開催内容 2024年9月28日(土)
ごきげんさんです。拡がる読書会の文鳥さんです。
昼間はまだ暑さは感じますが朝夕はすっかり過ごしやすくなってきました。
やっと秋が来たなぁと思うんですが、あっという間に寒くなったりするのでみなさんも体温調節にはお気をつけくださいね。
今回は初めましての方が3人も来られて、おすすめされた本もいつもとは違った感じなったと思います。改めて人それぞれ読む本は違うを実感します。
読書会では自分では読まない本の出会えるの醍醐味ですが、今回も充実した回となりました。ありがとうございます。
今回は、僕が前日に映画をたくさん観たので、映画の紹介からw
続編ものばかりだったんですが、それぞれ単品でも入っていける作品だと思います。機会が会えば是非映画館へ。
映画 犯罪都市4
韓国の警察映画でシリーズ4作目。確か去年に3作目が上映されたばかりだったのにもう新作です。それほど人気シリーズなんでうしょね。
今回はオンラインカジノや仮想通貨を利用して荒稼ぎを狙うサイバー犯罪組織との対決です。
シリーズの特徴である痛快なアクションシーンは健在で、刑事マ・ソクトの鉄拳が再び悪党たちを次々に倒していきます
単なる派手な動きではなく、実際の格闘技やボクシングの技術に基づいたスタイルでパンチの一撃一撃が非常に重く、リアルに感じられます。
あんな痛そうなパンチ見たことないw
痛快な映画を観たい方はめっちゃおすすめ。前作を知らなくても全然行けるないようです。ただ、チンピラがぶっとばされていますんでw
映画 ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ
こちらも続編ものシリーズ3作目。
社会常識はほぼないんですが、殺し屋として腕は一流の少女二人。
シリーズ一作目では高校生でしたが、今作では20歳になりました。
作中ではこの二人だけのふざけ倒した会話とシビアな殺し合いのシーンが行ったり来たりとします。
今作は仕事で宮崎へ出張。しかし本人たちは仕事のついでのバカンスを楽しむことしか考えていません。そこで二人は同じターゲットを狙う一匹狼の殺し屋と遭遇。そこから宮崎の殺し屋組織を巻き込んだ抗争とも巻き込まれ絶体絶命のピンチに追いこまれます。
このシリーズのもう一つの魅力は、二人の関係性が成長していく過程です。初めはプロフェッショナルな関係だった二人が、次第にお互いを家族のように思うようになり、その絆が深まっていく様子が描かれています。二人の成長を見守りながら、感情移入しやすくなっています。
映画 ビートルジュース ビートルジュース
1988年にティム・バートンが監督したコメディホラー映画の続編。
死後の世界で「人間怖がらせ屋」を営むビートルジュースが再び登場。
前作では結婚を迫られた女性「リディア」も他の男性を結婚し、生まれた女の子「アストリッド」成長し反抗期の学生になっています。反目する親子ですが、祖父が事故死したことにより葬式のために家族が揃います。
しかし、娘のアストリッドが悪質な霊によって死後の世界に囚われてしまい、母のリディアは最終手段としてビートルジュースに助けを求めます。
それとは別にビートルジュースに恨みをいだく元妻「ドロレス」が封印から復活。ビートルジュースも非常に強力な霊から追われる厳しい立場。
親子の愛情、夫婦の愛憎劇など色んなテーマが盛り込まれているにも関わらず「死後の世界」ポップに(ちょっとグロいけど)オシャレに描いた世界観の完成率の高さは良き時代のエンターテインメント映画、ここにあり。って感じでした。
百年の孤独
ノーベル文学賞受賞したラテンアメリカ文学の代表的な作家ガブリエル・ガルシア=マルケスによる超大作。
文庫化が発売された数ヶ月前にはSNSで結構話題になっていましたね。どれだけの人が挫折したんでしょうかw。難しい文学作品です。
マコンドという架空の村を舞台に、ブエンディア一族の何代にもわたる約100年の村のある一族の歴史を描いた物語。
とにかく登場人物が多く。そして、同じ名前の人物が多数。死んだはずの人物がしれっと復活したりw。
さらに夢幻的で象徴的な出来事を現実の歴史や人間関係と交錯させる「マジックリアリズム」の手法で描かれており、僕自身、家系図を作っていつくものメモを書きながら読破しました。
しかし、人々の情熱、愛、復讐、孤独、衰退などを通して、コロンビア社会の変遷をも反映し、家族の物語を通じて人生の儚さや人間の業を深く探求した大作です。
読み終わったあとは凄い達成感でした。「やってやったぞ」という自己肯定感もあがりました。
ここはすべての夜明けまえ
結構若い人に売れてた本と聞きまして、手に取ってみました。
ちょっとSFの世界観ですが、人の様々なテーマを扱っています。
主人公の「わたし」は、永遠に老化しない身体を手に入れた女性。彼女は、約100年前に老化を止める手術を受け、その後の人生を振り返りながら家族史を書き始め、彼女の視点から見た家族の歴史や、技術の進歩と人間の感情の交錯を描いています。
不老不死という人類の夢がなかった時の技術の影響。
家族の絆。物語が進むごとにいびつな人間関係がわかっていくことにドキドキしながら人生の意味や価値について問いかけをつきつけられる物語。
未来の技術と人間の感情が交錯する世界観が魅力です。
閑話休題。さて、みなさん、読書時間、読書する場所ってどうしていいますか?
紹介者の一人は「お風呂中」とのこと。湯船に浸かりながらの読書をルーティンしているそうで、その時に読んだ本をずらりと6作紹介してくださいました。
紹介者の希望もありサラッと紹介しますね。
コンプレックス
ユング心理学に基づいて「コンプレックス」の概念を解説しています。この本は、コンプレックスがどのように形成され、どのように人間の心理に影響を与えるかを探求しています。
自分自身の内面を深く理解したい方にとって興味深い本ですね。
地政学入門 改版 - 外交戦略の政治学
地理学と政治学を組み合わせた学問、地政学の基本概念とその歴史、そして現代の国際関係における地政学の役割を解説しています。地政学を理解するための入門書。
時代によって国勢状況は変わっていきますから、地政学って掴みどころが難しいですよね。
日本語を反省してみませんか
金田一春彦さんによる日本語の使い方や表現についての考察をまとめた本です。日常的に使われる日本語の中で、誤解されやすい表現や理屈に合わない言葉の使い方を取り上げています。具体的には、夏目漱石の文や落語、謡曲などからの抜粋を通じて、日本語の正しい使い方や日本人らしい表現の仕方を再確認できる内容となっています
ボクの音楽武者修行
世界的に有名な指揮者、小澤征爾さんの自伝的エッセイです。この本では、彼が24歳の時にヨーロッパへ音楽修行の旅に出た経験が描かれています。
1959年、神戸から貨物船に乗り、スクーターでヨーロッパを一人旅しながら、ブザンソン国際指揮者コンクールでの入賞や、ニューヨーク・フィル副指揮者に就任するまでの道のりがユーモアたっぷりに語られています。
ローマ人の物語
これ文庫本で43巻あるそうです。毎日のお風呂で少しずつ読んでの読破とのこと。すごいw
壮大な歴史小説シリーズで、ローマ帝国の興亡を詳細に描いています。
ユリウス・カエサル、アウグストゥス、ハンニバル、カエサル、アウグストゥス、ネロなど、ローマの歴史に名を残す重要な人物が登場し、ポエニ戦争、ガリア戦争、内戦、帝国の分裂といった歴史的な出来事が詳細に描かれています。
ほんと、ローマは一日にして成らず。
難しい本も多く紹介してくださいましたが、リラックスしてると結構行けるものかしらん。読書を日常生活にルーティンとして確立するのは本読みとしては永遠の課題かもしれませんね。ちなみに僕はまったくルーティン化できてませんw
憧れるなー、こんな生活。
結局,ウナギは食べていいのか問題
ウナギは絶滅危惧種と言いながら丑の日は定期的に行われる日本。
今作はウナギの保全と消費に関する科学的な考察をまとめた本です。絶滅危惧種であるウナギを取り巻く複雑な問題をQ&A形式でわかりやすく解説しています。
なぜ、絶滅危惧種となっているかの理由や丑の日の文化的背景の説明から始まり、違法な取引により、市場に出回るウナギの多くが違法に捕獲されたものである現状を明らかにし、その対策についても触れています。
持続可能な消費の方法について考察したり、消費者ができることについて述べています。
僕個人的にはウナギの消費の原因はタレが美味いことかなと思ったりしますw
最近、短歌、俳句を嗜む人が多いそうで、ジャンルとして大きくなっていると聞いています。今回は下記2冊の歌集を紹介してくださいました。
読んだこともない方も入りやすい作品集となっています。
玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ
木下龍也さんと岡野大嗣さんによる共著の歌集で、男子高校生ふたりの視点から描かれた七日間の物語を短歌で綴っています。
217首の短歌が収録されており、それぞれが物語の断片となっており、青春の一瞬一瞬を切り取ったような作品が多く掲載されています。
一体、7日目に何があったのか。これは短歌によるミステリーの試みもあるそうで、ただ短歌を並べるだけではなく、世界観を明確にすることで一つ一つだけでなく、大きくまとめて一つの本しているっていのは面白いですね。
願ったり叶わなかったり
宇野なずきさんによる歌集。
日常の中で感じる絶望や希望が交錯する瞬間を描いています。例えば、祈りや願いが届かない無力感や、それに対する希望の光を短歌で表現していたり、インターネットや現代社会の風景を背景に、個々の感情や思考を鋭く切り取っています。特に、現代の孤独感や疎外感を象徴する短歌が多く収録されています。
自己認識と他者からの期待の間で揺れる心情を描いています。これにより、読者は自分自身の経験や感情と重ね合わせることができます。
帯に書かれている一句が紹介者のお気に入りだそうで
「誰ひとりきみの代わりはいないけど上位互換が出回っている」
オンリーワンと代替性という相反する言葉が並びたつ一首で、ドライな歌風にしびれたとのこと。
「未来」を発明したサル: 記憶と予測の人類史
人類が過去を振り返り、未来を予測する能力「心のタイムトラベル」をどのように獲得し、それがどのように進化してきたかを探求しています。
本書の中で特に注目されるのは、未来を予測する「先見性」が人類の発展にどのように寄与してきたかという点です。
過去の経験から学び、未来の出来事に備えることができ、先見性は暦の整備や農業の発展にも大きく寄与しました。例えば、季節の変化を予測し、適切な時期に種を蒔くことで、食料の安定供給が可能にしたり、長期的な視野に立った行動により国家の形成や社会の発展にも影響を与えたというわけです。
人類が他の動物と異なる進化を遂げる上で非常に重要な役割を果たしたことを追求しています。
ルリユール
「ルリユール」は、フランス語で「製本」を意味し、特に手作業で行う工芸的な製本技術やその職人のことです。
女子中学生の瑠璃は、祖母の家を訪れた際に「黒猫工房」という不思議な製本工房に出会います。そこで出会ったクラウディアは、傷んだ本を修復する「ルリユール」という職業。瑠璃はクラウディアと共に、本を修復する過程で様々な人々の物語に触れ、自身の成長と向き合う物語です。
修復される本は、単なる物質ではなく、思い出や感情が詰まった大切な存在として描かれ、瑠璃がクラウディアや他の登場人物との交流を通じて、自分自身の過去や感情と向き合う姿が描かれ、現実とファンタジーが巧みに織り交ぜられた物語で特に、黒猫工房の雰囲気やクラウディアの存在が、物語に魔法のような魅力を加えています。
ちなみに紹介者の方はこの本をオリジナルの表紙にしたりして、見事「ルリユール」していましたw
馬馬虎虎 vol.1 気づけば台湾
馬馬虎虎(マーマーフーフー)。中国語で「いい加減な」「まぁまぁ」という意味でおざなりでなく、良い加減、ほど良くと言う事です。
紹介者の方がコロナ禍の中、本だけでも旅行気分を味わいたくて手に取った一冊とのことです。
台湾に住み暮らした著者による極私的台湾紀行。
ただの情報網羅的なガイドブックではなく、滞在生活から窺い知った街の様子や人々との出会いなど、肌身で感じた「台湾」を滞在時の写真などの記録を絡めながら綴った一冊。
本越しではありますが、未知の場所や文化と関りを持つことの楽しみと豊かさが伝わったとのことでした。
おなじ星をみあげて
物語は、モントリオールの労働者階級地区・マイルエンドの公園で出会った若いユダヤ人の少年ヤコブとイスラム教徒の少女アイシャの友情から始まります。
二人は星や星座に深い興味を持ち、科学者や宇宙飛行士になることを夢見て語り合いますが、親同士の対立により引き離されてしまいます。そして大人になったふたりは偶然にもある学会で再会することになります。
ユダヤ教徒とイスラム教徒という異なる宗教背景を持つ二人の友情が描かれ、宗教や文化の違いを超えた人間関係の大切さがテーマの絵本。
海外の本ですが、フランス在住の作家でありミュージシャンの辻 仁成が翻訳されています。
パリのおばあさんの物語
パリに住むユダヤ人のおばあさんの人生を描いた感動的な絵本です。物語は、彼女の過去と現在を行き来しながら進行します。
若い頃にナチスの迫害を受け、家族や友人を失い、パリに移りすんだ彼女。物語の中で、おばあさんは過去の思い出を語り、戦争の恐怖や失った人々への思いを振り返ります。
「老いや孤独」のテーマも相まって、おばあさんの人生は多くの困難に満ちていますが、彼女は常に前向きであり続けます。
彼女は現在の日常生活の中での小さな幸せや、近所の人々との交流を楽しんでいくことで老いを迎えることへの不安を和らげ、年を重ねることの素晴らしさを伝えています。
ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ
人気キャラクター「ちいかわ」
この本が出た時に参加者から「え?ストーリーってあるの。このキャラ」という声があがりましたw
キャラ先行のイメージですが、2020年からTwitter(現・X)で連載が始まり、2021年に単行本化という経緯があり、アニメ化もされています。
物語の主人公は「ちいかわ」と呼ばれる小さくてかわいいキャラクターたちです。彼らは、日常の中で楽しいことやちょっと切ないことを経験しながら、友達と一緒に過ごしています。ちいかわたちは、草むしりや討伐といった仕事をして生計を立てており、その報酬で欲しいものを手に入れたり、美味しいものを食べたりしています。「友情」と「日常の小さな幸せ」がテーマに不思議な世界観が描かれています。
ねこくま、めしくま
上記「ちいかわ」の作者「ナガノ」さんの癒しのイラストエッセイ集です。
ナガノさんが描く可愛らしい猫たちる2匹の猫「アメカ」と「茶白」とのゆるやかな日常が描かれています。アメカは無邪気でちゃっかりした性格、茶白は慎重でお風呂のお湯を飲むのが好きな猫です1。対照的な性格の2匹に振り回されながらも、ナガノさんはその生活を楽しんでいます。また、食べ物に関するエピソードも多く、ビールやバイキング、夜中に食べるカップ麺など、一食一食が楽しいイベントとして描かれています。
地面師たち
新庄耕さんによるクライムノベルで、2024年にNetflixでドラマ化されました。流行ってますよねー。
土地の所有者になりすまして売却をもちかけ、多額の代金をだまし取る「地面師」の犯罪を描いています。2017年に実際に起きた「積水ハウス地面師詐欺事件」をモデルにしています。結構近年の事件なんですね。
主人公の辻本拓海は、かつて父の経営する不動産会社で働いていましたが、地面師詐欺に遭い、家族を失います。その後、地面師グループのリーダーであるハリソン山中に誘われ、交渉役として活動することになります。
物語は、辻本が地面師としての活動を通じて、過去のトラウマと向き合いながら、次々と詐欺を成功させていく様子を描いています。彼らの巧妙な手口や、警察との攻防がスリリングに展開されます。
以上が今回紹介された作品でした。
拡がる読書会はお題がジャンルフリーで、お互いのおすすめ本を紹介し合う形式です。
他に面白く話せる内容があれば普通の文庫本と海外に絵本・漫画・写真集・雑誌・チラシ・パンフレットなどなんでもどうぞなのです。
みなさんのおもしろかったー!をぜひ教えてください。
ゆるーい会なので、「読書会ってどんなの?」っていう初心者の方にもオススメです。お気に入りの一冊を持って、好きなように話してくださればOK。話せなくてもて、みんなで一生懸命聞きますw
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ご参加お待ちしております。
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