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Vol.3「コミュニティプラットフォームをつくってみて - 開発チーム編」

こんにちは。当社が提供するコミュニティプラットフォームShare Village(以下、コミュニティプラットフォーム)は、2024年末にクローズすることになりました。

そこで、コミュニティプラットフォームのこれまでの歩みと、コミュニティプラットフォームを閉じることによって今後当社がどのような展開をしていくのかの軌跡を、『コミュニティプラットフォームの閉じ方』として連載してまいります。

前回の記事はこちらから↓

今回は、『コミュニティプラットフォームの閉じ方【開発編】』ということで、開発リードのなべさんにインタビューを行いました。

当社では以前、茅葺き古民家・シェアビレッジ町村にてコミュニティを管理していました。その際、コミュニティを作って運用するためのWebページ作成や、年会費管理などを1つのツールで完結する仕組みがあったらいいな、という思いからこのコミュニティプラットフォームの開発は始まりました。

今回は、リリースから約3年半をかけて蓄積したデータを振り返りつつ、開発者とチームメンバーがそれぞれ感じていたことを共有していきます。

まずはアプリ開発者は一体どんな人なのか、どんな思いでシェアビレッジに関わっているのか、紐解いていきます。


開発者なべさんってどんな人?

秋田県潟上市出身。 ベンチャー、スタートアップ界隈で10年以上エンジニアをしています。 自分のこれまでの知識や経験を活かして地元に貢献したい思いから、秋田発のシェアビレッジに、正式ローンチ直前の2021年3月から参加しています!

多機能なプラットフォームならではの難しさ

なべさんがまとめてくれた資料を参考に、プラットフォーム内でどんな機能がアップデートされてきたのか表にしてみました。

コミュニティプラットフォームがリリースされたのは2021年4月26日(よい風呂の日♨️) 
3年半で約20回のアップデートが行われました。

中でも特に話が盛り上がっていたのは、アプリ内の不具合についてでした。
以下、実際の会話になります↓

リリース回数に占めるバグとアップデートの割合
(赤:バグ・青:アップデート)

なべさん:不具合(バグ)の修正が半分以上の割合を占めていますね。前回のキュレーター編でも取り上げられていましたが、開発チームとしても、不具合の修正より新規登録コミュニティを増やす開発にもっと注力できたら良かったなと。

なべさん:今思えば、初期のフェーズにも関わらず、システムが多機能で規模が大きすぎた気がしますね。機能の詰め合わせにより、色んな所で不具合が出てしまった。特にログイン周りでの問題が解消せず、最後まで足を引っ張っていました。もっと数が伸びる所に絞り切れたら良かったのかもしれないです。

半田:初回のページを開く長さは、ユーザーの数を増やすのに相当足かせになっていたと思います。

丑田:元々「こんなのがあったら良いよね」と考えながら機能を拡張してしまったが、スタートアップでも無尽蔵に体力がある訳ではないので、コア機能が絞れてたら良かったですね。会計機能も結局ほとんど使われなかったです。

半田:公開しながら作っていくアジャイルな開発を目指していましたが、不具合を修正して足元を固める所で奔走してましたね。

なべさん:全てを網羅することは巨大な資本を持っている人達の攻め方で、我々はそうではなく、コアな何かに特化したものを提供する方が適切だったのかもしれません。

今、開発当時に戻るなら

半田:当初の想定では、約5千円~1万円の会費を支払うコミュニティメンバーが沢山増えることによって、損益分岐が超える予定でした。

丑田:でも相当求心力のあるコミュニティオーナーじゃないとその数字は出せないし、カリスマモデル的なものだとシェアビレッジが目指している参加型コミュニティの思想と逆に進んでしまう可能性がありました。

半田:そこにはアプリ上で会費を支払うメンバーだけがコミュニティメンバーなのか、というジレンマもありましたね。田舎の地域で暮らしている人や、現場で活動しながら日常的に接している近所の人たちも上手く溶け込める仕組みがあると良かったです。

なべさん:今考えると、メンバー未満みたいなものを作っても良かったのかなと。投げ銭のような、コミュニティオーナーとメンバーの関係性がもっと気楽なところから始められる仕組みがあったら、結果的にサブスクに参加する人も増えたかもしれない。

半田:それで言うと、クラファンみたいにフェーズごとにお金を募る仕組みがあっても良かったですね。

なべさん:3,4年前に戻って新しく始めるとしたら「面白いコミュニティが沢山ありますよ」という見せ方で、応援したい所にすぐ入れて、応援したい人の手元にちゃんと届くようなシンプルな構造にすると思います。

なべさん:私はアプリリリース時からのジョインでしたが、初期の開発が始まるもう半年前から携わりたかったなと思っちゃいますね(笑)

開発者なべさんの想い

結論アプリを閉じる形にはなってしまったものの、世の中に対してやろうとしていたことは芯を捉えていたと感じます。自分自身は秋田出身で、エンジニアの領域で地元を元気にしたい思いが常々あり、地元発の面白いサービスが立ち上がるというところで参加させてもらいました。個人としては、大儲けすることよりも地元に根付いて持続していけるWebサービスを作ることに重きを置いています。

エンジニア業には、オープンソースコミュニティ*的な、無料で色んな学びを得られたから、それは世の中に還元するべきという考えがあり、共感してるエンジニアも多いと思います。インプットよりも社会に対してどうアウトプットしていくか。他のエンジニアもそれぞれの視点で色々考えているはずです。シェア技術の考え方はシェアビレッジの考え方にしっかりはまっていて、まだ形は分かりませんが、今後もこの魂のようなものがどこかに残っていくと良いなと思います。

*オープンソースコミュニティとは、オープンソースソフトウェア(OSS)の開発や改善を目的とする、有志の集まりです。主に利用者や開発者から成り、非営利で運営されています。メンバーは世界中に散らばり、ソースコードの共有や共同開発、情報交換、勉強会の開催などを行っています。

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最後に

キュレーター編、開発編ともに、振り返りの点として、初期フェーズでの機能が多かったことがトークテーマとして上がっていました。

キュレーター編ではターゲットの選定が難しかったこと、今回の開発編ではバグ修正に追われて、コミュニティやコミュニティメンバーを増やすことに開発リソースを割けなかったことを深掘りしていました。

共通したテーマの中でも、キュレーター、開発者で異なる視点でのトークでしたが、チームメンバーのトークの熱量は、本当にこれから閉じようとしているサービスなのかと疑うほど。

これからも、異なる視点で、コミュニティプラットフォームの閉じ方を考察していきます!
次回もお楽しみに!




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