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開催内容 2024年 5月11日(土)

ごきげんさんです。拡がる読書会の文鳥さんです。

今日はホントええ天気。
ありがたいことに新しい方も常連さんもいい感じの比率での開催となりました。
紹介型の読書会なので自分の好きなものを話していただけばOKの会なので参加するハードルは低い方だとは思うんですが、読書会自体が初めてという方もちょくちょく来られるので、開催する側としては喜んでもらえるか実は緊張したりしてますw
話すのは緊張するとは思いますが、色んな本の話も聞ける機会でもあるのでまだ読書会に参加したことがない方はぜひ参加してみてください。読書会は良いものです。

トランスジェンダーになりたい少女たち SNS・学校・医療が煽る流行の悲劇

アメリカではここ数年でトランスジェンダーを自認する方がすごく増えたそうです。思春期に自身の性別違和を覚えることが多いそうなのですが、特に女性が男性になるトランスジェンダーに絞って、少女たちの環境を分析した本です。
生きづらさを抱える若者たちが学校やSNSで過激なジェンダー思想に影響されてることが大きな原因としています。
性別移行を行えば今感じている不安や希死念慮が解決するはずと思ってしまい、性転換へと興味を移すもののその不安が消えないことに絶望してしまうケースがあるそうです。
多様性が受け入れられることによって、安易に自認がぶれてしまう社会環境について色々と解説されています。


ベートーヴェン捏造: 名プロデューサーは嘘をつく

稀代の作曲家ベートヴェンは人生の後半は耳が不自由になりました。それから彼とのコミュニケーションを取るのにノートで筆談をしていました。そのノートの数は数百冊。しかし、その大半を廃棄し、残ったノートの内容を捏造していた人物がいました。
それは秘書のアントン・フェリックス・シンドラー。ベートーヴェンに忠誠を誓い、尽くした人物でしたが、貴重な歴史的資料を私欲のために改ざんした犯人であったわけです。
この事件は史実なんですが、この本では小説風にどのようにシンドラーが私欲に走ったのか、他の人を押しのけるように自身の名誉のために動いたかを記しています。
まぁ、ベートヴェン自身がクセの強い人物だったみたいですが、登場人物は全員クセ強w
ジェットコースター的な展開で思わず一気読みした本です。


最後の晩ごはん

こちら深夜でのご飯屋さんを舞台にした小説。
若手俳優だった主人公はスキャンダルに巻きこれて地元に返り定食屋で働くことになります。
とはいえ、普通の定食屋ではありません。幽霊が現れるんですw
幽霊たちの生前に食べたい最後の食事をテーマに物語が描かれます。
現時点で19巻もでているそうで、人気シリーズなんですね。しかもドラマ化もされているそうです。
物語はそれぞれのキャラクターが自分の人生を振り返りながら、心に残る食事を楽しむ様子を温かく、時には感動的に描いています。


広重ぶるう

江戸時代後期の浮世絵師・歌川広重の小説。
浮世絵の世界で、葛飾北斎とともに、世に知られる歌川広重。
実は、歌川広重は火消し同心として、江戸の火事を消すかたわら、絵を描いていたそうですが、生活に行き詰まりを感じていた現代の若者で、偶然に広重の浮世絵と出会うことから自分自身と向き合うきっかけを得ます。現代人の心に訴えかけるかを堪能できる作品となっています。
ゴッホやモネなどの西洋の画家にも影響を与えたという画家で、特に空や海を描いた「ヒロシゲブルー」と言われる色についてのエピソードもあり、日本芸術の造詣も深い作品となっています。


きみのお金は誰のため: ボスが教えてくれた「お金の謎」と「社会のしくみ」

小説なんですが、経済と社会の関連性を探るビジネス書といえる作品です。
中学2年生の優斗は、ひょんなことで知り合った女性と謎めいた屋敷に住むボスと呼ばれる大富豪と出会います。ボスからの教えによって、お金の流れを通じて経済がどのように機能しているか、そしてそれが個々の生活にどのように反映されるかを明らかし、賃金、税金、投資、消費といったテーマを取り上げ、それぞれが社会の構造や経済の安定性にどのように寄与しているかを理解していきます。
学生、若者向けに描かれているんですが、大人の人でも気づきの多い作品になっているとのことです。
物語なら難しい経済や金融の話も分かりやすく入ってきますよね。


アンチエイジングは習慣が9割: 最新医学が教える本当に効果のある若返り法

日常生活の中で取り入れやすいアンチエイジングの習慣を提案する健康指導書といえる本です。
健康的に生きるにはまずは「病気にならないようにする」ことが大事わなけですが、予防医学の範囲ですかね。
運動、食事、睡眠、ストレス管理など、生活の基本的な側面に焦点を当て十分な睡眠とストレスを効果的に管理することで、老化の進行を遅らせることができると説明しています。
科学的に裏付けられた体内からの健康と若々しさを保つ方法を紹介しています。


リヴァイアサン

政治哲学の古典ともいえる本作。
人間の自然状態と社会契約理論について深く掘り下げています。
人間は本来、自己保存の欲求を満たすために他者と競争する存在で、このような無政府状態から脱するために、人々は互いに権力を一箇所に集中させることに合意し統治、つまり国家が必要となってくるというわけです。
国家の正当性と権力の根源を探求するものであり、後の啓蒙思想や現代の政治理論に大きな影響を与えていますが、人間は元々野蛮なものとしていて、ずっと戦争がないもの人間の性なのかしらと考えさせられます。

紹介者はそれに対するように人の善性について描かれた次の本を続けて紹介してくださいました。


Humankind 希望の歴史 人類が善き未来をつくるための18章

人間の本質と社会の可能性について楽観的な視点を持って様々な事案を対する形で人間は本質的に善良で協力的であるという考えを訴えています。
メディアや社会がしばしば人間の負の面を強調することで悲観的な世界観を広めていると批判し、人間はもっと前向きで建設的であり、自然災害や危機の際に見せる人々の自発的な助け合いや、競争よりも協力を重視する社会構造を例に挙げています。
これらが人類が共により良い未来を築くための鍵となっていて、公正で平和な社会を構築するために、人間の善性を信じたくなる希望のある本となっています。


みなもの底で今日もうたう

こちら水野ゼミの学生さんが紹介してくださったのですが、今年の一月になった京都の文学フリマで出店した際に他のサークルから購入した同人誌だそうです。
文学フリマは文字モノの同人誌即売会のことです。日本各地で行われていますよね。
「六月の桃」さんの日記や詩などが収められた一冊
https://twitter.com/rokugatsunomomo
会場で実際に作者の方と話したことで思わず買っちゃったそうですw
表紙の絵もご本人が書いたものだそうで手作り感もあって良いですよね。
出会いによって作品を手に取ることができるのは即売会の醍醐味ですよね。

DRAGON QUEST―ダイの大冒険―

人気ゲームのドラゴンクエストを元に少年ジャンプで連絡されていた漫画です。
完結したのはだいぶ前ですが、完成度の高い少年漫画として有名な作品です。
復活して魔王を倒すための仲間を集め、協力しながら成長していく王道漫画ですが、今読んでも熱い物語です。
以前はアニメの方は途中で終わったんですが、ちょっと前にリメイクされてアニメも見事に物語が完結しました。
意外な人物が見事に成長するんですよね、あの展開は僕も当時は興奮しましたw


自分とか、ないから。教養としての東洋哲学

noteで話題になった『東洋哲学本50冊よんだら「本当の自分」とかどうでもよくなった話』を書籍化したもの。
https://note.com/shimmei/n/n6a2c5246a676
無職なった作者は余った時間で仏教に関する本を読み倒して、それをブログに記し、自分なりの結論に達したそうで、紹介者の方も仕事なども色々悩んでいた時に本屋で目にして思わず手に取ったそうです。
インド哲学や中国の儒教、道教、そして日本の禅など、さまざまな東洋の哲学を通じて、「自分」という概念の相対性を説明しています。
日常でちょっとどうしようかと悩むような瞬間だったり、色んな状況でも役立つような考え方なども載っています。


2035 10年後のニッポン ホリエモンの未来予測大全

まだまだ健在な著名なビジネスパーソン、ホリエモンこと堀江貴文さんが今後の日本について語った本です。
AI、お金、暮らし、産業、テクノロジーといったカテゴリーに分けて58トピックの記事が載っています。
AIの進化をどう扱っていくか、経済の変化や懸念、モートワークの普及による労働の自由度の増加や格差の拡大など、現代の状況を分析して、次世代の技術や経済、社会構造の変化を洞察し、読者に未来への準備をさせる本になっていると言えます。
よく炎上している方ですが、言ってることは的を得てることが多々ある方でもあるので個人的にはチェックしておきたい一冊です。


一九八四年

有名なディストピア小説の代表作品ですね。
色んなSF作品に影響を与えています。
全体主義的な政府によって管理される未来社会で足掻いてみせた人物の顛末を描いています。
裏切り、拷問に洗脳。孤独感。ずっとしんどい物語だったりするんですが、目が話せない。世界観は大げさとも見える管理社会だったりするのですが、未だに支持される今作は、架空の未来でありながらもどこかかしら現実味を感じてしまうのが凄いところ。


一杯のおいしい紅茶

上記紹介した「一九八四年」の作者、ジョージ・オーウェルのエッセイ。
こちらはイギリスでのオシャレな日常を描いたもので、一九八四年の作風とはまったく違うギャップに驚きます。
「理想の紅茶の淹れ方」だけではなく、スポーツ、娯楽、文学作品へのオーウェルの意見など、妻となるソーニアに宛てた、自分の暮らす島に遊びにおいでと誘う手紙の書簡集などもあるそうです。
日本人からするとある意味、異世界のお話っぽく感じますねw


独裁者の学校

ナチス時代を生き抜いたエーリヒ・ケストナーによるナチスへの皮肉となる戯曲作品。
暗殺された大統領の替え玉を養成する「独裁者の学校」。
厳格で洗脳的な教育を受ける少年たちの生活を描き、次々を独裁者を入れ替えていくことで大臣たちは彼らを使い回して権力の座に居座ろうとしますが、思わぬ政変が起き・・・
個人のアイデンティティと自由の尊重、及び集団思考や独裁政治の危険性に対する警鐘でもあるのですが、どこか皮肉とユーモアも感じるものとなっています。


「経済成長」の起源: 豊かな国、停滞する国、貧しい国

経済成長の地理的条件、政治制度、文化的要因など、経済成長に影響を与える様々な要素を分析した一冊。
歴史的な出来事や制度的な遺産が長期的な経済成長にどのように影響しているか、なぜ一部の国々が経済的に豊かになり、他の国々が貧しさにとどまるのかを解明しようとしています。
イギリスでの産業革命の成功要素だったり、歴史的な観点や色んな国での例を挙げているんですが、温故知新といいますが、今後の日本についても参考になりそうなヒントがあるかもしれない一冊かもしれません。


以上が今回紹介された作品でした。
拡がる読書会はお題がジャンルフリーで、お互いのおすすめ本を紹介し合う形式です。
他に面白く話せる内容があれば普通の文庫本と海外に絵本・漫画・写真集・雑誌・チラシ・パンフレットなどなんでもどうぞなのです。
みなさんのおもしろかったー!をぜひ教えてください。
ゆるーい会なので、「読書会ってどんなの?」っていう初心者の方にもオススメです。お気に入りの一冊を持って、好きなように話してくださればOK。話せなくてもて、みんなで一生懸命聞きますw
次回開催概要は↓

ご参加お待ちしております。
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