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コミュニティのメンバーを集める③―初心者でも取り組みやすいタスクとは?―

企業の採用で応募者を判断する基準となるのは、その人が会社にどんなふうに貢献してくれるのかという点と、応募者自身が会社を通して何をしたいか、どのようになりたいかという点です。
コミュニティで仲間を集める場合も同様に、お互いが相手に対してどのような影響を与えることができるのかを考えていく必要があります。会社と似た部分はあるものの、まったく同じ考え方を当てはめることはできません。
今回はコミュニティを一緒につくっていく仲間をどう集めるか?、集める時に注意することを考えていきたいと思います。

人はなぜコミュニティに集まるのか?

人がコミュニティに集まる理由はそれぞれです。「やりたいこと、実現したいことがある」「友達や人の繋がりが欲しい」「スキルアップしたい、普段の仕事とは違うことがしたい」などなど。同じような想いを持っていれば一緒に活動もしやすくなりますが、ピンポイントでそうした人と出会うことはなかなかありません。
交流会などに参加している人も、自分の「やりたいこと」が明確に定まっている人はそう多くないと思います。漠然と「職場以外で知り合いをつくりたい」「いつもの仕事とは別の活動ができたらいいな」といった考えを持っている人が多いです。
コミュニティに集まってる人も、多くの人にとってはその延長線上にある気がします。コミュニティを立ち上げる人は「こういうことをやりたい!」といった強い思いを持っている人が多いと思いますが、そうしたところで意識の差が生まれてしまいます。

「時間は無い」は本当に時間が無いのか?

コミュニティを立ち上げる際に、メンバーの熱量は大事です。熱量とは言い換えれば、そこにどのくらいの時間と労力を割くことができるかです。「時間が無い」と言うとき、もちろん本当に時間が無いときもありますが、大体の場合は「その行為に割く時間は無い」という意味ではないでしょうか。人によって何に時間を使うかはそれぞれなので、「こうあるべき」ということを言うつもりはありませんが、コアメンバーについてはその活動を優先的に考えられる人を集めたいです。
活動をする中でタスクが増えたり、新しい取り組みをする時に、「やることが増えるじゃん、、、」ではなく「面白そう!」「頑張ろう!」というように前向きに捉えられる人という点が、一つの指標になると思います。

大事なのは、一緒に手を動かしてくれるか

誰がどのくらいモチベーションがあるのかは、実際にやってみないと判断はつきません。
もちろん最初は軽い気持ちで始めたことが、続けていくことでだんだんとのめりこんでいくというパターンもあります。こればかりは実際に活動を進めていかないとわかりません。
大事なことをあげるならば、「手を動かしてくれる人かどうか」です。「こんなことがやりたい、欲しい」などといった希望は述べる一方で、それを具体的な形にしていくための作業には全然携わらないという人は結構います。

もちろん最初のうちは、何にどのくらいの手間がかかるかは、なかなかイメージがつきにくいと思います。例えば、皆さんが普段何気なく閲覧しているであろうホームページ。見やすく、かつ自分たちの想いが伝わるようにするには、どんなデザインにして、どんな言葉を載せるかのがいいのか?ゼロから作っていくのはなかなか大変な作業ですし、WEBデザインなどの専門的な知識もある程度必要になってきます。活動の初期の具体的なことが決まっていない段階で「とりあえずホームページ作ろう!」という軽いノリでできるものではありません。

初心者がいきなりでもできること

そういってしまうと、「初めてで右も左もわからない時にはどうすればいいんだ?」ということになってしまいます。
コミュニティの活動を続けていく中では様々な作業が必要です。その中には、ある程度経験を積まないとできないものもあれば、誰でもすぐに始められるような作業もあります。
シェア街主宰の柚木さんが「Localist Tokyo」というコミュニティを立ち上げた時の話です。これは東京に住む人や働いている人が地方と繋がるためのコミュニティです。

立ち上げメンバーは3人でしたが、その中でコミュニティなどの立ち上げ経験を持っている人は柚木さんだけだったそうです。なので最初のうちは、柚木さん主導で進んで、「こうした方がいいんじゃない?」といった意見は大体通りました。
であるなら他のメンバーが必要なかったかというと決してそんなことはなかったと柚木さんは言います。例えば、交流会を開催したときのことです。参加者とFacebookで友達になったり、イベントページに招待したりというとき、3人いるということは単純に馬力が3倍になります。

スキルや経験がなくても、「自分も関わっている感」を持たせることが大事

また、初めからメンバーの全員が、経験豊富でしっかりとした意見を持っていて、その上実行もできるという状況は別に必要ではありません。もちろん、色々な経験をしている人が多ければ、それだけ多くの知恵を持ち寄ることができますし、ぶつけ合うことで精度の高いものが生まれる可能性もあります。一人が主導してものごとを決めていくというのは、一見すればトップダウン型の組織のようにも感じます。
けれどそれも、やり方次第だと思います。大事なのは「自分も関わっている感」をメンバーが持てるかどうかです。ガチガチに決まったものをミーティングに持って行ってしまうと、それを提示されたメンバーは、何も考えずにそれに沿って作業をするだけになってしまいます。大まかな方針は、一人が主導するにしても、細かな部分については他のメンバーが考えたり決めたりできる余白をつくることで、「皆で一緒に作っていく感」が生まれます。

得意分野、やりたい事で役割分担もあり

例えば、イベントで多くの人の前で話したりファシリテーションをするのが好きだったり得意だったりする人もいれば、事務作業が得意な人もいます。Localist Tokyoのとき、柚木さんは、イベントなどで人前に出たり、ファシリテーションをしたり、という役は、「それをやりたい」と言う別のメンバーに任せていたそうです。

まずは一歩踏み出してみよう!

何かを「やりたい」という気持ちを持っている人は大勢います。時間が合えば、余裕があれば、NPOを通じて社会問題の解決に取り組んだり、慈善活動に参加したいという人はそれなりにいると思います。けれど、実際に行動に移せる人はそう多くありません。
最初の一歩を踏み出すことは勇気が要ります。また、初めの慣れないうちは、自分に何ができるかわからず不安になると思います。そんなときだからこそ、経験者に話を聞きながら、それぞれができることは何かを考えながら、活動を進めていきましょう。

■シェア街とは?

シェア街はリアルとオンラインで新しい経済圏をつくるバーチャル都市です。​誰でも住民になって仮想のまちづくりを楽しめます。
リアルな「きょてん」として、東京浅草橋にあるゲストハウス「Little Japan」やその周辺のシェアハウス。新潟県の越後湯沢にある「Little Japan Echigo」があります。オンラインの「きょてん」では、コミュニティづくりの研究や実践をする「コミュニティラボ」、好きな音楽をシェアする「音街ろまん館」、みんなで体を動かしてサウナで整う「汗活studium」、バーチャル空間での街づくりに取り組む「バーチャルシェア街」などがあります。
住民募集も随時行っているので、下のリンクやSNSもチェックしてみてくださいね!

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