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開催内容 2024年9月14日(土)

ごきげんさんです。拡がる読書会の文鳥さんです。

台風が過ぎたなぁと思いきや、まだまだ残暑が続きますねー。
今回、毎月場所をお借りしている水野ゼミの本屋さんにテレビの取材がありまして、拡がる読書会も撮影がされました。
あくまでも水野ゼミでの学生さんのゼミ活動の風景として取材なので、どれほど撮影されたのかはわからなところですが、いつもとは違った雰囲気での開催となりました。
ご参加いただいた方々、ご協力ありがとうございました。
今回も色んな本を紹介していただきました。

今回は「世代」をテーマに3冊ほど。そこからスタート。

令和元年の人生ゲーム

Z世代の意識高い系の大学生や新入社員たちが、ビジネスコンテストやベンチャー企業での活動を通じて、自分たちの可能性を模索する姿を描いた小説。
毎章ごとに年数が進み、語り手は変わるんですが、共通して「沼田」という青年が登場し、彼を語るうえで若者たちが直面する社会の厳しさや、自己実現の難しさが浮き彫りになっていきます。
Z世代の独特な考え方やリアルに共感できちゃう部分もありますが、意識の高さゆえの変なベクトルの彼らを冷笑するような描写もあり結構ニヒルなお話です。


退職代行業者が今すぐ伝えたい! Z世代が辞めたい会社

近年、会社を辞めるのに退職代行業者を使う人の話がニュースやネットなどで見かける事があるようになってきましたが、その「退職代行業者モームリ」という会社の社長がどのような人物がどのような会社に退職代行業者を使っているかを紹介しています。
だいたいはブラック企業と言われる会社が目立ちますが、依頼する側の人もちょっと意外な理由で退職代行業者を使ったりすることがあったりするので、会社も労働者も世の中色んな人がいるなぁと関心します。
Z世代の特徴もたくさん書かれていますが、退職代行業者を使うのは世代関係なく色んな方がこれからも増えてくると思いますね。


オン・ザ・ロード

こちらはアメリカの「ビート・ジェネレーション」を描いた作品。
ビート文学という戦後のアメリカ文化と政治に大きな影響を与えた文学運動がありました。
ビートとは音楽の「打つ」という意味だけではなく、「消費された」「うちのめされた」という意味もあります。一見豊かなアメリカ社会には、そこから逸脱しているために無視され、打ちのめされてきた多くの落ちこぼれたちが破滅的な刹那的な生き方を描いたのが今作です。
作者のジャック・ケルアックによる自伝的小説であり、主人公サル・パラダイスと彼の友人ディーン・モリアーティがアメリカ大陸を放浪する姿を描いています。ディーンは自由奔放で冒険心に満ちた人物で、サルの旅のインスピレーションとなります。
物語中、アメリカを東へ西へと渡り、成長する主人公といつまでも変わらないディーン。彼らは様々な人々と出会い、別れを繰り返しながら、人生の真実を見出していきます。


ホモ・デウス

「ホモ・サピエンス全史」が大ヒットした後に出したユヴァル・ノア・ハラリによる著書。
テクノロジーの進化が人類にどのような影響を与えるかを考察し、特に人工知能や遺伝子工学などの新しい技術がもたらす可能性について議論しています。
テクノロジーの進化に伴い、従来の倫理や価値観が変わる可能性、の意思決定を支援する場合、その判断が倫理的に正しいかどうかをどのように評価するかが問われます。また、遺伝子編集による人間の改良が進むと、「人間らしさ」とは何かという根本的な問いが浮上します。
ホモ=人間。デウス=神。進化により神へと近づく未来を想像しますが、ワクワクする未来も感じますが、人の倫理がそれに追いつけるのか?という疑問も残ります。

紹介者の方はこの本に対して、マイケル・サンデルの著書をもって更に深堀りしてくださいました。
完全な人間を目指さなくてもよい理由-遺伝子操作とエンハンスメントの倫理

「これからの「正義」の話をしよう」「実力も運のうち 能力主義は正義か? 」の著者であるマイケル・サンデルは人間の生命や能力は「贈られもの」であり、これを人為的に操作することは謙虚さを失わせると主張しています。遺伝子操作やエンハンスメントによって、親が子供に対して過度な期待や責任を負わせることになる可能性があると警告し、経済的に裕福な人々がこれらの技術を利用して自分や子供の能力を向上させる一方で、そうでない人々は取り残され社会的な不平等を助長するリスクを警鐘しています。
そして社会全体の共感能力や寛容さが失われていくことを懸念しています。
テクノロジーの進化がもたらす倫理的な課題について深く考えさせられる一冊となっています。

さらに、科学の功罪やテクノロジー社会の課題を象徴的に描いていると言われている作品に「フランケンシュタイン」という作品があります。それに引っ掛ける感じで下記も紹介

評理論入門: 『フランケンシュタイン』解剖講義

メアリー・シェリーの「フランケンシュタイン」を題材に、様々な批評理論を用いて作品を深く分析しています。
本書は2つの内容で構成されており、まずは小説がどのようなテクニックを使って書かれているかを解説します。そして、フェミニズム、マルクス主義、ポストコロニアル理論などの批評理論を用いて「フランケンシュタイン」を分析し、作品の新たな側面を明らかにします。
批評理論の基礎を学びたい方や、文学作品を多角的に理解したい方にとって良いガイドブックになるでしょう。
てか、フランケンシュタイン自体マジおすすめ。未読の方はそっちから読んでみてくださいw


荒野へ

厳寒のアラスカで亡くなったクリストファー・マッカンドレスという若者の手記や彼と関わった人々の証言をもとに書かれたノンフィクション作品にあたります。
彼は大学を優秀な成績で卒業した後、24,000ドルの貯金を慈善団体に寄付し、家族や友人に何も告げずに旅に出ました。そしてアラスカの荒野にたどり着きました。しかし、十分な準備をせずに過酷な自然環境に挑んだため、最終的には餓死してしまいます。
そこに至るまでの若者の冒険心や自由への渇望、そして自然の厳しさを描いた感動的なドキュメンタリー。
表紙の雪に埋もれたバスは、彼が中で遺体となって見つかった場所だそうです。聖地化してしまい、極寒の地にも関わらず訪問者が多数。しかし遭難とかする人も出てきたそうなので今はもう無いそうです。


だいたい1ステップか2ステップ! なのに本格インドカレー

本書では工程が1ステップか2ステップのみのカレーばかり。調理時間はだいたい15分以内。手順は減っても、本格的なおいしさをお約束するレシピのみが詰まっています。
電子レンジで作れたたり、お米の方もカレーに合う米のつくり方も会ったりとこの一冊でカレーをすべてフォローしてる感じですねw
使っているスパイスもスーパーでも揃うそうで、なんならダイソー、百均でも揃うとのこと。
スパイスから作るとなるとハードル高そうですが、この本の話を聞いているとチャレンジしたくなりますね。



お笑い芸人に学ぶ いじり・いじられ術 いじり上手は信頼される、いじられ上手は出世する

テレビでよく見るバラエティ番組。その構成をよく見てみるとビジネスでもプライベートでも役に立つコミュニケーションの成功法則がある!という一冊。
題名にあるように他人をいじる際のポイントや注意点を解説。逆に自分がいじられる際の対応方法や心構えも紹介。
いじる際には、相手の気持ちを考え、尊重し、相手が不快にならないように配慮が必要です。
いじられることを前向きに受け入れること。ときには適度なリアクションを取ることが大切。
など、周囲の人達と良い人間関係を築くヒントがたくさん載っています。


接客は利休に学べ

茶人・千利休の教えを現代の接客に応用する方法を紹介しています。
この本は、飲食店チェーンの接客コンサルタントとして利休が活躍する物語を通じて接客を学ぶものとなっています。
状況に応じて柔軟に対応し、お客様一人ひとりに対して心を込めた接客を行うことで、信頼関係を築くこと。マニュアルに頼らず、自分らしい接客を心がけることが重要としています。
良い接客は組織の意思統一から始まり、マニュアルを超えた「おもてなし」の精神を重視します。
日本の場合、「ホテル」以外に「旅館」っていうのが独特の接客営業があったりしますね。世界はどうあれ日本人ならでは「文化としての接客」というのは残っていくことは良いことだと思います。


書物の破壊の世界史――シュメールの粘土板からデジタル時代まで

文化を残す上で書物は超重要なものですが、戦争や災害により書物が大量に失われた過去があります。その歴史をまとめている一冊。
古代、中世だと自然災害によってなくなったシュメールの粘土板だったり、焼かれて破壊されたアレクサンドリア図書館。
時代は近づいてナチスによる焚書、イラク戦争下の略奪行為。
近年では電子テロまで、さまざまな時代と場所で書物がどのように破壊されてきたかを探ります。
書物の破壊が戦争や迫害、検閲だけでなく、自然災害や書写材の劣化、害虫による被害、人間の無関心さなど、多岐にわたる原因によって引き起こされてきたことを示しています。
読書会をする身としては書物が失くなる話はなんかゾッとしますねw


今度は焚書を取り上げた有名SF小説。
華氏451度

題名の「華氏451度」は紙が自然発火する温度のことです。
本の所持や読書が禁じられた架空のディストピア社会を描いています。
主人公の男性は焚書を任務とする焚書官であり、本を見つけ次第焼き払う事が仕事です。
しかし、隣人の少女クラリスと出会い、彼女との会話を通じて、自分の人生や社会の在り方に疑問を抱き始めます。その後、彼は本を隠し持っていた女性が自らの家と共に焼かれるのを目撃し、さらに動揺します。この出来事をきっかけに、彼は本の価値について考え始め、自らも本を読むようになります。
最終的に、いつか社会が再び本を受け入れる日が来ることを信じて、知識を次世代に伝えることを使命としていく人物へとなっていきます。
この物語は、検閲や情報統制、そして個人の自由と社会の抑圧についての深いテーマを扱い、メディアの影響力や文化の衰退に対する警鐘を鳴らしています。


<妻>の歴史

特に欧州における古代から現代までの妻の役割や地位の変化を、法律、宗教、社会的慣習などの観点から詳しく分析しています。
紹介者曰く、ヨーロッパの歴史を調べていくと女性の地位や扱いが時代によってどんどん変わっているのが気になって調べて、この本を見つけたそうです。
古代ではは主に家庭内の役割を担い、夫に従う存在とされ、主に家庭内の役割を担い手となっていました。
中世に入るとキリスト教の影響で、結婚は神聖な契約とされ、妻の役割は家庭と子育てに集中。
産業革命後には女性の社会進出が進み、妻の役割も家庭内だけでなく、労働市場にも広がりました。
現代には妻の役割はより個人の選択に委ねられ、伝統的な役割からの解放が進んでいき、今もなお色んな議論が続いている形ですね。
2006年の本ということで、近年のフェミニズムの議論が活発になる前の記録になるので、原点を振り返るには良い記録書となるかもしれません。


カグラバチ

少年ジャンプ連載のバトルアクション漫画。
幼い頃から父親の刀匠としての技術を学び、立派な刀匠になることを夢見てい「チヒロ」。ある日、父親が謎の妖術師集団「毘灼(ひしゃく)」に襲われ、命を落とします。父の死を目の当たりにしたチヒロは、父の遺志を継ぎ、父が遺した妖刀を手に取り復讐を誓います。
どんな傷も瞬時に再生する能力を持った不思議な力を持つ少女シャルと出会います。
チヒロたちは毘灼のメンバーと次々に対峙し、激しい戦いを繰り広げ、シャルとの絆も深まり、二人は互いに支え合いながら困難を乗り越えていきます。
次4巻発売ほどのまだ始まって間もない連載らしいのですが、次にくるマンガ大賞2024コミックス部門1位。しかも海外の方が人気があるとのことです、戦闘シーンのコマ割りが独特で、海外の人がそれを動画でうまく表現したことでバズったそうです。
日本でもこれからの漫画なので要チェックですね。


今でも大河ドラマでは「光る君へ」が評判ですが、その紫式部が書いた源氏物語。その変わり種?の源氏物語を2つ紹介してくださいましたw

源氏物語 A・ウェイリー版

イギリスの東洋学者アーサー・ウェイリーさんによる英訳を、日本語に再翻訳したものです。
英訳するに日本にしか無いものを分かりやすくするために色んな単語が英訳で置き換わっているそうで、それをまた日本語にした本です。
「ワードローブのレディ」に「更衣」
「カーテン」に「御簾(みす)」など
ストーリーは日本版と同じですが、2回翻訳されていることで描かれる世界観がずいぶん変わっているとのことです。
原作ありきですが、その変化が面白いとのことです。


源氏物語: 現代京ことば訳

こちらは現代の京都の言葉で訳されています。
現代風のセリフなので平安時代の宮廷生活がより身近に感じられます。
シチュエーションを大事にしているようで宮中に仕える女房の視点から物語が語られ、その場にいるかのような臨場感があったり、京都の風土や文化も深く描くことでおり京都感をだしているそうです。
平安時代の雅やかな世界がより親しみやすく、理解しやすくなっているとのこと。
同じ日本語でもやり方次第で作風も大分変わるってことですね。



以上が今回紹介された作品でした。
拡がる読書会はお題がジャンルフリーで、お互いのおすすめ本を紹介し合う形式です。
他に面白く話せる内容があれば普通の文庫本と海外に絵本・漫画・写真集・雑誌・チラシ・パンフレットなどなんでもどうぞなのです。
みなさんのおもしろかったー!をぜひ教えてください。
ゆるーい会なので、「読書会ってどんなの?」っていう初心者の方にもオススメです。お気に入りの一冊を持って、好きなように話してくださればOK。話せなくてもて、みんなで一生懸命聞きますw
次回開催概要は↓

ご参加お待ちしております。
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