【創業者インタビュー】日本の食文化を支える全ての料理人に新しい働き方を〜シェアダインが提案する「出張シェフ」〜
飯田:シェアダインは「料理の世界をもっとフラットに、もっとオープンに」をミッションに掲げ、「出張シェフ」というフリーランスシェフの新しい働き方を創出してきました。
登録シェフ数は3,000名を超え、コロナ禍で約5倍となり、シェフがフリーランスとして活躍できるプラットフォームとして成長を続けています。
井出:シェアダインを創業した当初は「家庭料理を次世代に継承する」をミッションとして、家庭向けの出張シェフサービスを展開しました。この頃は栄養士や調理師の資格を持つ女性シェフを想定していました。
しかし、サービスを展開していくうちに男性シェフの登録も増えていきました。飲食業界の長時間労働や生産性の問題に直面し、体調を崩して辞めてしまったシェフが「自分のペースで働きたい」と考え、シェアダインに登録してくれたんです。
シェフの働く場所と言えば飲食店というイメージがありましたが、シェアダインがあることで働く場所や店を選ばないフリーランスシェフという選択肢が生まれたと思っています。
Q:創業して約5年、この間にたくさんのシェフと会ってきたと思います。シェフという仕事をどのように見ていますか。
飯田:シェアダインに登録している多くのシェフは、人に向き合うモチベーションが高いんです。料理を通してお客さまに向き合っている感じです。おいしい料理を食べてもらって人を喜ばせたい、笑顔が見たい。相手を慮って料理を作ってくれます。
井出:私たち2人もサービスをよく利用していますが、「今日はどんな料理を作ってもらえるんだろう」と、ワクワクしながら料理の完成を待っています。料理ができるまでのシェフとのコミュニケーションも楽しいですし、どのシェフも本当にプロフェッショナルだと思っています。
飯田:本当に全ての料理人をリスペクトしています。たまに料理人の口から「料理人ってアホだから」という言葉が出るんですけど、初めて聞いた時はとてもショックを受けました。とんでもないです。なんでそんなことを思うんだろうと。
これは声を大にして言いたいんですけど、料理人はもっと自分の仕事を誇りに持ってほしいし、持つべきだと思うんです。こんな素晴らしい職業はないと思います。
Q:出張シェフという働き方は、飲食業界はどう捉えているでしょうか。
井出:和食のお店で修行したシェフに聞いた話が印象に残っているんです。昔は「出張料理人」というスタイルで仕事をする人もいたそうなんですけど、そういう人は「ならず者」「つまはじき者」がなるものだと。つまり、店舗で働くほどの素質がないから、転々とした働き方をしている。そんなイメージがあるそうなんです。
もちろん三つ星レストランで働き、店舗に来てくれたお客さんに料理を振る舞うのもステータスだと思います。でも、これからの時代は自らが足を運んで目の前のお客様に料理を振る舞うのが当たり前の時代になっていくと思いますし、シェアダインがその世界観を作る旗頭になっていきます。
飯田:店舗で働くと、飲食業界が抱える長時間労働の問題は避けて通れません。ある店舗で料理長を経験した人は、終電で帰るのが当たり前で帰ってきて午前中はずっと寝ている。午後から仕込みのために店舗に行く生活を送っていたそうです。土日も営業しているので、日曜日の子どもの運動会にいけたためしがないと言っていました。
独立して店舗を持つことを目標に頑張っている料理人もいますが、コロナ禍になって店舗を持つリスクも上がってしまいました。私たちは情熱や技術を持つシェフの新しい腕試しの場所を提供していきたいんです。
井出:そんなシェフを応援しようと、シェアダインは2022年10月から、フリーランスとしての活躍をバックアップする「スポンサープログラム」の提供を始めました。月の稼働時間に応じて固定の月額報酬をお支払いする制度で、希望者は無期限で利用可能(審査、一部条件あり)です。
先日、私たちは飲食店勤務経験のある料理人を対象に、働き方やキャリア構築に関するアンケートを実施しました。すると、料理人の約7割が「飲食店での業務における働きづらさを感じる」と回答し、キャリア構築に難しさを感じていることが明らかになりました。
この制度を利用することで、新しい環境に挑戦しながら生活の安定を得る。将来的には自立して安定的な顧客獲得を目指してほしいと思っています。
Q:改めて、出張シェフという働き方に興味を持つシェフの皆さんにメッセージをお願いします。
飯田:シェアダインは、シェフの皆さんが誇りを持って働くことを実現できるプラットフォームで在りたいと思っています。シェアダインを通じてスキルやキャリアも積み上げてほしいですが、何よりも「料理を作る」ことに誇りを持ってほしい。
井出:「店舗でキャリアを積みたい」「独立して店を持ちたい」という考え方も、素晴らしいと思います。一方で、来店したお客さんではなく、個人に合わせた料理を作るのが楽しいという人もいます。料理人の働き方はもっと幅が広がっていくと思います。
飯田:料理人が独立・起業する場合、選択肢としてあるのは「お店を持つこと」だけでした。でも、これからは「店舗に行って料理を作る」「個人宅に行って料理を作る」という選択肢も入ってきます。シェアダインに登録すると「シェアダインのシェフ」と考える方もいますが、私たちはあくまで黒子です。もっと料理人が気軽に独立できる環境を整えていきたいですね。
井出:日本は料理人の割合が、人口比率で最も多い国と言われています。日本の食文化を支えている全ての料理人が誇りを持って自分らしく働いていけるようにサポートをしていきます。
シェアダインには現在、様々なバックグラウンド・志をもったシェフが登録し、強みや経験を活かして活躍されています。新しいことに挑戦をしてみたいという「イノベーターシェフ」を応援するのがシェアダインです。「私にもできるだろうか」と不安を持つ方も、ぜひお気軽に問い合わせてしてください。
シェアダインでは料理人のキャリアを支えるために共にサービスを盛り上げてくださる仲間を募集しています!少しでもご興味をおもちいただきましたら、ぜひカジュアル面談にてお話しましょう!