の480ヵ月を満たすことはあり得ません。
480ヵ月/480ヵ月になっている(3)は誤りです。
![](https://assets.st-note.com/img/1661078758084-wgk5gXxrpo.jpg?width=1200)
これで、2択まで絞れました。
あとは、480ヵ月の分子が451ヵ月か452ヵ月かが判断できればOKですね!
この期間は『厚生年金保険の被保険者期間のうち20歳以上60歳未満の期間』です。
C夫さんが入社したのは20歳以降ですから、『入社した月~60歳に達する月の前月』までの月数を数えます。
線表
これも線表を書いて確認します。
S31年12月3日生まれのC夫さんが60歳に達するのはS91年12月2日。その前月はS91年11月
![](https://assets.st-note.com/img/1661086371284-BgC9THiRer.jpg?width=1200)
(91×12+11)ー(54×12+4)+1=452
452ヵ月/480ヵ月になっている(2)が正解ですね!
正解は(2)
まとめ
以上、問‐35.36の解説でした。
どちらの問題も、期間の月数をひと月でも数え間違えると誤りの選択肢を選びかねない問題です。線表を書いてしっかり確認しましょう!
経過的加算の問題は一見難しそうに感じますが、消去法で選択肢を一気に絞ることができますので、慣れると解きやすい問題ですよ!!
予備知識を再確認したい場合は、私のブログ『ねんきんわか~る』におすすみください☟
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