累計1000万円以上の支援を集めてきたクラウドファンディングのノウハウ
これまで10回以上クラウドファンディング(以下、クラファン)に挑戦!累計で1000万円以上、のべ1000人以上の方にご支援をいただいてきた、シェア街主宰の柚木理雄さんに、クラファンのノウハウを伺いました!
柚木さんにとってクラウドファンディングは資金集めの目的ではない!?
■直近では、「Little Japan ECHIGO」の立ち上げにあたりクラファンに挑戦されたました。取り組もうと思った理由・きっかけを教えてください。
柚木さん:クラファンと言えば資金集めのイメージがありますが、僕の場合、基本的には資金集めのために挑戦しているわけではありません。
資金だけを集めるだけなら、正直、マジメにアルバイトをした方が効率が良いと思います。
クラファンに挑戦する目的は
①これをきっかけに、関ってくれる人を増やしたい
②プレマーケティング(売れるかな?というお試し)の位置づけ
この2つのどちらかのためにやってきました。
Little Japan ECHIGOは①のためにやりました。
「Little Japan ECHIGO」クラファン目標達成までのエピソード
■目標を上回って達成されましたが、一番大変だったことはなんですか?
柚木さん:クラファンをやるのに一番大切なのはプロジェクトページを立ち上げる段階ではもう達成できるぐらいまで準備をすることだと思っています。
今回は、本当に準備不足で、、、ほぼなにもしていなかったので、目標金額は100万円でしたが、最後まで達成できるか毎日ハラハラドキドキしていました。
2020年に行った、シェア街立ち上げの時のクラファンは、同じ100万円の目標を初日に達成。募集開始の5カ月前から構想し、事前にコアメンバーやその周りのメンバーたちとコミュニケーションをしたり、トークイベント等で話をしたりしながら一緒につくりあげる過程がありました。
クラファンは、既にこのような仲間がいる状態でスタートしていて、誰がどのぐらいの支援をしてくれるかもわかっていて、おそらく初日で達成できるだろうという見込みがたっており、最終的に目標金額の3倍になりました。
クラファンは最後に急激に伸びるんですが、後半はもう支援なしで良いですよと呼びかけていたぐらいです。
■準備不足ながら今回も目標達成されましたが、ずばり目標達成のコツは何ですか?
柚木さん:クラファンのプラットフォームに掲載しただけでは、初めてそれを見た人が応援してくれることは基本的にほとんどありません。
まずは、コツコツSNSで発信することが大切です。
SNSも急に発信を始めてもなかなかうまくいかないように思っています。
昔はいろんなところに積極的に出かけていたので、例えばFacebookの友人は上限の5000人おりまして、みんなどこかで会った方たちです。
そんなみなさんが、ふと自分の活動を見てくれていて応援してくださいました。
Twitterも5000人以上のフォロワーがいるのですが、Facebookの直接面識のある方の方が圧倒的に応援してくださる方は多かったです。
大学の教え子だったり、大学のときの同級生など、親しかったけれど長らく会っていないような方から最後に大きな金額の支援もいただき、自分のやっていることを発信するのは大切だと改めて感じました。
今回に限ると準備不足だったのですが、これまで地道に10年以上活動してきた中で、見てくれていた方たちが支援をしてくださったのだと感じており、日々の積み重ねの大切さをあらためて感じています。
また、きちんと自分の声で伝えることも大切だと感じています。
たまたま会う機会があった友人や地元の方などには直接会った際に自分がやっていることを伝えました。
自分のやっていることに価値があると思っているので、自身を持って伝えることができます。
クラファン終了の4、5日前にはオンラインイベントを開催し、過去のイベントで知り合った方々をFacebookのイベントページの機能で招待したので、クラファンを知ってもらうきっかけになったのではと思っています。
また、Little Japan ECHIGOの場合、地元の人にクラファンをやっていることを知ってほしかったので、二居(ふたい)集落周辺の人にはフライヤーを渡してお知らせしました。
2018年に行った、定額制ホステルパス「Hostel Life」のクラファンの時は、当時は宿泊のサブスクサービスがなかったので、全く知らない方たちがたくさん支援をしてくださいました。
これは②のプレマーケティングを目的にやったクラファンなのでこういう結果になりましたが、一般的には8割以上は友人・知人からの支援になりますので、友人・知人から応援されていない活動だとなかなか達成は難しいのではないかと思います。
■クラファンをやる上で気をつけていることはありますか?
柚木さん:クラファンを集めるのに一番早い方法は個別にSNSやメールで支援や拡散を頼む方法です。クラファンのプラットフォームも推奨して定型文まであります。ただ、私は個別の支援依頼は直接会うなどたまたま紹介する機会がない限りは絶対にやりません。
理由は、直接支援を頼まれると、いやいやながら支援をする方がおり、それによって信頼関係が失われるからです。資金を集めるのを目的に一度だけやるならそれでも良いかもしれません。
私の場合には、仲間集めが目的なので、いやいや支援をしてもらっても仲間にはなってくれませんし、プロジェクトができてから遊びに来てくれたりといった良い関係が築きづらくなってしまうと思っています。
柚木さんが考えるクラウドファンディングの方法・おすすめポイント
■クラファンのオススメプラットフォームはありますか?
柚木さん:著名なプラットフォームの方が支援が集まりやすいかというとそんなことはありません。ほとんどが自力で集めることになります。唯一、先進的なプロダクトの販売の場合はMakuakeは圧倒的に強いですが、それ以外はほとんど変わらないと思います。
私は、一つ一つのプロジェクトに担当がついて丁寧にページ作成を手伝ってくれて、なおかつ手数料が安いのでMotion Gallaryを使うことが多いです。
■クラファンのリターンで気をつけていることはありますか?
柚木さん:支援額以上のモノをリターンとして提供することで、「支援している」という感覚を持たせないようにすることを意識してます。だからこそ、自信をもってクラファンの募集ができます。
一方で、リターンの元手が高すぎると、手元に何も残らないので、事前に考えた上でリターンを作成する方が良いと思います。
今回の場合、Little Japan ECHIGOの宿泊券や貸切券、シェア街住民会員券(1か月)、1on1で起業相談を受けられる権利など、オンラインやLittle Japan ECHIGOに実際に来て、使ってもらうリターンが主でした。
自分たちの商品をリターンとしているので、原価としてはおさえつつ、価値は高いリターンが提供できます。
もちろん、自分たちの商品ではない、つまり他社商品を、色々な方からリターンとして提供してもらうことで、関係性が広がることもあります。
けれど、それだと商品の価値以上のものを渡せないので、支援者とも関係性が続かず、資金だけが減ってしまいます。
また、郵送が必要なリターンは、配達などに手間とお金がかかるため、できるだけ少なめにしています。もちろん、遠方の方向けにそうしたリターンを設定することもありますが、メインではありません。
リターンごとに、「これにはどんな人が支援してくれるだろうか?」というようなターゲットを想定すると良いと思います。リターン商品を途中で追加することもありました。
■どのような方にクラファンをおすすめしますか?
柚木さん:クラファンは大変で手間がかかるので、単に資金集めとして考える人にはあまりおすすめできない気がします。普通に事業をした方が儲かると思います。
ただの資金集めという枠を越えて、たとえば、コミュニティを作りたい、より多くの人に取り組みを知ってもらいたい、関係人口を増やしたい、などといった目的がある人にクラファンはおすすめだと思います。
何度も挑戦したくなるクラウドファンディング
■柚木さんにとってクラファンの魅力は何ですか?
柚木さん:クラファンをすることによって、自分の取り組みを応援してくれる人だけでなく、知ってくれる人が増えます。応援はしていなくてもクラファンで認知してくれている人もいます。
実際に、疎遠になっていた人から応援してもらった時には「自分のやっていたことを見てくれたのだ」ということに気づきますし、また繋がれます。
新しい人との関わりが増えることはもちろん、既に知り合いの仲に新たな繋がりが生まれるので、目標達成するまでハラハラドキドキしますが、またクラファンに挑戦したくなるのだと思います。
初めてクラファンをやった時は目標金額30万円にもかかわらず苦労したので、もう二度とやりたくないと思いました。でも何度もやってしまう。クラファンのページも毎回自分で書きたくなります。
もともと事前準備をしてからクラファンをやるタイプだったのですが、今回は事前準備しなかったのでヒヤヒヤしました。クラファンは目標金額の20%を超えると伸び悩み、最後の最後に達成するのが一般的な動きと聞いたことがあります。今回は本当にその通りになりました。最後まであきらめなくてよかったです。
■シェア街住民のクラファンを支援!「クラファン支援室」
シェア街に新しいきょてん「クラファン支援室」が立ち上がりました。
住民さんのクラファンには、以下の特典があります。
①月1回1万円まで柚木が支援します
②シェア街等のSNSで拡散を支援します
③シェア街住民と作戦会議をするイベントが開始できます
④LittleJapanでのリアルイベントをシェア街住民価格で開催できます
⑤シェア街会員権をリターンで無償提供します
クラファンは身近になっていて、さっそくシェア街住民さんの中でも、クラファンに挑戦して目標達成された方が出ました!
クラファン初心者向けの相談の場や協力し合える体制を構築しているため、お互いに応援し合うことができます。
クラファンに挑戦したいけどなかなか踏み出せないあなた、他の仲間と一緒に挑戦してみませんか?
シェア街は、「やりたい」という気持ちを積極的に応援します。
🗣シェア街へのお問い合わせ
📩sharemachi2020@gmail.com
写真:提供写真
執筆:ちーちゃん
編集:はやかわ英明