開催内容 2024年 4月27日(土)
ごきげんさんです。拡がる読書会の文鳥さんです。
春になり、もうゴールデン・ウィークですよ。
みなさん、お休みは取れそうですか?僕はカレンダー通りですw
今回は映画のお話がいつもより多く、上映が終わったものもありますが、時間があれば配信サイトで探しみようと思いました。
今回もたくさんの作品を紹介していただきました。
映画 ゴジラxコング 新たなる帝国
去年の末頃は日本作「ゴジラ-1.0」が大好評でしたが、こちらは4/26日から公開のハリウッド版ゴジラの5作目です。
いやぁー、怪獣プロレス最高!ずっと巨体が暴れていますw
日本版のゴジラは、ゴジラは原爆のアンチテーゼ、コングは自然の反逆みたいなテーマを持って観たりしますが、今作は人間ドラマも少なめで何も考えなくて楽しめる娯楽映画です。
作中、怪獣同士の吠え合いなどが多々あるのですが、何を話しているのか?どういう感情なのか?が不思議と分かるんです。ネットで「怪獣たちの会話に漫画みたいな吹き出しが見えそう」という意見があったんです、ホントに見えそう。
怪獣たちの世界観に人類は振り回される形なのですが、観られる方は振り回されてください。ブレーンバスター最高かよ!
わたしが正義について語るなら
アンパンマンの作者である「やなせたかし」さんの自伝エッセイ。
やなせさんは40後半で売れた作家さんで94歳までギリギリ現役で頑張れた方です。アンパンマンの登場キャラ数はギネスに載っているそうです。
そのやなせさんの作品のメッセージについても書かれていて、アンパンマンの「正義」というものも解説されています。
戦争経験者として「お腹をすかしている子供を助ける」「自身を顧みない行動力」「誰の意見に動かされない意思」などが語られていて、その象徴がアンパンマンへとなっています。
この本を読むと、「愛と勇気だけが友達さ」「たとえ胸の傷がいたんでも」「忘れないで夢を、長さないで涙」とアンパンマンの歌詞が身に染みてきますw
そして、この本を読んでつい、アンパンマンのルーツが気になって買ってしまった2冊も紹介↓
十二の真珠
やなせたかしさんの作品集です。
アンパンマンが世に出る前の作品ですね。
絵と物語、そして詩がふんだんに載っています。題名通り12作品収められていますが、そのなかに僕らがよく知る前の元祖「アンパンマン」が載っています。この作品では顔があんぱんではありません。戦争でひもじい思いをさせないために、あんぱんをひたすら配り続けるヒーローです。派手な戦いはしませんが、誰に何を言われようとも食料を与える。その姿はやなせさんが一番大切にしている「助けたい」という気持ちが表れています。
他の作品も、悲しいのもありますが、さっと読めますがメッセージ性の強い作品が多く良いですよ。
あんぱんまん
これぞ、僕たちがよく知る今のアンパンマンです。
とはいえ、タイトルはひらがななんですねw
「僕の顔をお食べ」と人を助けながらもあんぱん=自身を差し出すのは自己犠牲を表しています。作中では食べ尽くされて顔がなくなっていますw
で、登場するのがジャムおじさん。
おじさんがいないと、アンパンマンはなりたたない。
ずっと食べ物を提供しているのはジャムおじさんですから、実は彼が正義の根本なのかもしれません。
今日もどこかでお腹をすかしている子供のためにも、アンパンマンは空を飛びます。
恋する猿は木から落ちる
youtuberはおもんないっていうのがちょっと前に炎上しましたが、お笑い芸人と比べるにはフィールドが違いますからね。横並びで比べるのは難しいところですが、今作は僕がお気に入りyoutuber「佐藤ミケーラ倭子」さんが書いた小説を紹介。
ミケさんはyoutubeでよく「再現」という名のつく動画あげているのですが、女性の心理をつぶやいた?もしくは叫んでいる?描写の一人コントをよくUPしています。それらの内容を小説化したものです。
こんな動画はこんな感じ。
すごい美人だと思うですが、独特の語り口調でただ男性を叩いていたりするわけじゃなく女性の滑稽な心情などもうまく演じていて、せっかくの美人さが吹き飛んでいますが、ワードセンスも良いし、小説もちょっとした落語みたいにオチもあります。動画をみてから本を読むとずっとミケさんの声で文章が再生されますw
逃亡くそたわけ
精神疾患を抱える花ちゃんとなごやんが、精神病院を抜け出してなごやんの車で福岡から鹿児島までの緩い旅をする物語です。
花ちゃんの自殺未遂から始まり、二人の逃避行がユーモラスで切ない展開を描いています。
「東京から来た」はずなのに名古屋弁のなごやんと花ちゃんの幻聴が絶妙に交錯する二人の不思議な距離感。
逃走劇の舞台となる九州の実際の道路で巻末にはその地図が描かれていて、作中に地元ならではの食べ物もでてくるそうで、紹介者の方も熊本に行った際にその舞台を確かめに行ったそうですw
箱男
鬼才、安部公房の代表作。
ダンボール箱を頭から腰までかぶり、覗き窓から外の世界を見つめて都市を彷徨う「箱男」の記録の物語。
作中ではずっと箱をかぶった男のことが描かれてた不思議な世界観。
この箱男。色んな意味合いがあるそうで、「デモクラシーの極限」や現代社会における倫理的および哲学的な問題に対する独特なメッセージが込められているそう。
YouTubeにある講演の音声が上がっているそうで、探してみました。
映画 枯れ葉
こちらフィンランドの映画。
人生うまくいかない男は酒に溺れ、さえない日々を過ごしていますが、あるカラオケバー?で出会った女性に惹かれていきます。徐々に距離を縮めていき二人は惹かれ合っていることを確信しますが、厳しい現実が彼らの再開を阻みます。
会えるか会えないかというシンプルな問題なのに叶わないもどかしさだったり、不器用であまりついていない主人公ふたりの恋の行方を見守りたくなる作品。
監督がアキ・カウリスマキって方でフィンランドの有名な監督さんとのことで前作で引退宣言したのに今作で引退撤回をしての発表とのことで本国でもロングランの作品になったそうです。
知る人ぞ知る監督は↓アキ・カウリスマキ作品を集めた上映イベントも組まれたそうです。
愛すべきアキ・カウリスマキ
晩酌の誕生
仕事が終わって家で一人で一杯・・・って方も結構いると思うんですが、晩酌の文化は結構近年の習慣らしいですよ。
お酒は神事のつかわれたり、集団で飲むものという古の習慣があったのですが、時代が進み、お酒の生産量が増え、一緒に食べる食の質も上がっていたことで個人が楽しむこともできるようになり、さらに夜にお酒を飲むようになったのも、灯り用の油が普及したことで夜での活動ができるようになったことも手伝っているそうです。
ちょっとしたことも歴史の積み重ねでできているのがよく分かる一冊です。
ご馳走帖 古代ギリシア・ローマの食文化
こちらはヨーロッパでの食文化についての本。
日本人が大好きなマグロ。実は古代ヨーロッパでよく食べられていた食材だそうです。
今ではよく料理に使われるオリーブオイル。オリーブは乾燥に強い植物で雨があまり降らなくても育つのは地中海でよく育ちます。オリーブの育つ地域=地中海気候の地域なわけです。
と言った感じに古代ヨーロッパの様子を窺い見ることができる本となっています。
パスタでたどるイタリア史
パスタの生産は最初は手間がかかって一日かかるため拘束時間が多く、つくる人=女性は家で居るものという風習に繋がったり、乾燥パスタができたことで、保存も効くようになったわけで、そのおかげで財産として勘定さるようになった時代もあるそうです。
ヨーロッパでは色んな諸国が立ち並んでいたのですが、それが統合されることで食文化が統合されたりして今のパスタの形があったりするそうです。
パスタを起源をたどっていくとイタリア文化が見えてくる本。食は人には必須ですからそれに伴って歴史も出来てくるってことなんでしょうね。
本は眺めたり触ったりが楽しい
読書とは?本とは?
読書家にとってちょっと気づきがあるかもしれないエッセイ。
読書とは、ただ情報を得る行為以上に、個人的で感覚的な体験であるべきだと提案しています。例えば、高声で読むこと、歩きながら読むこと、あるいは全く読まないことまで、様々な方法が紹介されており、読者に対して自由な読書スタイルを促しています。
軽快なイラストの挿絵もあって、色んなイメージの浮かぶようになっているようです。
とはいえ、積読は・・・課題ですよw
ベルセルク
最新刊42巻。
稀代の国産ダークファンタジー漫画。
作者の三浦建太郎さんの逝去で未完となりましたが、親友の森恒二により連載が復活しました。
10代からの知り合いという二人の漫画家。日頃から物語の構想を語り合っていたことで最終回まで続ける道が開けたというのは奇跡ですよね。持つべきものは親友!
ちょうど中心人物が集結したところで終わってしまいましたからね、ホント続いてよかった。このままゴールすることを祈っています。
マジ、最終回読みたい!
今、大阪で開かれているベルセルクのイベントです。全国回る形で開催されているようです。
大ベルセルク展 公式サイト
グッズ販売もされているのですが、主人公が使う大剣「ドラゴン殺し」を型どったペーパーナイフがありました。ほ、欲しい。
「仕事ができる」とはどういうことか?
楠木建氏と山口周氏が対談形式のエッセイ
仕事ができる・・・って言われたいものですが、この本では仕事に関して「センス」と「スキル」というワードが引き合いに出されています。
センスは元々の才能と思いきや、経験によって得るもので後天的なことを指しています。対して、スキルは知識として会得したもの。
スキルはこれからAIやテクノロジーによって陳腐していくかも?という予想は不安になるところですが、結局のところ、周囲の期待に応えることを考えていくと自身の得意分野・フィールドで活躍していくことで、「この人でなくっちゃ」って言われるポジションにつけるでは。とのことでした。
個人の能力もありますが、環境大事!
ねじまき鳥クロニクル
主人公の通称「ねじまき鳥」と彼の妻クミコの失踪を中心に展開します。
独特な世界観、不思議なキャラクター、超自然的な出来事に出会いながら主人公の自己探求の旅が続きます。
紹介者いわく、妻を探す旅なのでいろんな要素が入って三部作まで話がふくれているのが凄い。なのに読めると言っていましたw
現実と虚構の境界が曖昧になっていく村上春樹さんイズムがちゃんと織り込まれている作品となっています。
四月になれば彼女は
昔付き合っていた彼女から突然の便り。
結婚を控えた精神科医の主人公は、その時を振り返りますが、それをきっかけに彼の周辺でも様々な展開が起こります。そして、婚約者の疾走。
作者の川村元気さんはあまり売れないと言われている「大人の恋愛小説」に挑戦したのが今作なんだそうですが、恋愛の始まりと終わりを通して、人生の脆さと強さを織り交ぜながら、人々がどのように自己と向き合い、成長していくかを描いています。
こちら映画にもなっています。
映画版はストーリーが少し変更されて登場人物がふえていたりとまた違ったものになっているそうです。
紹介者の方は、本→映画→オーディオブックAudibleで作品を楽しんだそうで、大変満足のストリーとのことでした。
以上が今回紹介された作品でした。
拡がる読書会はお題がジャンルフリーで、お互いのおすすめ本を紹介し合う形式です。
他に面白く話せる内容があれば普通の文庫本と海外に絵本・漫画・写真集・雑誌・チラシ・パンフレットなどなんでもどうぞなのです。
みなさんのおもしろかったー!をぜひ教えてください。
ゆるーい会なので、「読書会ってどんなの?」っていう初心者の方にもオススメです。お気に入りの一冊を持って、好きなように話してくださればOK。話せなくてもて、みんなで一生懸命聞きますw
次回開催概要は↓
ご参加お待ちしております。
過去の開催内容はこちら