「交換」の概念がひっくり返った
みなさま、はじめまして。「語ってみた」シリーズの澤さんと同じく11月からキュレーターとしてシェアビレッジにジョインしました清田周子です。
今回はシェアビレッジで生まれた「ちょっと素敵なお話」をご紹介したいと思います。
お話をお伺いしたのは、シェアビレッジの出資者でありコミュニティオーナーでもある青木純さん。株式会社まめくらし、株式会社nest、株式会社都電家守舎などで代表取締役を務めておられます。
青木さんは東京都練馬区で集合住宅「青豆ハウス」を運営されています。こちらの記事でも紹介されていますね。
https://note.com/sharevillage/n/n28d5c56e1643
先日はじめて開催したコミュニティオーナーの集いの中で、こんなお話をしてくださいました。
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青木:2014年から青豆ハウスという共同住宅を運営しています。全部で8戸あるうちの1戸を、青豆ハウスを卒業した住人がいつでも帰ってこれる「実家」としてシェアしています。今年からその「みんなの実家」をコモンズとして、Share Villageで村民に開くことにしました。村民は、毎月発行する「MAME」コインを使いながら、同じ生活者の目線で青豆ハウスの暮らしに参加することができます。
村民の中に大学生がいるのですが、コロナの影響で授業がオンラインになり、誰とも会えずに寂しい思いをしていたそうなんです。たまたま丑田さんの講演を聞く機会があったらしく、青豆ハウスに入村してくれたんですよ。月に3000円というのは大学生にとっては大きなお金だと思うのですが、彼は毎月会費を払ってくれています。そして青豆ハウスに来て、僕に恋の悩みを相談したり、畑を耕したり、息子の家庭教師をやってくれたり。
僕は家庭教師のお礼として、彼が大学のビジネスコンテストに出す事業計画の壁打ちをしてあげました。その事業計画とは「落ちこぼれたちにサッカーを嫌いにさせないスクール」なんです。
僕の息子はサッカーをやっていたのですが、上手くなれなくて心が疲れてしまったんです。そうするとサッカーがだんだん嫌になってきてしまう。そんな子どもたちが、サッカーを通して楽しい時間を過ごせるようなスクールを提案してみました。今度、青豆ハウスの子どもたちに向けて実際にやってみる計画も立てています。
そのサッカースクールを彼が大学の課題として提出したら、なんと100点満点を取ったそうなんです!彼から「お返しとして、また家庭教師やりますね!」ととても感謝されたのですが、彼は毎月会費を払ってさらに家庭教師をやってくれてるんですよね。
僕は池袋で定期的にマルシェを開催しているのですが、彼はそこにも手伝いに来てくれました。そのときも「3000円じゃ足りないくらい、良い経験をさせてもらいました!」と言ってくれました。
僕には、お金を払ってもらって家庭教師やお手伝いをしてもらうという発想はなかった。Share Villageに加わってから「交換」の概念がひっくり返りました。
Share Villageは広がるのに時間がかかるかもしれませんが、可能性を感じています。
「払っているお金以上の経験をさせてもらっている」と言ってもらえるような、こんな素敵な日常が生まれることが、Share Villageに参加する何よりの楽しさだと思います。各地にこうした体験が広がって、各地の村同士のつながりが生まれていってくれたらいいなと思います。
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Share Villageを知ってから「お金を払うこと」に対する考え方が変わってきたように思います。自分の暮らしを豊かにしてくれるお金の使い方をしたいですよね。そして自分がお金を払うことで、だれかの暮らしが豊かになる。そんな循環が生まれてくれたらいいなと願っています。
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