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渡邊渚さんの「透明を満たす」の感想とIT業界の異性トラブル

この本を読んだのは何となく話題になってたからなんですが、ちょうどIT業界の異性トラブルについても書こうかなと思っていました

この記事を読む人は私のフォロワーさんか、渡邊渚さんのことが気になって来た人だと思うんですが

私は正直あまり渡邊渚さんのことを存じ上げず、フォトエッセイを読んで初めて調べたくらいです

それでも心に刺さる言葉と、考えさせられる内容でした

前半部分の生い立ち・事件・PTSDのこと

まず特筆すべきことは彼女が一般的な家庭で育って、虐待や精神的な障害がなかったことが前半でわかります

特に男女間のトラブルは幼少期に虐待されていた、もともとメンタルが不安定だった人が多い印象があるかもしれませんが普通のご家庭で育ったのだと思います

また一般的な家庭で育っているので、暗に「家族や親戚などの後ろ盾がない」ことも今回の事件やその後に影響してくると思います

PTSDをどうやって克服したか

事件の発生とその後の経過の後に、渡邊渚さんがPTSDをどのように克服したかが書かれています

読んでいて「これは賛否が分かれるだろうな」と思ったのは、お金のことや回復する期間が1年少しの期間と短かったことです

PTSD当事者やSNS叩きの人から「本当はPTSDではなかったのでは」と言われるだろなと

これは私個人の意見ですが人の心というのは、複雑かつ繊細で単純な比較ができないものだと思います

東日本大震災の後に被災地域の子供が「津波ごっこ」をして物議を醸しましたが、トラウマやストレスがあった出来事を再現することで、無意識にトラウマを克服しようとすることは良くあるそうです

また性被害にあった人が風俗に行くことも稀にあって

そうやって辛かった経験は「正しいことだったのだ」と正当化したり、自傷行為としてしてしまうことがあるそうです

お金のことも「辛い時にお金のことを考える余裕はない」と言われそうですが、親とあまり折り合いが良くない私には痛いほど気持ちが良くわかります

「親に頼ることが死ぬほどストレス」

そういう私も過去に鬱で仕事ができなかった頃、借金してでも親には頼らないと心に決めていて、とにかくお金どうしようと毎日考えていました

強さ、弱さ、何がストレスなのか、何が治療になるのか

人の心の問題は一般的な答えはあっても、回復する時間や方法は人それぞれで絶対的な正解はないのだと思います

だからこそPTSD当事者の人たちは、自分と重ね合わせすぎて「この人は嘘をついている」と感じてしまうと読み進めて感じました

これでSNS叩きをする人はエッセイが例えどんな内容でも、きっと叩いているだけの妖怪のようなものなので割愛させていただきます

IT業界に性上納はあるのか

これは”絶対ない”とは言い切れないところで、IT業界といっても様々な業種があります

今や完全にITの部門がない、という会社はごくわずかでしょう

私個人では組織的な性上納のようなことに関わること、聞く事はいまのところありません

ただ異性トラブルでいうと、20年もいればそこそこ耳にするし被害にあったこともあります

私が体験したIT業界の異性トラブル

新人の頃は当時いたSIerの次長に飲み会で手を握られたことがあります

ただ20歳で世間知らずの私は「まさか父親より年上のおじさんがセクハラをした」なんて思いつかずに、先輩にあれは何だったんだろう?みたいな軽い気持ちで話して

気がつけはその次長はどこかに飛ばされてました

後から聞くとセクハラの調査をしたら、仕事を普段からそこそこサボってることが判明したそうです

また20代の頃によくITの勉強会に行ったんですが、そこでちらっと話した本名すら知らない人と付き合ってることになってました

確かによく隣に座ってくるな、とは思ったんですが他の人に「シェア猫さんと実はお付き合いをしていて・・・」と言っていたようで、私が否定すると激昂して大変でした

15年以上前のIT業界は女性が本当に少なく、 勉強会に参加する女性はもっと希少でした

異性からされた誤解と失望

そもそも化粧はマナーで服やアクセサリーのおしゃれは、好きだからやっていたんですが

それを「恋人を探しているに違いない」と解釈されていたらしく、イベントや食事によく声をかけられました

IT業界の女性としては珍しい、ちょっとギャル寄りの服装だったからかもしれません

親くらい歳の離れた男性に食事会に誘われて、私としては「IT業界の交流」だと思って行ったら「誘いに乗ってくれたなら脈アリ」と思われたこともあります

また躁うつ病のエンジニアの人に、躁状態が辛いから助けてほしいとカフェに行ったら「わかってたと思うけど好きです。あなたの自宅付近で仕事を探している」と言われて手を握られた時は震えました

若い頃の私は仲間で対等だと思っていた人から「告白される」と「仲間として認められていなかったんだ」と感じてしまっていた

特に私がいたベンチャー界隈は、SIerや大手企業に比べるとさらに女性のプログラマーが少なく、男性ばかりのコミュニティに入っても最初は気を遣われることがほとんどです

沢山の意見を交わして飲みに行き、悩みを共有して仲間になれたと思ってたのに…

今振り返ると職場やコミュニティの人たちは認めてくれていたし、気を遣ってくれたのもきっと優しさなんですが

真面目にがんばって勉強会に参加しているだけなのに私だけ何で?と悩みながらも仕事をしていました

そこも渡邊渚さんと少し重なる部分があるかもしれません

好きじゃない人からの「好意」が怖かった

私は恋愛対象ではない人からの「好意」がとても怖かった

自分では何もしていないのにトラブルになり、仕事やプライベートに悪い影響が出る

そのきっかけって異性からの好意でした

私はただ好きな服を着て、プログラミングをして、勉強してスキルを身につけて、仲間と楽しく仕事をしたかった

でも周りからは「勘違いされるようなことしたんじゃない?」「可愛いってことだよ」と言われて、可愛いを殺さなくてはと思っていたあの頃

トラブルになると周りに迷惑がかかるから、化粧をやめ、髪色は地味にして、服はデニムかロングスカートにした

IT勉強会は女性が多いものを選び、雑談でそれとなく彼氏がいることを話す
もちろん悪いことばかりではなかったけれど、そうやって私の20代はあっという間に終わってしまいました

IT業界の異性トラブルは今もよく聞く

  • SESの飲み会でセクハラされて女の子が泣いた

  • オフ会で会ってトラブルになった

  • DMでいきなり顔写真を送ってきて感想を求められた

そういうトラブルは最近になっても良く聞くし、意外と裏でひっそりと共有されていたりします

今回noteに書こうと思ったのも、自分の過去を語りたいというよりは気をつけてねってことです

また私も含めて中堅以上の人は「目上の人の発言は強く影響する」ということを、頭の片隅に置いておいてほしい

素直で真面目な人ほど目上の人からの言葉は「仕事の一環だ」「成長するために必要だ」って受け止めてしまいます

私は時々だけれども20代の頃に戻ったら、どうしていたかなって思うことがあります

できれば今の若い人たちが、楽しく仕事ができる業界であってほしいなと思います


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