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開催内容 2023年 12月16日(土)

ごきげんさんです。拡がる読書会の文鳥さんです。
いやはや、もう12月。でもなんでか暑いですよね。なんでしょう、この気候w
読書会が終わる頃にはちゃんと冷えてきたりして、やっぱり冬だなぁと思ったりする気温の高低差に振り回されている今日この頃。

今回も色んな本が出てきて充実した回となりましたよ。
クリスマスシーズンということでクリスマスに関する本も出ました。
安定した楽しさの読書会になって自己満足している今日この頃。
参加者のレベルに感謝。毎度ありがとうございます。
まだ参加されていない方は是非参加してみてください。良い刺激になりますよー。

破獄

「昭和の脱獄王」の異名でしられる「白鳥由栄(しらとりよしえ)」をモデルに戦時中の食糧難の時代の刑務所で脱獄事件を何度も起こした脱獄犯と看守、警察との壮絶な駆け引きを小説にしたものです。
26年もの間に4回の脱獄!ガチガチの監視と拘束状態にも関わらず脱獄してみせる主人公の人間離れした能力と凄まじい忍耐力にはマジカヨ!と唸ってしまいます。小説になっているからドラマチックになっているのかな?と思いきや事実ではもっと超人エピソードがあるらしいです。
主人公の凄さもありますが、戦中の日本の物資不足な背景も相まって、看守や警察官の大変な苦労が見えて、登場人物すべてに力強さが見える作品です。

科学者たちが語る食欲

人間はタンパク質とか炭水化物とか知識として栄養素をわかっていますが、他の生き物たちはどうやって生きていくための必要な栄養を見分けているのか?と科学者たちが様々な実験を重ねていく過程が描かれています。
昆虫から始まり、ネズミから類人猿へとスケールアップしたり、違った角度からアプローチしています。
実験から生物たちは必要な栄養をシビアに選んで食べていることが分かっていきます。そして、人類の肥満の原因へと核心へと迫っていきます。
人間はなぜ、過剰に栄養をとってしまうのか?
様々なダイエット論がある中、そもそも何故太ってしまうのかの理由のエビデンスを確実に取りに行く科学者たちの姿勢は今の時代に大切なことだなと思います。あと、タンパク質は大事w


最後の竜殺し

現代に魔法使いが普通にいたら?というIfの世界観のファンタジー小説です。
魔法が使えると有利では?というわけでもなく、現代社会の法律にがんじがらめにされている魔法使い。ちょっと大きい魔法を使うにも役所に書類を提出して承認を得なければいけませんw
魔法使いはまるで便利屋のようにしか働けません。
この世界にはドラゴンもいます!しかし、最後のドラゴンが死んでしまうという予知する魔法使いがたくさん出てきたせいで、ドラゴンが住む土地がの利権を争う人類の悲喜こもごもが描かれていうのが面白いです。
現代の理屈とファンタジーの設定を上手く混ぜ込んだお話はテンポも良く、登場人物のキャラの良さもあって実に良くできています。続編もでているそうなので、そちらも気になるところです。


わたしは あなたは: ベアトリーチェがアジザの、アジザがベアトリーチェの伝記を書く話

イタリアの児童書です。
図書館の司書さんは子供向けのワークショップでペアになった二人にお互いの「伝記」を書きあうことを提案したことで、モロッコ人とイタリア人の女の子の交流が始まります。
お互いの家族も登場して、魅力的な人たちがたくさん出てきます。
モロッコ人の女の子は移民であることが分かってきて、その実情なども描かれていきます。
出生が違う者同士がお互いを知ろうとする大事さ。また、そのきっかけってなかなかないなぁを考えさせられる作品です。
ちなみにこの本は
水野ゼミの書店の一つ「itatana(イタターナ)」さんの「よしとみあや」さんが翻訳されています。イタリア文学系の作品の読書会もされていますので、興味のある方はお問い合わせくださいな。


けもの谷

江戸時代の美濃大垣藩。今でいうと岐阜県にあたるところですね。人の行き来もない限界集落。自然が圧倒的に強い村に猪神と呼ばれる大猪が現れます。
大猪はあっという間に人間を蹴散らし惨殺していきます。
その復讐に燃える二人の男の友情と壮絶な戦いを描いた作品。
猪と言う形で具現化した自然脅威に人間は迎合していくのか?それとも打ち破るのか?
あと、人間関係においてもかなり残酷な場面もあって、対自然だけではないところが良いですねー。

クリスマスのりんご

ブックサンタのおすすめ本にあったとのことでチョイスしたそうです。
クリスマスにまつわる9つの短編がまとめられた児童書。
中でもオススメのエピソードを一つ紹介してくださいました。
湖の真ん中の孤島に住む親切な老人。冬の大寒波で湖が凍ってしまい、船が出せません。そこで日頃から動物たちに優しくしていたことから動物たちから恩返しを受けます。
挿絵も可愛く、語り口も児童書なので、読みやすくそして心が暖かくなるお話がいくつもあります。

「ブックサンタ」とは本を大変な境遇にいる子ども達へ届けるチャリティー活動です。書店からでもネットからでも気軽に参加できますので、気になる方はこちらからどうぞ。



ゼロからスタートベトナム語 文法編

紹介者の方の職場にベトナム人の方が多いそうで、その人達とちょっとしたコミュニケーションでも取れたらなぁということで購入した一冊。
ベトナム語ってどんな文字?と思ったんですが、アルファベット表記なんだそうです。
難しいのが発音がなかなか独特なんだそうです。
6つの声調。12の母音。
ちょっとした発音の違いでいくつもの意味合いが変わってくるそうです。
その反面、文法は比較的やさしいのでは?とのことです。
しかし、ヒアリングやスピーキングが難しいので本だけではなく、習いに行こうかと考え中だとか。
いつかもっと楽しく職場の人たちと話せる日が来ることを祈っています。


人生オークション

不倫の果てに刃傷沙汰になり謹慎中の叔母を訪ねた、就職浪人でアルバイトの主人公。祖母の家には大量の段ボール。その処分を二人で考えた末、お荷物な過去」をオークションに変えていきます。
手放していくこと、欲しいと願うことの対比を二人の人物を通じて描いた小説です。
他に付き合いの長い男女カップルの結婚観の違いを描いた作品も収録されています。
価値観のお話なのですが、重い感じでもなく一気読みしていまい、読後感良い一冊だそうです。


サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福

出ました、サピエンス全史。
人類はホモ・サピエンスという人類種なのですが、他にもいた人類種と違ってなぜ生き延びたのか?
人類が地球で何故こうして生息地を拡大して繁栄することができたのか?
人類の過去を紐解くことで、未来にどう臨んでいくかを描いた世界的ベストセラーです。
ホモ・サピエンスだけが持つ「虚構を信じる」といった概念が他の種とは一線を画したわけですが、共通概念によって社会性が生まれ秩序を守る事に繋がっていきます。
そして、戦争は意味のないこととして未来は平和へと繋がるはずですが・・・現代でも各地で紛争や戦争はなくなりません。
人類はこれからもどう進んでいくのでしょうか?
そして、副読本として漫画版の方も紹介してくださいました。
漫画 サピエンス全史 人類の誕生編

内容は人類種間でどのように差がついたか、繁栄していったかの部分を主に漫画で解説してくれています。書いている内容は難しいところはありますが、漫画でストーリー仕立てになっていますので、人類史に興味を持つきっかけ本にはなりそうです。


図説 クリスマス全史:起源・慣習から世界の祝祭となるまで

この記事の時点ではもうすぐクリスマス。
クリスマスってキリストの生誕祭って事以外はよく分かってない方もおおいんじゃないでしょうか。
クリスマスの起源について宗教や政治、そして文化的な視点から豊富な資料を並べて解説している本です。
元は収穫祭的なお祭りから始まったそうなんですが、キリスト教を広めるためだったり、色んな理由によって今の祝日としての形になってきました。
キリスト教の祝日なんですが、時代によってはキリスト教によって迫害の対象になっていたりいたそうです。
クリスマスの起源を知ることでもっと祝日を楽しむことに深みが出るかもしれません。興味深い本です。


内なる宇宙

人類の発祥の謎に迫った古典SF「星を継ぐもの」のシリーズの第4弾。
元は3部作でストーリーは完結しているんですが、その補完するような形で後年に発売された本作。
古典SFにあたる作品ですが、超電子頭脳が人々を架空世界漬けにしているというバーチャルリアルやAIについて語られており、現代においても錆びつかない世界設定には舌を巻くそうです。
このシリーズ、実はまだもう一作、未訳の作品があるんですよね、確か。
著者はどこまで未来を想像?見通していたのでしょうか。すごいパワーのあるシリーズです。


特別展 生誕270年 長沢芦雪 ー奇想の旅、天才絵師の全貌ー

「奇想の絵師」の一人、長沢芦雪(ながわろせつ)の展覧会が面白かったとのことです。
奇想の絵師っていのは美術史家・辻惟雄さんの著書「奇想の系譜」で紹介された、奇想天外な絵を描いた江戸時代の絵師のことだそうです。
他に伊藤若冲(いとう・じゃくちゅう)、曽我蕭白(そが・しょうはく)とかが有名ですよね。
奇想と言われるだけにタッチが独特で、コミカルにも見えます。
動物画とかはちょっと可愛かったりするんですよねw
竜の絵なんかが雲で身体を隠す描写が多いですが、芦雪は全体像を臆することなく描いていてダイナミックな作品もあります。
もう開催は終わっちゃってるそうなのですが、評判は良いみたいなのでまたどこかで開催されることを期待しましょう。
あと、奇想の絵師を紹介した書籍はこちら。他の絵師も気になりますよねw
奇想の系譜



言語学的ラップの世界

言語学者の川原繁人さんが日本語とラップの相性の良さや、韻を踏む「言葉遊び」として日本語愛を語っているエッセイと現役ラッパーへのインタビューが載っている本作。
ラップ自体は海外のものですが、それが日本語でも当てはまる事が気になって韻の仕組みを分析を始めたことや、その分析をラッパーたちへ披露していくことなどが語られています。
言語学って面白いですよね。会話使っている日常の言語は実は色んな構成でなりっているんです。
紹介者曰く、元は中国語に興味を持って習い始めた時に、逆日本語の成り立ちに気になりだして言語学に行き着いたそうですw
ちなみに下記動画が言語学への興味のきっかけの一つだそうです。
古代日本語会話講座-上代日本語で喋ってみた

上代日本語とは古墳時代頃から奈良時代頃まで日本(特に、都のあった奈良付近)で使用されていた言葉だそうで、現代の日本語はまったく違いますw
いやはや、興味深いですな。

それってパクリじゃないですか? ~新米知的財産部員のお仕事~

中堅飲料メーカーに勤める主人公は、自社の特許や商標を権利化する知的財産部に異動になります。上司の弁理士にしごかれながらも、色んな商標や訴訟騒ぎに関わっていきます。
ドラマ化もされていて、ストーリーもありきなので知的財産について触れながら楽しめる作品となっています。
拡がる読書会の会場の一つ。「水野ゼミの本屋」は大阪工業大学の知的財産学部の学生さんが運営されています。
知的財産学は①発明、デザイン、著作物などの「知的創作物」、②商標や地理的表示などの「営業標識」、③営業秘密やビッグデータなどの「有用事業情報」といった範囲にわたります。
その知的財産について取り上げられた小説が今作ということでの紹介でした。


以上が今回紹介された作品でした。
拡がる読書会はお題がジャンルフリーで、お互いのおすすめ本を紹介し合う形式です。
他に面白く話せる内容があれば普通の文庫本と海外に絵本・漫画・写真集・雑誌・チラシ・パンフレットなどなんでもどうぞなのです。
みなさんのおもしろかったー!をぜひ教えてください。
ゆるーい会なので、「読書会ってどんなの?」っていう初心者の方にもオススメです。お気に入りの一冊を持って、好きなように話してくださればOK。話せなくてもて、みんなで一生懸命聞きますw
次回開催概要は↓

ご参加お待ちしております。
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