第1回 知っておきたいWEB用語と知識1
まえがき
最近、アプリ、プラグイン、オープンソースパッケージ、WEBサービスなどを使えばWEBサイトを簡単に作成できる時代になりました。jjavascript、jQueryを使ってのギミックやSNSをクロスさせての拡散など、技術がどんどん発展していきます。後追いで学ぶ側は追いつく事もできないほどです。
しかしながら、ふと思います。WEBを専門にしている関係者と一般ユーザーとの“知識”や“言語”格差もどんどん拡大していっていると。もっというなら、WEB関係者の中にも、最新の技術やテクニックは驚くほどのスピードで身に付けていっているのに、基本的な知識を学ぶ機会を得られず、仕組みを理解しないままなんとなくで最先端を突き進む人も少なくないのではないでしょうか。
もちろん、筆者自身も後追いで学び、追いつくのに必死な側ですが、本来知っていないといけない、会社で販促やSP(セールスプロモーション)を売りにする営業の人たちが基本的な知識を持たずにWEB提案や販売を行っている事に憤りを感じる事があります。
少し前の印刷・出版に関わるDTPがそうでした。Adobeのソフトが普及したことにより、簡単に印刷物の版下やデザインデータを作成できるようになり、ネットプリントで印刷物をすぐに手にできます。しかし、印刷に関する知識や4色刷りと特色カラー刷りの違い、インクの掛け合わせ、紙質や厚さ違いでの表現の違いなど、そんなことを知らず学ばずでビジネスを進めている会社もたくさんあります。
新しい技術が旧技術を淘汰し、古い知識が何の役にも立たなくなってしまう事は多々あります。とはいえ、仕組みや経緯、基礎知識を理解しておくと、表現力や発展へのヒント、前進へのエネルギー、はたまた新技術への礎になる事もあります。
「知っておきたいWEB用語と知識」では、WEBに縁遠い方から関係しているけど理解が薄い方、これから学ぶ方などに、最低限知っておいていただく方が良いと思う情報を配信していきたいと思います。
まえがきが長くなってしまいましたが、「そんなこと知ってて当然」と思われる方には全く必要が無い記事ですので、閲覧はお控えくださいませ。
第1回 知っておきたいWEB用語と知識1
WEBブラウザ
Webサイトを閲覧するときに使っているソフトウェア(アプリケーション)のことです。WEBブラウザにはいくつか種類があります。
各WEBブラウザにはバージョンがあり、常時開発がすすめられており、各社の無料アップデートによってバージョンアップが可能です。
古いバージョンのものは最新のWEBサイトで閲覧できないこともあるので、アップデートによるバージョンアップは不可欠です。
IPアドレス
IPアドレスは、インターネットに接続されている通信機器の住所のようなもので、一台一台識別するための番号です。インターネットに接続されている通信機器には、それぞれ違ったIPアドレスが割り振られているため、世界で唯一の番号になります。0〜255のいずれかの数値を「.」で区切り、4つ並べて表します。(例:192.168.0.1) グローバルIPアドレスとプライベートIPアドレスの2種類があります。
・グローバルIPをつなぐネットワーク=WAN
・プライベートIPをつなぐネットワーク=LAN
ドメイン
ドメインは、ウェブサイトなどの場所を指し示すインターネット内の「住所」のようなものです。名前、住所で例えるなら、「大阪府大阪市淀川区西中島5-12-15」がIPアドレス、「株式会社ビックス」がドメイン名というイメージです。
「bics-net.co.jp」のような独自のドメインを所有しておけば、店舗名と関連付けしやすいURLでウェブサイトを紹介・運営できます。「.com」や「.jp」などの部分のことを「トップ・レベル・ドメイン(TLD)」と呼びます。
■代表的なTLDの例
.com .net .club .xyz .tokyo .info .org .shop .global .jp .co.jp .tech .site
■ccTLD(国別コード)の例
.cn(中国) .kr(韓国) .ca(カナダ) .us(アメリカ合衆国) .in(インド) .ru(ロシア連邦) .es(スペイン ) .fr(フランス ) .it(イタリア)
Webサーバ
ここでのサーバ(サーバー)とは、クライアントに対して、自分の持っているデータや、情報を提供する機能をもったコンピュータのことを指します。サーバには、いろいろな種類があります。
Webサーバー(WWW)、E-Mailサーバー(POP,SMTP)、ファイルサーバー(FTP)…など、それぞれの用途に対応したものがあり、また、それらの機能を1つに集約しているものもあります。
店舗(サーバ)をお引越ししたら、住所(IPアドレス)も変わりますが、お店の名前(ドメイン)は変わりません。
DNSサーバ
DNSとは、「Domain Name System」の略語です。
インターネット上で、ドメイン名をIPアドレスに変換するコンピュータのことを指します。
[サーバーイラストの出典]pngtree.comのグラフィックス
1. ブラウザで、URLを指定し、アクセスをはじめます。
2. クライアントが、DNSサーバへIPアドレスを尋ねます。
3. DNSサーバが、クライアントへIPアドレスを返します。
4. クライアントが、Webサーバにリクエストを送信します。
5. Webサーバが、リクエストを受信し、処理をします。
6. Webサーバが、クライアントへ、処理した結果を返します。
7. クライアントは、受け取ったデータをブラウザで表示します。
SEO
SEOは「検索エンジン最適化(Search Engine Optimization)」の略で、検索サイトからのアクセス数を向上させるテクニックです。
検索サイトから訪れる「訪問者」に対して、自サイトの情報を検索エンジンに拾われやすくし、望みの検索語で検索された際に(検索結果ページの)上位に掲載されるようにしておくことで、たくさんの人々に訪れてもらえるようになります。
しかしながら、SEOは複雑で、決定的かつ単一な対処法はありません。さらに、検索エンジンは常に進化しており、流動的に対策が必要です。この間行った対策が数年後、数か月後には有効ではないという事は十分にあり得ます。
キーワード、ディスクリプションなどのmetaタグと言われるソース部分のユニーク性や整合性、html、cssのソースの記述の仕方、テキスト数(※画像だけのサイトはSEO的に良くない)、サイトのページ数(ファイル数)、コンテンツとカテゴリーやジャンルとの整合性、アクセス数など、様々な要素が絡み合うので、都度対策が必要です。
アクセス解析
アクセス解析とはサイト内のユーザーの行動を分析し、より良いサイトにしていくための手段の一つです。
サイトによってユーザーに達成して欲しい行動は異なりますが、ほとんどのサイトではサイト内でユーザーに達成して欲しい行動(コンバージョン)があり、このコンバージョン(略称:CV)を増やすためにアクセス解析を行います。
コンバージョンは各々のサイトによって異なります。例えば、ECサイトでは「商品の購入」がサイト内でのコンバージョンになります。
また、BtoBビジネスを行っている企業サイトでは「資料請求」や「お問い合わせ」といったユーザーの行動がコンバージョンとして考えられます。こういったコンバージョンとなる行動を増やす事が、より良いサイトへの改善につながりますが、アクセス解析を行うにはアクセス解析ツールを設定する必要があります。
アクセス解析ツール自体は様々なツールがありますが、種類を大きく分けると3種類のデータ取得方法があります。
「サーバーログ型」「パケットキャプチャリング型」「Webビーコン型(タグ型)」です。
無料のアクセス解析ツール(サービス)として有名な「Google Analytics」は「Webビーコン型(タグ型)」です。
アクセス解析ツールで分かること
アクセス解析ツールで分かることは指定した期間内の「セッション(訪問数)」「PV(ページビュー)」「UU(ユニークユーザー)」といったアクセスに関するデータ、「滞在率」「直帰率」といったサイト内のユーザーの回遊に関するデータ、「コンバージョン」や「トランザクション」といったサイトの目標達成に関するデータなどを集計して分析をすることが出来ます。
また、「参照元」「メディア」といったユーザーの流入元に関するデータや、最近では「地域」「性別」「デバイス」といったユーザー属性に関するデータで分析を行う事で、より詳細なデータ分析を行う事が可能になります。
基本的なレポート指標:ページビュー数、訪問数(セッション数)、ユーザー数(ユニークユーザー数)
ページビュー数
Googleアナリティクスのトラフィックコードが挿入されたWebページが1回表示されるごとにカウントされる。ページをリロード(更新)した際や、ユーザーが一度他のページに移動してから元のページに戻ってきた場合もそれぞれ1回としてカウントされる。
訪問数(セッション)
ユーザーがサイトを訪問した際にカウントされる。訪問の終了までは何ページ閲覧しても訪問数は1回のままである。30分以上ページ上で何も行わないと訪問が終わったとみなされる。
ユーザー数
ある期間内にユーザーがサイトを訪問すると1回としてカウントされる。期間内に同じユーザーが何度訪問してもユーザー数は1回のままである。
❶リアルタイム
サイトやアプリで発生しているアクティビティをリアルタイムで確認することが可能。イベントやキャンペーンの立ち上がりなど今起こっていることを分析したい場合に使用。
❷ ユーザー
通常最もよく使うのは「ユーザー」メニュー。その中の一部をご紹介。
▶概要:ユーザーサマリー全項目を表示。アクセス数やアクセス元の国、ブラウザ、新規ユーザーの割合などを一目で確認できるページ。
▶アクティブユーザー:1日、7日間、14日間、28日間それぞれのアクティブユーザー数の推移を確認できるページ。
▶ユーザー属性>概要:アクセス状況の内訳を年齢と性別で表示。※ただし、アカウント登録をして該当項目の入力を済ませているユーザーでかつ、ログインしているユーザーに限られます。グラフ内に「ユーザー全体の何%」という表示があります。
▶インタレスト:アフィニティカテゴリ(ライフスタイルに密着度の高いカテゴリ)、購買意欲の強いジャンル、その他興味のあるジャンルなど、サイトへのアクセスユーザの傾向がわかります。
▶地域:アクセス元の言語や地域がわかります
▶行動:新規顧客(New Visitor)とリピーターの数や詳細がわかります。
▶テクノロジー:アクセス元のブラウザ、OS、プロバイダ情報がわかります。
▶モバイル:アクセス元のデバイス種別がわかります。
❸集客
▶概要:チャネルとその詳細を確認できます。トラフィックがどこから発生したかという観点で分析を行うためのレポートです。サイトURLにパラメーターを振ることで、集客の原因となったチャネルを詳しく知ることも可能です。
パラメーター例)
https://hogehoge.jp/?utm_source=newsletter&utm_medium=banner&utm_campaign=open_campaign&utm_term=20190320
❹行動
各コンテンツ・ページに対してユーザーがどういう行動を行ったかという観点での分析を行うためのレポートです。ページビュー数を基準に、どのページにアクセスされているかを確認でき、行動フローでどのようなページ遷移(回遊)がされているかを知ることが出来ます。
❺コンバージョン
Googleアナリティクスでは各サイト・コンテンツの目的に応じて定量的な「目標」を設定できます。例えば滞在時間が30分を超えたアクセス、ECサイトの決済、資料ダウンロードなどの特定のページへのアクセスなどを目標として設定可能です。このレポートでは目標に対してどういう遷移を経由して達しているかなどの分析を行うことができます。またECサイトなどでは売上の分析なども行うことが可能です。
まとめ
後半はGoogleアナリティクスについての解説がメインになってしまいましたが、知っておいて損はないかと思います。閲覧して頂いた方の一助になれば幸いです。次回は「HTML」や「CSS」等の聞きなれたワードについて簡単に触れていきたいと思います。