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【村づくりのニュースクール#2】コミュニティオーナーとして、複数の「顔」を使い分ける

こんにちは!シェアビレッジ広報の鈴木です。

3月に入って季節は春になり、私が住んでいる秋田では雪が解けて地面が見える日が増えてきました。と思ったら急に氷点下まで冷え込んだり…。

そんな冬と春のはざま、3月1日に、第2回「村づくりのニュースクール」が開催されました!前回レポートを上げてくれた今田に続き、本日は私がその様子をお届けしていきます!


【テーマ】シェアビレッジ町村を解剖!

今回のゴールは「コミュニティづくりの本質を抽出する」ことでした。

秋田県五城目町の町村集落を舞台として始まった、「年貢を納めて村民になろう」をスローガンとするシェアビレッジ町村。

家守としてコミュニティを切り盛りしてきた半田さんが、自身の体験を踏まえ、「コミュニティづくりの本質を抽出する」きっかけを作ってくれました。

前回コミュニティづくりの「コツ」について考えた参加者の皆さんが、より本質に迫ることができる会になったと思います!

町村コミュニティの「春夏秋冬」

第2回の前半は、シェアビレッジ町村の歴史や、半田さんがどのように町村でコミュニティを築いてきたのかというお話から始まりました。

もともと、解体が決まっていた歴史ある古民家をどうにか修繕して残せないという思いで立ち上がったクラウドファンディングが始まりでした。秋田から県外、特に都市に移住した人たちや、都市で生まれ育って「田舎」を持っていない人たちが、集まって一つのコミュニティが出来上がったのです。

年貢を納めて村民になろう!とわかりやすく行動を促された感じがあって参加しやすかったと半田さんは振り返ります。

半田さんも村民として参加し、その後シェアビレッジ町村の家守に。
そして、「年貢を納めて村民になろう」を掲げていたシェアビレッジを解散し、現在の「村つくろう。」をキャッチフレーズとするプラットフォームを立ち上げるに至るまで、コミュニティを切り盛りしてきました。

そんな半田さんが自身のコミュニティづくりの歴史を語るうえで、ベースとなったのが澤さんのこの質問でした。

澤:「年貢を納めて村民になろう」のシェアビレッジ町村の歩みを、春夏秋冬で表すとしたら、半田さんはどこで区切りますか?

春:とにかく新しいことをやる芽吹きの季節

始まりから1-2年はどんどん新しいコンテンツを生み出していた時期だったそう。都市部を中心に寄合と呼ばれる村民の会を毎月開催し、賑わっていました。村づくりや地域活動に積極的に関わりたい村民が多く「助太刀」という言葉を生み出して、みんなでつくるコミュニティの雰囲気をより強めていきます。

夏:ペースが保てた安定の季節

そして3‐4年目。ペースがつかめてきてコミュニティも運営もスムーズに行えた時期だそうです。
活動が活発になる一方で、雰囲気が固まってきて、新しい人が入りにくい雰囲気にもなっていたかもしれないとのこと。
さらに、半田さんは自分より年齢層が高く、エリア外の関係人口の方が多いコミュニティで現場を切り盛りする難しさも感じていました。

秋:成長するために変化を求めた葛藤の季節

コミュニティの人数1000人、2000人…と増えていくごとに「年貢を納めて村民になろう」から始まった参加型コミュニティの熱量も落ち着きを見せ、メンバーが主体性を持って村づくりに関わってもらうことに難しさを感じていたそう。
「年貢」というワードどんな想いを込めて仕掛けをデザインしたのか、今その通りに出来ているのか、葛藤の日々だったそう。

今後の事業成長も考えていく中で、現在のプラットフォームとしてのシェアビレッジの形が見えてきたといいます。

晩秋:解散に踏み切った決断の季節

シェアビレッジは冬に入る前に解散したと半田さんは振り返っていました。

より良い形を目指して、当時のコミュニティを解散し、全国各地のコミュニティづくりの場としてのプラットフォームを立ち上げることが決定しました。

【Q&A】

半田さんからシェアビレッジ町村の今までについてお話を聞いた後、参加者の方から質問が投げかけられました。

「村民」と町村集落の人たちとの間で

シェアビレッジを利用している「村民」と、もともと町村集落に暮らしているご近所さんとの間で、半田さんはどのような動きをしていたのか。「村民」はよそ者に見られてしまうような気がするが実際はどうだったのか。

という質問に対して、半田さんは、

シェアビレッジの人としてではなく、「半田理人」という一人の住民として町村集落に受け入れられるように努めたと話してくれました。

住民票を古民家に移し、当たり前に地域活動に参加する。
飲み会も含めて、参加できる会合にはすべて参加する。
遠慮しすぎないけど、歴史や先人が作ってきたルールにはリスペクトし、配慮する。

そういったものを重ねて、半田さんはシェアビレッジと町村集落の間のクッションになっていました。

どんな予定よりも地域活動を優先し参加し貢献することで自分の覚悟を示してきた一方で、属人的すぎて、誰にも引き継げないものになってきていたことに、奥さんの妊娠、子育て準備に入って時間の使い方が変わっていく中で気づいたそう。誰でも自分に合った人との関わり方があるし、コミュニティ運営においては最初から手離れを良くする、しんどくない方法を考えていった方がいい、とおっしゃっていました。

複数の「顔」を使い分ける

「村民」とご近所さんののりしろとして、コミュニティを運営してきた半田さん。

双方に見せる顔は違ったりするのですか?という質問がありました。

半田さんの答えは「YES」。

町村集落の人たちにとって、古民家はいわば「古く不便な暮らしの象徴」。
どんどん古民家がなくなっていく中で、都会の若い人たちがシェアビレッジ 町村に通う理由を理解できなかったといいます。

そんな状況で半田さんは、複数の顔を使い分けていました。

シェアビレッジの利用者である「村民」に対しては、シェアビレッジの世界観に沿って言葉を選び、仲間意識を持ってもらえるように。
一方で、集落の人たちにはもっとわかりやすい言葉で、「都会からのお客さん」が宿泊体験をしているという伝え方をする。

このようにして間を取り持っていたのです。

参加して感じたこと

今回の最終目標であった「コミュニティづくりの本質を抽出する」。

最後に投げかけられた「コミュニティづくりの本質」とは何か、という問いに対して、私は「距離感の調整」と答えました。

シェアビレッジ町村の場合、もともと集落に根付いていた、そこに暮らす人々が心地よいと感じる距離感と、外からやってくる人たちの距離感を調整するのが家守である半田さんがしていたことなのかなと感じます。

1からコミュニティをつくっていく場合、「このコミュニティではこの距離感を保ちましょう」というルールは、文字であらわされることは少ないまでも、コミュニティをつくる人が決め、調整していくものなのではないでしょうか?

ここに参加者の皆さんがチャットに書き出してくださった、各々の思う「コミュニティづくりの本質」を澤さんがまとめてくださいました。

イベントを主催したキュレーター澤さん・半田さんの感想

澤: 第二回もおもしろかったです!シェアビレッジ町村の歩みを、ぼくを含めた参加者の皆さんの実践や経験を持ち寄りながらひもとき、具体と抽象を行き来しながら「コミュニティづくりの本質」を抽出していくプロセスはとてもエキサイティングでした。今回はオンラインですが、いつかリアルでも開校しようと決めました!笑

半田: ありがとうございました!ようやくエンジンがかかってきたあたりで1時間半が経ってしまいました。シェアビレッジ町村づくりの教訓と反省、もしここから5年、まだ村づくりができたとしたら仕掛けたかったコミュニケーションデザイン、コンテンツ、言語化できてないものがたくさんあります。ぜひお酒ありの番外編を企画しましょう!笑


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