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茅葺き古民家、家守日記1年目 Vo.2 ~茅葺き古民家ってそもそも何だっけ?~
こんにちは!築142年の茅葺き古民家、シェアビレッジ町村の家守をしている本田です。家守日記第2回目、今回は、そもそも茅葺き古民家ってどんな家なの?というところについて、紐解いていきたいと思います。
そもそも茅葺き屋根って?
茅葺き古民家と聞くと、世界遺産に登録されている岐阜県の白川郷や富山県の五箇山を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?
茅葺きは歴史が古く、日本でも竪穴式住居の時代から使われてきました。
世界最古の屋根葺き材とも言われているようです。
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茅葺きの材料はススキやヨシなどのイネ科の多年草。身近に手に入ることから、古くから数多くの建物で扱われてきました。屋根は永久的なものではなく、定期的に吹き替えが必要で、直す頻度は茅葺きの種類によって変わります。2、30年もつものもありますが、シェアビレッジ町村では、差し茅というメンテナンス方法を導入しており、10年に一度同じところが張り替えられるように、(できるだけ)毎年少しずつ屋根の張り替え作業をしています。
差し茅とは: 屋根を全部取り替えるのではなく、傷んだ部分の茅を取り除いて、新たな茅で補修する方法。シェアビレッジでは屋根の上半分を取り除き、上から新しい茅を差しています。長くこの方法を用いているため、一番下の層は半世紀以上前のものではないかと言われています。
とはいえ、年々葺き替えのための費用は高騰しており、毎年補修するのはなかなか厳しいといったところです。シェアビレッジ町村も、コロナ前と後で茅の材料費が3倍にも跳ね上がっています。
茅葺き古民家の昔と今
世界最古と呼ばれるくらい、親しまれてきた方法なのに、なぜこんなにも維持が大変になっているのか。
昔は、茅葺き古民家はこんなにもお金のかかる建物ではなかったのです。
今でこそ珍しい茅葺き古民家ですが、昔は多くの家の屋根は茅葺きでできていました。シェアビレッジ町村のある町村集落も、今はたった一つの茅葺き古民家ですが、以前はどの家も茅葺きだったと聞きます。
多くの家が茅葺き屋根だったので、補修作業は集落のみんなで行うものでした。昔は集落に一人は専門的な技術を持ち、作業を仕切る人がいたとも言われています。
秋にその辺に生え広がっている茅葺きの材料をみんなで採り、春まで乾燥させる。春になれば、集落のみんなでそれぞれの家を順番に周り(今週補修するのはここ家、来週補修するのはあの家...のように)、みんなで屋根を葺き替えていたのです。
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ですが、今では葺き替えには職人さんが不可欠です。その職人さんは現在は日本全国に200人程しかいません。茅も昔よりも生える量がグッと減ったので、業者から購入するのが一般的です。
茅葺き古民家は一度取り壊してしまうと、なかなか改めて建てることはできません。現在は燃えやすいとの理由により、建築基準法で市街地などで新築の茅葺き屋根の建物を作ることは禁止されています。
それに加えて、維持もとても大変なので、年々茅葺き古民家は減っていく。
茅葺き古民家が減れば、自ずと茅葺き材を販売する業者も減り、職人さんも減っていく。
この悪循環で、どんどん維持がより困難になっていくのです。
それでも、茅葺き古民家を残したい
それでも残したい。今まで代々とある一家が受け継がれてきたこの古民家。
シェアビレッジ株式会社は10年前に、「もうこの家を手入れし続けることができない」と取り壊す決断をしていたご夫婦から受け継ぎました。
それ以来、この古民家は本当に多くの方に支えられています。
屋根の葺き替えの時期には、県内外から多くのお助け隊の方が来てくれます。また、宿泊施設としての稼働や、見学に来た方からいただく茅葺き募金を、維持費として活用し、今も現役で稼働させることができています。
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茅葺き古民家には茅葺きならではの良さもたくさんあります。
遮熱効果があり、夏はエアコンがなくても涼しかったり、(土間に天井がない場合) 屋内で釜戸や焚き火、バーベキューができたり。
家にいるのに、自然の中にいるような感覚になります。
のびのびと過ごすには本当に最適の場所です。
みんなが自然と集まる場所。
みんなの心が解ける場所。
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そんな温かい空間です。
ぜひ、一度遊びに来てください🌼
ご宿泊でも、イベントに参加でも。
少し覗くだけでも。
秋にはいくつかイベントをご準備しております。
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ご予約必須のものもございます。ご予約希望の方は公式インスタグラム(https://www.instagram.com/sv_machimura/)へのダイレクトメッセージまたはyamori@sharevillage.coまで!
今月で家守半年。
来月の家守日記ではこの半年を振り返ればと思います!
それではまた。