Vol.5「コミュニティプラットフォームをつかってみて - コミュニティオーナー編」
こんにちは。当社が提供するコミュニティプラットフォームShare Village(以下、コミュニティプラットフォーム)は、2024年末にクローズすることになりました。
そこで、コミュニティプラットフォームのこれまでの歩みと、コミュニティプラットフォームを閉じることによって今後当社がどのような展開をしていくのかの軌跡を、『コミュニティプラットフォームの閉じ方』として連載してまいります。
前回の記事はこちらから。
今回は『コミュニティプラットフォームの閉じ方【コミュニティオーナー編】』ということで、プラットフォームを長らく愛用して頂いたぬまつー*のコミュニティオーナー しまやんさんをお呼びして、使ってみた感想をざっくばらんにお話して頂きました。
*ぬまつーとは静岡県沼津市の魅力をおもしろがって発信する超どローカル地域情報サイトです。沼津に特化した開店・閉店情報やグルメ、ニュース、沼津ツウにはたまらない雑談ネタなどを毎日モリモリとお届けしています。
akapos: 早速ですが、ぬまつーはなんでShare Villageを使ってくださったんでしたっけ?
しまやん:元々プラットフォームという言葉すら知らなかったけど、専用の決済やアプリ、架空の村という世界観が面白そうだなと思って始めてみました。Share Village代表のうっしーさんと話した時に、資本主義的な金儲けではない、あったら良いものをみんなで維持していく共有資源"コモンズ"の話がかっこよく聞こえて、共感しました。
akapos: いろんなコミュニティオーナーの方がランディングページを作るのが大変だったとお話しされますが、ぬまつーはランディングページを作ってみてどうでしたか?
しまやん:最初はShare Villageのメンバーでもあった周ちゃんが頑張って書いてくれたけど、結構堅い説明になっていて、ぬまつーってむしろ「緩くて面白い、でも真面目で熱いところもある」みたいな、皆が面白がって村に入ってくれるようなページにしよう!ってことで二人で考えて完成しました。
周ちゃんは俺の顔色を伺いつつ大変だったかもしれないけど(笑)、周ちゃんもぬまつーのメンバーだったからこそみんなの想いもちゃんと分かっていたから、そこまで時間もかからなかったですね。
完成したぬまつーのランディングページはこちらから↓
akapos: コミュニティとして初めてお金をもらう関係性ができたと思いますが、当時を振り返るとどうでしたか?
しまやん:純広告だけに頼らない、読者参加型の会費制サロン的なものが元々必要だなと思っていて、Share Villageに出会って初めてその1つのやり方が分かりました。
正直、もっとメンバーを増やすこともできたと思うけど、ぬまつーっぽく参加して欲しいですという発信をする時間が作れなかったです。村民は合計約40人いて、その中でも活発にやり取りしているのは10人くらい。残りの方は顔も見たことないけど、僕たちを応援してくれていて、嬉しかった。
10,000円・3,000円・500円のプランがあって、飲み屋のお姉さんが「ぬまつー知ってるよ!」って言ってすぐ3,000円のプランに入ってくれたこともありました。大体の方は500円のプランで、飲み会や月に1回の井戸端会議に参加してくれました。
イベントを手伝いに来てくれる人もいて、そういう村民さんにはもう「俺がぬまつーを支えてるんだ」って自信を持って言いふらしてください、と伝えてましたね(笑)。
akapos:どんな人がぬまつーのことを応援してくれていたんですか?
しまやん:Share Villageで応援してくれる村民さんは意外と遠いところに住んでいて、「大阪にいます」とか「沼津出身だけど東京に住んでます」という人がけっこう多かった。
入村してくれた村民さんは、1つは沼津がラブライブっていうアニメの聖地なので、そもそも沼津を応援してくれている方。
もう1つは沼津つーしんが「毎日なんか必死に更新しているぞ、なんだこいつらは」ってなって、頑張れよと応援してくれる方。
東京で沼津つーしん飲み会を開いた女子大学生もいて、こういう記事があったら良いって提案してくれて、全く知らないところでそういう動きもあって面白かったですね。だけど、フォローしきれなくて、最終的に記事にできなくて申し訳なかったです。やっぱり、打ち合わせなどはリアルに対面してやるのが僕たちには合っていたのかなと、勉強になりました。
村民料を払ってくれているので、ちょっとめんどくさいことを言ってくるお客さん感覚みたいな方が出ると思ったが、そういう人はいなかったです。むしろ、沼津つーしんを応援してくれて、街を一緒に楽しもうとしてくれる人が多かった気がします。
半田:自分が現場をやっていた時もそうですけど、辞めていった人もお客さんとしてではなく、コミュニティにこういう感じで関わりたいっていう理想があって、それがボタンのかけ違いで合わずに結果的に離れていく選択をした人だったような気がします。
akapos: アプリの機能にコミュニティのオリジナルコインを発行できる機能がありましたが、そのコインって使われましたか?
しまやん:いや、全く(笑)
でも、300コインで1本好きな記事を一緒に書ける仕組みにしていて、村民のノブさんって方がコインが貯まったからしまやんと記事を書きたいと言ってくれました。
ノブさんは地域の広報委員をやっていて、その広報誌に沼津つーしんとコラボした記事をノブさんが書いて、ぬまつーでは僕がぬまつーっぽい記事を書く、という企画でした。ノブさんがいる「地区のおすすめお散歩コース」をご紹介するという企画を実施して、冊子が配られたその地区の人達は大盛り上がりだったそうです。
実際の記事はこちらから↓
akapos:コインの方も一応動きはあったんですね。他にも何かアプリを使ってみて良かったことなどはありますか?
しまやん:20代のバーで働いてる女性とか、女子大生とか、60代の先輩とか、サッカー部出身のイケイケの先輩とか、ラブライバーの方とか、普段だったらなかなか交わらないであろう人たちがぬまつー村民として飲み会をしてて。そのうち会費とか別に関係なくなって、新しく出た沼津のクラフトビール持ってきたり、それぞれが沼津のお店の紹介したい食べたいものを持ち寄るようになってきたりして、活動自体を結構楽しみにしてくれてる人達もいます。
人が集まるきっかけをつくったのは俺たちかもしれないけど、その場のやり方を教えてもらったのはShare Villageでした。シェアビレッジを通さずにぬまつー記事での告知だけで開催することもできたとは思うが、Share Villageという壁が1つあって、アプリを通してのやり取りを一度見てくれた結果、「これなら対面で会っても良いかも」って思ってもらえていたような気がします。
半田:PRすれば人は増やせたかもしれないですけど、ある程度閉じられている場だから安心して参加できた人も間違いなくいますね。飯を食う仕事とはまた別でやってる分、各コミュニティで納得できる規模の大きさっていうのは違うんだろうなって思いました。
しまやん:あんまり村民さんに対してありがとうございますって言わないようにしてました。一緒に作ってるって思ってもらいたかったので。リアルな井戸端会議の場に来てくれた人には、願わくばライターになってもらいたいって伝えてました。
akapos: しまやんには、静岡の他のコミュニティに遊びにいくイベントにも参加してもらいました。他のコミュニティやコミュニティオーナーと触れ合ってみてどうでしたか?
しまやん:コミュニティオーナーは、会社でも学校でもないコミュニティって作るのは難しいけどなんか大事だよね、っていう感覚を持つ人なんだと思います。過去にコミュニティの経験があった人がきっとオーナーになってるんだろうし、だからみんな優しくて、色んな人がいて色々あって良いよねって思ってる人がオーナーになっている気がする。多様性とかよく分かんないけどそういうのって大事だよね、って思ってる人達が関わっているんだろうなと。
「何もしらない人からしたら、謎の身内の集まりで気持ち悪い」と思われてるかもしれないけど(笑)でもプラットフォームに他のコミュニティの存在もあったからこそ、村民さん達には何かに挑戦しようとしているぬまつーやShare Villageの姿勢が伝わって、得体の知れないプラットフォームに登録して一緒にチャレンジしてくれた気がします。
半田:交流も一緒にできるような独自アプリは他にもほとんどないので、フラットに入ってこれる世界観でできるのは本当に珍しかったです。
終わりに
今回は「コミュニティプラットフォームを使ってみて」というテーマで、ぬまつーのコミュニティオーナーしまやんの視点でShare Villageのコミュニティプラットフォームを振り返ってもらいました。
コミュニティの大事さ、コモンズがあることの大切さをぬまつーらしい視点で語っていただいて、ぬまつーの持つ温度がよくわかりましたね。
ランディングページを通してぬまつーの魅力を知り、村民(メンバー)になって、普段だったら出会わないような人たちがリアルなイベントを通して仲良くなっている。
主客の関係性ではなく、村民がイベントを積極的に手伝ってくれたり、ぬまつーの記事を企画してくれたり、ゆるやかに活動の輪とコミュニティの熱量が大きくなってきた様子がとても素敵でした。
インタビューにお答えいただいた、ぬまつーオーナーのしまやんさん、ありがとうございました!
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
次回は「学び場とコミュニティプラットフォーム」というテーマです。
次もお楽しみに。