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開催内容 2024年6月16日(日)

ごきげんさんです。拡がる読書会の文鳥さんです。

今年は梅雨の時期が遅くなるそうですが、先に夏が来ちゃったかのような陽気。
開始時間が昼からでしたので、暑々な時にご参加いただきありがとうございました。今回もいろんな本が出ました。
良い天気の中、エアコンの効いた部屋で本の話をするのは良いですなー。

今回は自己啓発本からです。

問題解決のための名画読解

国家機関、企業、学校などで行われている美術品を観ながらいろんな解釈や糸口を見つけて問題解決へ取り組むセミナーがあるそうで、その主催者がその方法論を記しています。
宗教画とかになると、聖書の解釈が必要となってきますが、本書では近代アートを取り扱ったり、歴史的な事件について解説を織り交ぜて意識的に視点を変えられることを重点的に解説しています。
本のジャンルとしては自己啓発本になるんですが、目次だけ分かるようなファスト教養本ではなく、じっくりと考えていく姿勢が見られる本です。


なぜ働いていると本が読めなくなるのか

最近、バカ売れというこの本。
みなさん、本は読めていませんか?僕は読書会するくらいなんでなんとか読んでますが、実際によく聞く悩みですね。
その理由さがしというよりかは「読書」というものが日本人の生活の変化によってあり方が変わっていることを丁寧に解説してくれています。
本のジャンルとしては文化史、社会史といった感じでしょうか。
娯楽であったり自己啓発であったり。高尚なものであったり、便利さを求めたりと、読書と言っても人それぞれのあり方があります。
なんにせよ、読書は良いものだ。


映画「マッドマックス:フュリオサ」

最近、面白かった映画の一つです。
結構、賛否両論あるみたいですが、僕は派手にドンパチしている映画が大好きです。
核戦争により世界は荒れ果てた土地になり、少ない水、食料、ガソリンを巡って争い合う人間たちの抗争を描いた未来が舞台の作品です。
前作「怒りのデスロード」で主人公マックスとともに戦った女戦士フュリオサがマックスに出会う前のお話。復讐劇となっています。
広大な荒野、派手な爆発、チリのように果てていく戦士たち。
とにかくデタラメに派手です。
フュリオサを演じてた女優さんの眼力が凄い。かっこいい!


映画「チャレンジャーズ」

もうちょっと、評判が良くても良いのでは?と思っている映画です。
映画は二人の男子テニスプレイヤー同士の熱い試合から始まります。
それを観戦する洗練された女性。
この3人は10代から関係です。試合が進むごとに3人のこれまでの愛憎劇が部分的に差し込こまれていきます。
ゼンデイアという今売れっ子の若手女優さんの存在感が凄いんです。
ライバルの青年二人もエモいんですよね。みんな良い顔。
結局のところドロドロの三角関係でもあるので、ちょっと観る人は選ぶのかもしれませんが、試合の描き方は様々な工夫がされていて、テニス映像としてもエキサイティングなものになっています。


Meets Regional(ミーツリージョナル) 2024年7月号

紹介者の方がこの本の購入のきっかけとして、野外コンサートイベントの「FM802 35th ANNIVERSARY “Be FUNKY!!” MEET THE WORLD BEAT 2024」に行ってきたそうです。
各地域のイベントや飲食店を特集する雑誌「ミーツ」今年で創刊35周年だそうです。そして、FMラジオ局「FM802」も同じく35年目を迎えるってことでコラボ特集。ラジオパーソナリティーのインタビュー記事もたくさん載っています。
イベントの方はもう終わっちゃますけど公式サイトはこちら。



それってパクリじゃないですか? ~新米知的財産部員のお仕事~

一人の若手女性社員が知的財産部に配属されるところから物語が始まります。知的財産権について何も知らない彼女は、厳しい上司や個性的な同僚たちと共に、日々の業務に奮闘しながら成長していきます。
物語を通じて、知的財産の基本的な概念や法律、企業における知的財産管理の重要性がわかりやすく説明されています。
ドラマ化もしていて、わかりやすく専門用語も説明されているとのこと
https://www.ntv.co.jp/sorepaku/intro/
今回会場に使っている水野ゼミの本屋はもともと「知的財産学科」ですし、凄い読みやすくなっているので、AIの効率化で著作権とかも難しくなって来ますから入門編としていかがでしょうか。


禅「心の大そうじ」

日常の大きい悩みからちょっとした気がかりなど、内面の平穏と調和を取り戻すため禅の思想を通してスッキリできる本。
日頃使っている実は仏教用語だったことが知ることができます。
例えば「だいごみ【醍醐味】」は醍醐の部分は五味(甘さ・酸すっぱさ・辛からさ・苦にがさ・鹹しおからさ)から来ているそうで、最上のものをいうんだそうです。
悩める場面にはこんな言葉を・・・的な目次に書かれてるので、気になるところから読めるようなっているとのこと。


生者の行進

表紙の絵からは想像がつかないサイコホラー漫画。
主人公は義理の弟を亡くしたことより、霊が見えるという特異な能力を持っており、そのため周囲から孤立していきます。
死者が生者に対して復讐を企てているというもの気づくことで物語は人間関係の葛藤が絶妙に絡み合い、物語に深みを与えていきます。
なかなかの重みのあるシチュエーションが続きますが、事件の真相が気になるところです。全3巻で完結済み。一気読みに良いかも。


空飛ぶ広報室

航空自衛隊を舞台にした作品。
主人公は元戦闘機パイロットでしたが、ある出来事によりパイロットを続けることができなくなり、広報官としての職務に従事しています。最初は納得がいかない彼ですが、自衛隊の広報活動の重要性や、一般市民とのコミュニケーションの大切さを再認識します。
航空自衛隊の訓練や活動のリアルな描写。自衛隊員の日常や仕事の厳しさ、そして誇りを持って職務に当たる姿が描かれています。
過去にドラマ化もされているので題名だけでも聞いたことがあるのでは?


フォン・ノイマンの哲学 人間のフリをした悪魔

昨年に原子爆弾の開発、投下をテーマにしたオッペンハイマーという映画がありましたが、フォン・ノイマンという人物も開発には関わっていました。しかも彼は超天才。数学・物理学・工学・計算機科学・経済学・ゲーム理論・気象学・心理学・政治学に影響を与えた20世紀科学史における最重要人物の一人とされています。
その天才の人生観は「人間性」を切り捨てたものでした。
彼の破天荒な生涯と哲学を当時の時代背景も含めて解説しています。


死神くん

1980年代に週刊少年ジャンプで連載された漫画。
通称「死神くん」と呼ばれる若い死神で、彼の仕事は定められた時間に人間の魂をあの世に導くことです。
一話完結もので物語の各エピソードでは、死神くんが様々な人々と出会い、時には自殺を考える人、病気に苦しむ人、事故で命を落とす人などが登場し、死神くんは彼らとの対話を通じて、彼らの人生に対する考え方や死に対する恐怖心を和らげようと努めます。
作者のえんどコイチさんはギャグ漫画家のイメージが強いんですが、こちらは人情物的で良い話が多いんですよね。


食卓の世界史

世界中での歴史を「料理」を通して見ていこうという一冊。
地理的条件、調理技術、伝統、交易の盛衰、権力の在り方。
歴史上の人物たちがどんなものを食べてきたのか?
当時のエピソードや当時のレシピなども載っているそうです。
著者の遠藤雅司さんは歴史と食を研究されてる方だそうで、色んなイベントもされているそうで、こちらは商業誌ですが、同人誌も出されています。
この本を紹介された方は先月に開催された東京での文学フリマで見つけられたとのことです。
文学フリマ東京38 [開催終了]

その同人誌即売会でゲットした本を2冊ほど。
どちらも歴史での食事をテーマにした同人誌です。当時のレシピを再現しているとのこと。

Banquet - 中世欧羅巴

ビザンツ<マスターピース>

音食紀行というは音楽演奏会、昔の料理を再現することをしたりするイベントだそうです。公式サイトはこちら。美味しそうな写真がいっぱい。

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君主論

16世紀のイタリアの外交官であったマキャヴェッリの著書。
彼は現実主義的なアプローチを強調します。例えば、理想的な道徳規範に従うよりも、現実的な状況に応じて柔軟に対応することが重要だと述べています。
ビジネス書とかにもよく引き合いに出される君主論。分かりやすくするために色んな形で書籍化されているますが、せっかくの骨太な内容が薄く引き伸ばされているようだと紹介者の方は言ってましたし、翻訳とはいえちゃんと原書的なところを読んで理解を深めたほうが良いとのことでした。
うーん、確かに。


キリストと性: 西洋美術の想像力と多様性

キリスト教をテーマにした美術作品はたくさんあります。
宗教的な作品は貞操観念とか、性に対して保守的なイメージがあると思いますが、それは近年になってからの思想だそうで、昔はもっと性におおらかであり、男女の区別なども多様性が含まれていたとこの本では解説されています。
本の中にも色んな作品の写真が載っていて、分かりやすく説明が載っています。美術作品の見方を変えてくれる一冊になるかもしれません。
その副読本として下記の一冊も初回してくださいました。

クィア・アートの世界

クィアというのは性的マイノリティや、既存の性のカテゴリに当てはまらない人々の総称のことです。
LGBTQ+でいうQにあたります。
そういった性のカテゴリに当てはまらない作品集です。
古い作品もあり、実はクィアの作品というものもたくさんあります。
「クィア」という言葉がとても多様で共通の認識がないため、それを考える一つの試みとしての本とのことです。


沈黙

遠藤周作によって書かれた歴史小説。
日本の江戸時代におけるキリスト教弾圧を描いています。
一人の日本に派遣された神父は隠れキリシタンたちと出会い、彼らの信仰と苦しみを目の当たりにします。しかし、日本の役人に捕らえられ、様々な拷問や精神的な圧力に晒されます。苦悩の末、日本人キリシタンたちの命を守るため神父はとうとう・・・
ずっと重たい苦悩の作品でありますが、信仰、文化の衝突、人間の尊厳といったテーマを深く掘り下げた名作であります。
難しい話なんですが、映画化もされていてこちらもおすすめ。
配信とかで探してみては?



名曲の裏側: クラシック音楽家のヤバすぎる人生

クラシックの音楽家の人生を面白おかしく知れる本です。
クラシック音楽は高尚で優美なイメージがありますが、音楽家たちはそこからは程遠い一面をもっていたりします。
ベートーヴェンは全然モテなかった・・・それが音楽活動への活動源になったとか。
モーツァルトは晩年はお金に困っていたり、実はだらしない人だったとか、実はお墓も行方もわからないそうです。
読みながら楽曲を聞いて楽しめる、プレイリスト付きらしいので、曲を聞きながら「実はダメなだっただなぁ」と思いを巡らすもの一興かもしれませんw


動物たちは何をしゃべっているのか?

ゴリラの研究者の山極寿一とシジュウカラ研究者の鈴木俊貴との対談形式で動物の音声コミュニケーションについて記されています。
多様な動物種の間で使われる複雑な音声やジェスチャー、行動を詳しく観察しいるお二人。
どのようにして情報の伝達や社会的なつながりの形成に役立っているかを教えて下さいます。
まずは音声コミュニケーションに注目し、ジュウカラの鳴き方には文法があることは驚きですね。
非音声的なコミュニケーションにも焦点を当ていたり動物のコミュニケーションの驚くべき複雑さと多様性があり、人間と動物の違いよりも共通点にも触れています。


ブルックリン・フォリーズ

今年の四月に作者のポール・オースターさんが亡くなりました。
一時期、ファンのみなさんがSNSなどで彼の死を悼む投稿がたくさん見受けられました。
結構難解な内容なんですが、アイデンティティや生きる意味を探すことがテーマになっていることが多いので、共感性の高い作品が多い作家さんです。
あんまりハッピーエンドが少ない作家なんですが、今作では主人公の老いた男性は、離婚後に肺癌と診断され、余生を静かに過ごすためにブルックリンへ移り住みます。彼はそこで、かつて疎遠だった甥と再会し、彼の助けを借りながら人生の再生と人間関係の回復をしていきます。


人生パンク道場

パンクロッカーとしての経歴を持っている町田康さん。破天荒でもありきっちりした大人だったりと振れ幅の大きい作家さんという紹介者はおっしゃっていまして、好きな作家さんとして本書を紹介されました。
色んな人の人生相談に乗ったりしたりするんですが、確かに独特な視点とユーモアが溢れています。
「自分らしく生きること」の重要性を強調し、他人の期待や社会のプレッシャーに縛られず、自分自身の道を歩むことの大切さを説きます。
人生の様々な側面について新たな視点を与えてくれる一冊。



以上が今回紹介された作品でした。
拡がる読書会はお題がジャンルフリーで、お互いのおすすめ本を紹介し合う形式です。
他に面白く話せる内容があれば普通の文庫本と海外に絵本・漫画・写真集・雑誌・チラシ・パンフレットなどなんでもどうぞなのです。
みなさんのおもしろかったー!をぜひ教えてください。
ゆるーい会なので、「読書会ってどんなの?」っていう初心者の方にもオススメです。お気に入りの一冊を持って、好きなように話してくださればOK。話せなくてもて、みんなで一生懸命聞きますw
次回開催概要は↓

ご参加お待ちしております。
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