【語ってみた#5】「シェアビレッジは祝祭を推進するプラットフォームだと思っています。」
明けましておめでとうございます!キュレーターの清田周子です。
澤さんの「語ってみた」シリーズですが、キュレーターが一周したので今回は澤さんに語っていただきました。
ただただ清田の気になるところを突っ込んでいったところ、こんなところで澤さんのお墓に彫る言葉が決まってしまいました。
清田:前回はお話を聞いていただきありがとうございました。やっと澤さんの番ですね。
いろいろお聞きしたいことはありますが、前回私が残した宿題(?)であるコミュニティについてお伺いしたいです。
澤:実は、僕の出発点は「コミュニティなんかいらねぇ」だったんですよね。20代頃までは一匹狼で、人がやらないような難しいことをひとりでやってやろうと思っていました。
清田:今の澤さんからは想像がつかないですね。そこからどういう転換があったんですか?
澤:つくりたいものと、つくるプロセスが矛盾していたんですよね。いろんな国や世代を超えてわいわいやっている状況をつくりたいのに、ひとりでがんばっていて虚しくなったんです。プロセスを変えないと、つくりたいものには一生たどりつけないなと思いました。
黒澤明監督の『夢』という映画はご存知ですか?当時好きだった映画で、その中に『水車のある村』というショートフィルムがあるんです。村の人が亡くなったときに村全体でお葬式をやるシーンがめちゃくちゃ良いんですよ。
お葬式って悲しいものですけど、その映画ではみんな歌い踊りながら葬式行進をするロングショットが出てきます。それを見たときに「自分もこうやって死にたいな」と思ったんです。
毎日を祝祭的に生きていれば死んだときに「あいつはこうやって生きたからこうやって葬式をしよう」と言ってもらえるかなと。
ディズニーランドのキャッチコピーに「まいにちが、祝祭だ。」というのがあるんですけど、ディズニーランドに行かなくたって、そもそも毎日が祝祭じゃんという。それを体現していきたいなって。
清田:祝祭ですか。なかなか日常的には使わない言葉ですね。
澤:だれかと一緒にいて笑いあったり喜びあったり悲しみあったり、そういう感覚です。ディズニーランドのキャッチコピーは後から知ったんですが、自分の中に祝祭という言葉がぽんっと出てきたんですよね。毎日が祝いごとであり、祭りごとであり、喜びごとだって。
清田:祝祭は他者がいないと成立しないのでしょうか?
澤:祝祭は「日々を祝いごとのように生きよう」というひとつのあり方なので、ひとりでも成立するといえば成立するんだけど、人間じゃなくても鳥の声であったり、音楽であったり、双方向性は出てくる感じはしますね。
むすっとしているよりは笑顔でいる方が会話が朗らかになるので、「このミーティングも祝いごとだよね」と思って入るか、「めんどくさいな」と思って入るかで違うじゃないですか。このメンバーで集まれるのも一期一会だし、祝いごとじゃんという感覚。誕生日だけが祝いごとというよりは、毎日が祝いごとで、誕生日はその中のひとつというか。
清田:清田家では誕生日とかなにかのお祝いじゃなくても、家族で集まって食事をするときはなぜか「おめでとうございます!」と言って乾杯をしてました。これも祝祭ってこと...?
澤:そうそう、そんな感じ!集まれるだけでおめでとう。
清田:おめでたい関係性の集合体がコミュニティってことなんですかね。
澤:「めでたいね」と感じ合う人たちが集まったら結果的にコミュニティになっていったという感じかもしれないですね。デレク・シヴァーズの"How to Start a Movement"を思い出しました。
今までこんなに祝祭について掘り下げたことがなかったから嬉しいな。今日は祝祭ですね!
清田:めでたい!私も嬉しいです。
少し話が戻りますが、死を意識したからこそ、こういうふうに生きようと思ったんですか?
澤:「こう死にたいな、じゃあこう生きたいな」が表裏としてつながった感じなんですよね。いつ死ぬか分からないから、毎日そうであればいつ死んだとしてもそうやってもらえるかもしれないという。
自分が死ぬときに「あのとき見た映画のワンシーンのように祝祭的に生きてきた」と思えたらいいなと思っています。墓石に「祝祭的に生きた人」と書いてもらえたら嬉しい。
シェアビレッジは祝祭を推進するプラットフォームだと思っています。ひとつひとつのコミュニティが祝祭的であって欲しいし、コミュニティの集合体も祝祭的であると素敵だな。僕の中では「村つくろう」というのは、「祝祭しよう」というのとイコールになっています。
清田:なるほど。これは余韻の残るテーマですね。またお話したいです。
今日はありがとうございました!
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