「何者かになりたかった」はじめて海外一人旅に行った話
今年は自分自身の変化が大きい一年だった。
物理的な変化もそうだけれど、それよりも心理的な変化がとても大きい一年。
2018年は自分と向き合う時間が多かった。過去の傷口をえぐった一年だ。
昔の僕なら書きたくなかったこともいっぱい書いた。
書けるようになった要因は、ありのままの自分をさらけだしても、許容してもらえる人が増えたからだと思う。
少し言い方を変えると、ありのままの自分自身を知ってもらわないと本当の意味で仲良くなれない(近距離コミュニケーションがとれない)からと、気づいたからでもある。
今まで包み隠していたものが、氷の様に溶け出し、自分の中で少しずつ変化を感じる。
一方で、「自分への迷い」は消えることはない。
・自分のお腹の真ん中にあるものはなんだろうか。
・自分が人生をかけて背負いたいものは何だろうか。
僕は自分自身を知りたい。
◇◇◇
FFSのキャリアデザイン研修で講師の方に言われたことが、ずっと頭に引っかかっている。
加納さんは自分が本当に守りたいものが何かを考えるといいと思う。
それを見つけた時に、加納さんの人生は更に加速すると思うよ
■FFSの説明はこちら
僕が持つ特性は受容・保全という因子
①受容性は無条件に人を受け入れる因子
②保全性は工夫改善・課題解決・積み上げが得意な因子
ただ、保全性の解釈が少し違っていて、FFSの講師の方曰く、保全性は本来は何かを守るための因子の様だ。
僕が本当に守りたいものはなんだろうか。
頭の中がクラクラする。
ちょうど1年前に自分と向き合うことを始めた時と同じ様な感覚だ。
次第にその言葉は自分への焦りに変わってきた。
◇◇◇
こういう時は、何か新しい行動を移すほうが、経験則的に自分の性格には向いている。
そう思った時に、ふと頭をよぎったのが「海外一人旅」だ。
想起した理由は、この前もこちらのnoteに書いたんだけど、親友の彼が今年の10月に一人で海外に行ったことがきっかけだ。
それからというもの、彼は強くなった。
自分の道を進む彼が眩しくて、自分も彼の様に変わりたいと心から思った。
彼を強くした海外一人旅を経験してみたい。
だから、僕は海外一人旅に行くことにした。
決心までにはさほど時間はかからなかった。
きっと僕は「何者かになりたかった」んだと思う。
それはきっと自分の知らない、自分。
価値観が変わった、新しい自分に会えるような気がしたから。
◇◇◇
旅は7泊8日。12月23日から30日まで。
行き先はタイ。価値観を変えるにはもっとハードな国に行った方が良いんだろうけど。この辺りは本当に自分らしい。
往復の切符を買った。
一人で国際線に乗ったこともない僕にとっては、起きる全てが新鮮だった。
1人で海外に行く。1つ1つ課題をクリアしていく
RPGのようだ。
旅が中盤に差し掛かるに頃には、少しづつ海外での生活にも慣れ始める。
電車にも乗れたし、ツアーにも参加できた。ホテルの予約にも困らなくなったし、観光名所も色々と回れた。
終始オドオドしていた1日目とは大違い。
人の成長は早いものだ。
ただ、これは自分自身が変わったことになるのだろうか。
モヤモヤする気持ちは一人旅の間ずっとあった。
◇◇◇
旅の最終日を迎えて、自分を振り返る。
自分は何か変わっただろうか。
価値観が変わったかと聞かれれば、答えはもちろんnoだ。
当たり前だ。1各国に7泊8日程度行ったからって、早々に価値観が変わるものではない。
海外に一人でいっぱい行ってる人からすると、馬鹿げた話かもしれない。
ただ、ぼくは本気で海外に一人で行くことで何かが変わるような気がしていた。
では、何か変わったんだろうか。
変わったこと。それは
単純にできることが増えた
これは「変わる」という表現よりは、「成長した」という言い方のほうが正しいのかもしれない。
ぼくは海外旅行のちょっとしたスキルを身につけたに過ぎない。
ギラがベギラマになっただけ。
でもホイミは使えない。
僕が当初描いていた「何者か」とはほど遠い。
◇◇◇
親友の彼との旅の違いはなんだろうか。
なんとなく想像がつく。
それは
現地で新しいチャレンジ(聖なる一歩)が少なかったから
だと思う。
海外に行くという聖なる一歩は僕は踏めたが、現地での聖なる一歩はほとんど踏んでいない
僕は、海外では携帯を持ち歩き、ネットで調べることにより、一人でほとんどのことを解決させた。
携帯で宿を調べ、携帯で観光先を調べ、携帯で観光先までの行く方法を調べた。
僕が行ったタイ(チェンマイ、バンコク)では、携帯があればたいていのことが完結する。
僕は現地でもほとんど人に頼ることもなく、携帯に依存して生活をしていた。
おかげで僕の旅は、何のトラブルもなく、体調を崩すこともなく、観光先もかなり多く効率的に回れたと思う。
旅というよりは、旅行という表現が正しいだろう。
たくさん写真はあるが、土産話は特にない。
これが彼との大きな違いで、自分のモヤモヤの正体だと思う。
聖なる一歩にも色々種類があるんだと思う。
◇◇◇
価値観を変えるためにはどうすればよいのだろう。
1人旅をしていて、1つ思ったことがある。
価値観を変えるには、「人に頼ること」を覚えることが必要なのではないか
人は追い込まれたときに、本当の自分が見えるという。
追い込まれた時というのは、予測不可能な環境に身を置かれた時だと僕は思う。
予測不可能な環境に身を置くという点では、海外というのはそれを疑似体験できる場所だ。
それが、より非日常的な環境(アフリカとか)であれば、なおさら。。
ただ、きっとその様な環境に行くだけではダメなんだと思う。
現地で、人に頼ることを覚えなければならない。
極端な話だが、携帯もマップもない状況で、人はどうするだろうか。
恐らく、僕たちは人に聞く。
・人に聞くことで、会話が生まれる。
・会話が生まれると、現地の人とコミュニケーション量が増える
・コミュケーション量が増えると、現地の人の価値観に触れることができる
そういった経験を経て、初めて自分の価値観が少しづつ変わっていくんだと思う。
よく、価値観を変えるという意味で、「インドやアフリカに行った方がいいよ」と言われるけど、これは僕なりの解釈でいうと次の様になる。
①日本とは全く違う環境に身を置いた方が良い(非日常感)
②不便な環境で価値観が違う人と接する機会を増やした方が良い(人に頼ることを覚える)
これはあくまで僕の解釈だけど。
僕が一人で海外に行って気づいた一番大きなことだ。
◇◇◇
ここまで書いて、自分の旅を改めて振り返ってみる。
僕の一人旅は意味がなかったんだろうか。
もちろんそんなことはない。
新しい自分になったわけではないけれど、それでも僕は今回一人で旅に行って、心から良かったと思う。
自分の知らない自分に気づけたし、新しい発見もあった。
そして、シンプルにできることが増えた。
できることが増えるのは楽しいし、嬉しい。
海外に行くという心理的ハードルは大きく下がったので、また来年はどこに行こうかと考える。
充分じゃないか。
人はそんなにすぐには変われない。
変わるというにはステップが必要だ。
そういう意味で今回の旅はファーストステップとしてはよかったのかもしれない。
さて、次はなにをしよう。
・もう少しハードな国に行ってもいいかもしれない
・携帯を持たずに日本旅行をしてもいいかもしれない
・ひとに頼ることを覚えるためにヒッチハイクをしても良いかもしれない
うん、全部楽しそうだ。
日本でもできることがたくさんありそう。
来年はやったことがないことをたくさんする年にしたい。
2019年も新しい自分に会えそう。
楽しみだなぁ。
(ばいばい)
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