わたしのゲストハウスのつくり方「ゲストハウスを好きになる」
2017年5月、東京浅草橋に地域と世界をつなぐゲストハウス「Little Japan」をオープンしました。
これからゲストハウスをつくりたい方のために、また、自分の備忘録として、ゲストハウスをつくってきた過程を順番に書いておきたいと思います。
また、「ゲストハウスを立ち上げたけど、思うように運営できていない」という方にも参考にしていただけるかもしれません。
ゲストハウスを好きになる
ゲストハウスオーナーには、ゲストハウスに泊まっている間に人生を変えるような出来事が起こったり、好きで好きで仕方がなくなったりして、自分の場を持ちたくなった方が多いように思います。
私も、そんな1人です。
確かに、ゲストハウスは楽しいです。
しかし、それが「仕事」となると、決して楽ではありません。
大きなホステルで外注しているところ以外、ゲストハウスの仕事は、掃除に始まり、掃除に終わります。
1日の半分ぐらいは、ひたすら掃除する覚悟でいた方がいいと思います。
また、ゲストとのコミュニケーションはゲストハウスの醍醐味です。
それはゲストにとってだけでなく、オーナーにとっても1番楽しい瞬間です。
ただし、ゲストにも色々な方がいます。
さらに、ゲストハウスは特別儲かる仕事ではありません。
今、全国的にゲストハウスの数が増え続けています。
正確な統計はあまりないのですが、ここ数年で数倍に増え、さらにこの半年でまた1.5倍になったという話もあります。
そんな中で、たくさんのゲストに来てもらえるゲストハウスになるのは、決してかんたんなことではありません。
そういったことをすべてひっくるめたうえで「ゲストハウスを好きになる」ことが、ゲストハウスを作る上で非常に重要です。
自分の場合
私はもともとブラジルに3年間住んでいたのですが、のびのびと個性を伸ばしてもらえる教育から一転、なんでもかんでも規則で、同じことしかさせてもらえない日本の教育に馴染めない学生生活を送っていました。
そんな反動もあり、将来はとにかく日本を出たくて、大学生の時に何度かツアー旅行に行ったあと、意を決して、バックパッカーを背負って、中国行きの船の切符だけを買い、泊まる先も帰国日も決まっていない旅に出ました。
その旅が自分とゲストハウスとの初めての出会いでした。
中国行きの船の中、そして泊まったゲストハウスで、新しい仲間ができて、次の目的地を決めて一緒に旅をする。
毎日の新しい出会いと新しい体験が、自分の世界をどんどんと広げてくれているような感覚でした。
RPGゲームのような、ドラクエのような毎日。
結局、大学生の間に40カ国ぐらい行きました。
僕の人生を大きく変えた旅でした。
Come as a guest, Go as a friend
Little Japanのテーマにもなっているこのフレーズ。
「来るときはゲスト。帰るときには友達」
バックパッカーとして初めて乗った中国行きの船の中で知り合った「しげさん」の歌です。
しげさんとは今でも友達。
今度Little Japanに歌いに来てもらおうと思っています。
フランス留学から帰りゲストハウスの住み込みへ
大学院の1年間、フランスに留学していました。
フランスには、陸路で1ヶ月かけて行きました。
中国に船で渡り、そこから、モンゴルからシベリア鉄道で大陸を横断しながら向かったのです。
しかし、そのおかげで、帰国後に家がなくなりました。
最初は「橋の下に住む」などと言っていたのですが、運良くゲストハウスの住み込みのアルバイトをいくつか内定をいただき、そこで1番魅力的だった五条ゲストハウスで働くことにしました。
ゲストハウスは旅行者としても楽しかったですが、本当の意味で1番楽しんだのは、この五条ゲストハウスでスタッフをやっていた期間です。
「将来ゲストハウスをやりたい」と本当に思ったのも、この五条ゲストハウスで働いているときでした。
また、運営のノウハウもここで働いていたおかげで身につけることができました。
運営面で大事だと思っていることは、また、別の記事で書きたいと思います。
家に住むのをやめてゲストハウスを泊まり歩く
ゲストハウスを始めたい方は、たくさんのゲストハウスを泊まり歩いてみること、そして実際にゲストハウスで働いてみることがとても大切ではないかと思っています。
私の友人で、家を出て東京都内のゲストハウスを数ヶ月単位で泊まり歩いて生活をしている方がいました。
確かに、家賃を払うのをやめ、それをゲストハウスの宿泊費にあててしまえば、旅に出なくても、ゲストハウス生活を楽しんだり学んだりしつつ、日常生活を送ることもできます。
ゲストハウスによっては長期滞在を断っているところもありますが、長期割引してくれるところもあるので、一度泊まり歩いてみるのもいいかもしれません。
Little Japanでも長期割引をやっていますので、ぜひご相談ください。
ゲストハウスを始めてからも泊まりに行く
Little Japanを立ち上げた今も、たくさんのゲストハウスに泊まりに行っています。
大変なこともありますが、僕はやっぱりゲストハウスが好きなんだと思います。
そして、日々ゲストハウスの進化を感じています。
昔だと、ドミトリーのベット同士を区切ってプライベートを確保するためのカーテンなんてなかったのに、今ではほとんどのゲストハウスについています。
ゲストハウスの運営者のなかには「自由に動けなくなってしまった」という話を聞きます。
確かに、ゲストは365日いつでも訪ねてくるので、なかなか動けなくなることもあると思います。しかし、僕はこれからもたくさんのゲストハウスに泊まりに行きたいと思っています。
これから公開予定の記事
今後、ゲストハウスの作り方や運営について、実体験を交えながらご紹介していく予定です。
主な内容は以下の通りです。
・好きなゲストハウスを見つける
・ゲストハウスの運営方法を学ぶ
・物件を探す。契約する
・ゲストハウスをデザインする①
・ゲストハウスをデザインする②
・ロゴができるまで。大切にした7つのこと
・リノベーション。DIYかプロか。
・DIYをデザインする
・空き家問題とLittle Japan
・検査済証のない建築物の用途変更
・備品を揃える
・会社をつくる
・事業計画書を書く
・資金調達する
・資格を取る
・旅館業の検査を受ける。許可をもらう。
・booking.comや楽天に登録する
・ホームページをつくる
・地域と関係をつくる
そして、今後ゲストハウスのつくり方について紹介していく前にお伝えしておきたいことがあります。
それは「今、儲かりそうだからゲストハウスを始めよう」という考えはやめた方がいいということです。
たくさんのゲストハウスに泊まって、働いてみて、その上で、ゲストハウスが好きで、こんな「場」がつくりたいという思いがある方は、応援したいと思っています。
ゲストハウスのつくり方について、上記に載っていない内容でも「こんな話を聞いてみたい!」といったリクエストを受け付けています。
そして、先ほどもお伝えしたとおり、ゲストハウスは日々進化と発展を遂げています。
新しい情報があれば、記事も随時更新していく予定です。
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