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森から学ぶ「あえて頑張らない」コミュニティの育て方

こんにちは。シェアビレッジ広報の鈴木です。

2月の初めに、シェアビレッジメンバーが、やまろくむらのコーセーさんとILA FarmersのDaikiさんとともに、静岡のアラハラスヤッホにお邪魔しました。

森の中でランチをいただきながらオーナーのtaishiさんを囲んでお話した内容をまとめてみました!

森の散策の様子は、YouTubeにて配信しています。
taishiさんの説明を聞きながら、森に癒されたい方は、ぜひそちらもご覧ください!

登場人物


アラハラスヤッホは、会員制で自然享受権を提供するコミュニティ。

自然享受権とは

自然享受権というのは、北欧で200年ほど前から浸透している考え方なんですけど(もっと前かも)、全ての人はその土地の所有者や土地自体に損害を与えない範囲において、自然を享受する権利を持っているとする考え方です。誰でも散策したり、キャンプしたり、ベリーを摘んだりできます。スウェーデンではその権利を使って、広範囲の森林をairbnbとして提供して話題になりました。

アラハラスヤッホ


耳を澄ますと自然の音しか聞こえない。 風に揺られる葉の音。川のせせらぎと鳥の鳴き声。

そんな場所で、コミュニティを営む上での自分のポジションを見つめ直してみる。


「あえて頑張らない」森の育て方


「植林ってほんとは効率よくないんですよ」

とおっしゃるtaishiさん。

ほかのところから持ってきて植えた木は、わざわざ肥料をあげてお世話しなければいけません。

一方で、勝手に生えてくる木々は、その場所に自生する力を持ったものばかり。日照さえあれば勝手に育っていきます。そしてその木々の周りには、木々の隙間から漏れる日光だけで育つ植物が自然と生えてくる。

というように、手入れしなくても勝手に森が育っていくのです。



アラハラスヤッホでは、人間が足を踏み入れるための最低限の手入れにとどめているそう。

「わざわざ頑張りたくないじゃないですか(笑)」

とtaishiさんはおっしゃいますが、実際、手入れをしない方が結果的に人間も過ごしやすくなるのだそうです。

例えば木を整えてしまうと、日の光が入りやすくなり、本来は生えなかった草が生えてきます。そうすると、人間は木の下で過ごせなくなるのです。

わざわざ木を整えなくても、10mくらいまで木が勝手に育ってくれれば人間は木陰で休むことができます。

ご自身で畑をされているDaikiさんも納得の様子でした。


あえて頑張らないことで、森に程よく木々を生やす。

そうして過ごしやすくなった森で自然を享受するのが、
「アラハラスヤッホ流 森の育て方」です。


土に混じっている水晶を探す参加者


周りに「あやかる」コミュニティ


アラハラスヤッホの、「あえて頑張らない」森の育て方は、シェアビレッジが作ってきたコミュニティの在り方とも通じる点がありそうです。

シェアビレッジ町村の家守として、茅葺き古民家の管理をしてきた半田は、

「なんでもできるようになろうと頑張ってきたけど、全部1人でできるようになった時、『あれ。ここってコミュニティつくる場所じゃなかったっけ。』って思ったんです。」

と言います。

全部できるようになったうえで人と一緒にできればいいとわかりつつも、わざわざ他所にコミュニティを開くモチベーションが無くなってくる。

ご近所さんからも「一人前になったな」と思われ、今までのように頻繁に世話を焼いてもらえることもなくなっていく。

というジレンマがあったそうです。


そんな中でたどり着いたのが、周りに「あやかる」コミュニティです。

自分で何もかもやるのではなく、まずは人を集めて輪を作る。
集まってきてくれた人に適度に依存したり甘えたりしながら、みんなでコミュニティをつくっていくことを重視するようになりました。


やまろくむらのコーセーさんは、定期的に周りの人たちにDIYを手伝ってもらっているそう。

DIY自体は普段も自分一人で時間を見つけてやっているため、手伝ってもらうことよりも、一緒の時間を共有し、DIYの進捗を見てもらうことに重きを置いているといいます。

「大人も子どもも、少しでもやった気になってくれればそれでいいんです。」

まさに、適度に甘えられる輪を作る、「あやかる」コミュニティのつくり方です。


話に盛り上がっていると、アラハラスヤッホのチームメンバーの方が、コーヒーを淹れてくれて、草餅を焼いて差し入れしてくれました


キャラを脱ぐ場所の重要性



「ボーっと何でもないことをしてくれる人が増えたらいいな。」

とつぶやくtaishiさん。

それに対してコーセーさんも、

「何もせず日にあたって、『あったかいな』ってやってられる場所があるって、大事なことですよね。」

とおっしゃいます。


一方で、意外にも、2人とも住むのは街の方がいいと口をそろえます。

自分の活動は大事にしつつも、そればかりの人になりたくないというtaishiさん。

「思想が強ければそれでもいいんでしょうけど、僕は今の活動を『キャラ化』したくないんです。」


五城目で地元の方たちとのつながりを大切にしてきた半田も、

「ローカルな店が好きだけど、たまにはスタバとか行きたいんですよね。店内に入れば自分の肩書とか関係なくなるあの空間が大事。」

といいます。

各々の活動を大事にする傍ら、そのキャラを脱げる、町での暮らしがあることで、生きやすくなっているそうです。


逆に言えば、普段都市部で生活している方々にとっては、山に入ることが自分の「キャラ」を脱ぐきっかけになるかもしれません。

同行したakaposも、

「他のコミュニティを体験してみるのもまさにあやかること。今回アラハラスヤッホにお邪魔したことが、新たなつながりや新たな発想を生むきっかけになりました。」

と言っています。

このつながりにあやかって、akaposは実際に、自身のラップ仲間とアラハラスヤッホの山でMV撮影をしたり、やまろくむらでラップ教室をしたりすることを企画しているそう。


あやかり始めたのはakaposだけではありません。

昨年末からシェアビレッジにジョインしている本田も、この後DaikiさんのILA Farmersの畑にお邪魔してきました。

輪を作ってその中の人たちにあやかることで、その輪がどんどん広がっていく。

まさに、「あえて頑張らない」コミュニティの育て方です。


あやかりながらコミュニティを育てていきたい方、ボーっとできる場所が欲しいと感じている方、キャラを脱げる場所を探している方、まずはアラハラスヤッホ、やまろくむら、ILA Farmersのコミュニティを覗いてみませんか?

散策の様子はYouTubeからご覧いただけます!

https://youtu.be/VWtEYFF_Bh4


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